拡大する写真・図版約290人が拘束された抗議デモで、拘束したとみられる参加者を護送車両に乗せる警察官ら=2020年9月6日、香港、益満雄一郎撮影

 香港警察は10日までに、中国・香港両政府への抗議デモに関連し拘束された人が延べ1万人を超えたと明らかにした。6月末の香港国家安全維持法国安法)施行後、取り締まりが一段と厳しくなり、市民の不満が強まっている。

 警察によると、抗議デモが大規模化した昨年6月9日から今月6日までに拘束されたのは延べ1万16人。このうち延べ2210人が起訴された。暴動罪での起訴が最も多く、違法集結、武器所持と続く。

 国安法施行後、抗議デモの呼びかけは大幅に減少したが、施行翌日の7月1日に約370人、今月6日には約290人と、一度に多くの参加者が拘束される傾向が目立つ。

拡大する写真・図版約290人が拘束された抗議デモで、警官隊に所持品を調べられるデモ参加者や救急ボランティアら=2020年9月6日、香港、益満雄一郎撮影

 6日のデモでは、警察官に対してクラクションを鳴らした路線バスの運転手が武器所持容疑などで拘束された。香港紙によると、警察は、運転手がバスのミラーを調整するために常備していたスパナを武器と認定したといい、市民の間で「過剰な取り締まりだ」との批判が広がっている。

 また警察は6日のデモの際、女性1人を国安法違反容疑で逮捕したと発表したが、後に「逮捕していなかった」と訂正した。(香港=益満雄一郎)

拡大する写真・図版約290人が拘束された抗議デモで、参加者を強制排除する警官隊=2020年9月6日、香港、益満雄一郎撮影

 

香港デモ、逮捕1万人超 取り締まり強化に反発

香港の九竜地区で、立法会選の早期実施を要求する民主活動家ら(藤本欣也撮影)
香港の九竜地区で、立法会選の早期実施を要求する民主活動家ら(藤本欣也撮影)

 香港警察は10日までに、昨年6月からの政府への抗議デモに関連した逮捕者が1万人を超えたと明らかにした。6月末の香港国家安全維持法(国安法)施行後は、取り締まりが強化され、市民の反発も強まっている。

 警察によると、約100万人の抗議デモが起きた昨年6月9日から今月6日までの逮捕者は1万16人だった。うち起訴されたのは2210人。暴動罪での起訴が最も多く687人、次いで違法集会罪の383人だった。

 今月6日に国安法反対などを訴えた抗議デモでは、警察が買い物中の12歳の少女を押し倒して制圧していたことが分かり、過剰な取り締まりだと批判を受けた。さらに現場付近でクラクションを鳴らした路線バスの運転手が危険運転の疑いで逮捕され、運転手の所属する労働組合から反発が出ている。(共同)

 

 

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