チベットで続く極端なコロナ規制-ラサの封鎖、50日目に近づく
(ブルームバーグ): 中国チベット自治区の中心都市ラサは新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)開始から間もなく50日目を迎えようとしている。住民の生活に大きな影響が及んでおり、自殺者が最近相次いだと人権団体が報告した。
新規感染者数は減少しているものの、ラサの大半を対象としたロックダウンは続いている。同自治区は30日、72人の新規感染者を発表。ピークは8月半ばの約900人だった。
米ワシントンを本拠とする人権団体インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット(ICT)が現地の情報源を引用し29日公表したリポートによると、非人道的なコロナ規制で自殺者が出ており、徹底的にコロナを封じ込める習近平国家主席肝いりの「ゼロコロナ」政策の社会的コスト増大を裏付けている。
ラサおよびその周辺地域で23日から24日にかけ少なくとも5人のチベット住民が新型コロナの大規模隔離施設もしくは居住用の建物から飛び降りて亡くなったとするリポートは、「チベットでの中国の誤ったコロナ管理は、権威主義的な警察国家が人々の幸福よりも検閲と社会統制を優先した場合の極めて大きな人的コストを露呈させた」と指摘。「チベットでのコロナ流行は、すでに侵略的かつ抑圧的であった生活環境を悪化させた」と論じた。
原題:Xi’s Covid Policy Takes ‘Extreme’ Toll in 50-Day Lhasa Lockdown (抜粋
(c)2022 Bloomberg L.P.
チベット亡命政府(インド北部ダラムサラ)から来日したペンパ・ツェリン首相が、毛呂山町の埼玉医科大を訪れ、県内のチベット人と会談した。
ツェリン氏は2021年5月の首相就任後、初の来日。亡命政府樹立の背景となった「チベット動乱」(1959年)後に日本に受け入れられた難民の経緯や近況を知ろうと、24日、県内を訪れた。医師の西蔵ツワンさん(70)=武蔵台病院(日高市)院長=ら在住50年以上のチベット人8人が埼玉医科大に集まり、ツェリン氏と会食した。
毛呂山町では65~70年、毛呂病院(現埼玉医科大)の丸木清美(せいみ)元院長(故人)が、難民となってチベットを逃れた10~14歳の子どもたち計21人を迎え入れた。日本政府は留学生としてビザを発給。西蔵さんもその一人で、65年に13歳で来日した。町立毛呂山中、県立飯能高、埼玉医科大で学び、内科医となった。