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チベット亡命政府首相ペンパ・ツェリン首相、中国に対話促す

「開発とカネで解決、は誤り」チベット亡命政府首相、中国に対話促す

 

毎日新聞

 

2021/06/05 11:18

 

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© 毎日新聞 提供 オンラインのインタビューに応じたチベット亡命政府ペンパ・ツェリン首相=2021年6月2日、松井聡撮影

チベット亡命政府(インド北部ダラムサラ)の首相に5月に就任したペンパ・ツェリン氏(58)が、オンラインで毎日新聞のインタビューに応じた。2010年の非公式協議を最後に途絶えている中国との対話について「我々は独立ではなく、高度の自治を求めている。対話は唯一の解決策で、中国側の利益にもなる」と述べ、対話再開を働きかけていく意向を示した。

10年の非公式協議で、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世側は「高度の自治」などを求めたが、中国側は「チベット側の要求は憲法違反にあたる」などと反発し、決裂した。

2日にインタビューに応じたツェリン氏は、再び対話するのは容易ではないと認めつつも「再開されなければ、我々は国際社会でこの問題を提起し続ける。現状のままでは中国は国際的に尊敬される国家にはならない」と述べ、中国に応じるよう訴えた。

また、中国のチベット自治区の現状について「僧院で僧侶の数が減り、中国政府が僧院の運営に関与するなど、文化的虐殺が続いている」と指摘。「新疆ウイグル自治区内モンゴル自治区で起きている問題とも共通するが、開発とカネですべてを解決できるという中国政府の考えは誤りだ」と強調した。

85歳と高齢のダライ・ラマ14世に関連し「中国が後継者の問題に介入することはあり得るが、その場合チベット人は結果を決して受け入れない」とけん制した。

さらに、インドにいる亡命チベット人が欧米へ移住している問題に関し「コミュニティーが離散してしまったと言うこともできるし、多くのチベット人が他国の国民となり、ロビー活動の力が増しているとも言える」と説明。チベット人としての意識や言語、文化を次世代に継承するため「世界各地の(チベット人の)若者にアプローチしていく」とも語った。

また、トランプ前米政権が20年にチベット自治区での人権や信教の自由を擁護する法律を成立させたことに謝意を表す一方、チベット問題を担当する特別調整官の任命が政権発足から3年半以上たっていたことに「とても遅かった」と指摘した。

そして「バイデン政権は人権を重視し、チベット問題への関心も高いと考えている。特別調整官が早く任命されるのを心待ちにしている」と述べた。

ツェリン氏は亡命2世で、インド南部出身。亡命政府議会議長やワシントン事務所代表などを務め、4月にあった首相選の決選投票で当選した。【松井聡】