ウクライナのクレバ外相は26日、マンションへのミサイル攻撃について以下のようにツイートした。 「私たちの平和で素晴らしい都市キエフは、ロシア地上軍のミサイルの攻撃を受けていますが、もう一晩、生き延びました。ミサイルのうちの1発がキエフの民間向けマンションを直撃しました。私は世界に要求します。ロシアを完全に孤立させ、大使を追放し、石油を禁輸し、その経済を破綻させることを。ロシアの戦争犯罪者を阻止してください」
「17階から21階まで破壊されました」キエフ市長がミサイル命中の瞬間の動画を投稿
キエフのヴィタリー・クリチコ市長はFacebookに、高層マンションにミサイルが直撃する瞬間の動画を投稿した。「17階から21階まで破壊されました。人々は避難しています」と説明している。 また、米紙ニューヨーク・タイムズのマラキー・ブラウン記者もTwitterに、高層マンションにミサイルが命中する瞬間の動画を投稿した。同紙のスタッフによって検証済みだという。 ブラウン記者は「ミサイルは今朝、キエフ市内のマンションを襲った。通りの向かい側には診療所があり、ターゲットが不明確」「無差別爆撃だ」と記載している。
安藤健二・ハフポスト日本版
ヴィクトリア・ギルBBCニュース科学担当編集委員 ロシア軍によるウクライナ侵攻で占拠されたチョルノービリ(チェルノブイリ)の原子力発電所で、放射線量の上昇が記録された。 チョルノービリ原発は1986年4月、ウクライナがソヴィエト連邦の一部だった当時、爆発事故を起こした。大量の放射性物質が大気中に放出され、現在のウクライナだけでなく、ロシアやベラルーシ、さらには欧州北部の広範囲に拡散した。半径32キロの範囲が立ち入り禁止区域となった。 ウクライナ政府は24日、ロシア軍がこの立ち入り禁止区域に入り、施設を掌握したと発表。その後、同原発の放射線量をモニタリングしている施設で、通常の20倍もの放射線が記録された。 一方で専門家らは、新たな惨事が起きる可能性は「極めて低い」としている。 ウクライナの原子力規制当局の報告では、放射線量上昇の原因は、大型の軍用車両が4000平方キロメートル以上にわたる立ち入り禁止区域の汚染された土壌をかき回したからだという。 また、最も上昇率が高かったのは倒壊した原子炉の周辺だった。 チョルノービリ原発では、1時間ごとに各観測点での放射線量がモニタリングされている。 原子炉周辺での放射線量は通常、毎時3マイクロシーベルト。しかし24日にはこれが毎時65マイクロシーベルトまで跳ね上がった。これは、大西洋を横断する旅客機に乗った際に浴びる放射線量の5倍に相当する。 英シェフィールド大学の核物質専門家クレア・コールヒル教授はBBCの取材に対し、放射線量の上昇は「極めて限定的」に発生しており、原子炉周辺を行き来する主要ルートに沿って観測されたと説明した。 「チョルノービリ周辺で人間や車両の移動が増えたことで、地上に積もっていた放射性物質が舞い上がったとみられる」 「それ以上の動きがないことから、放射線量は数日かけて下がっていくはずだ」 しかし、この地域での軍事活動には懸念が生じている。 チョルノービリ原発はウクライナの首都キーウ(キエフ)の北方130キロのところにある。ウクライナ当局によると、原発制圧に際し、ロシア軍とウクライナ軍は激しい戦闘を行った。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国軍は「1986年の惨事を繰り返さない」ために戦ったと述べ、ロシア軍はチョルノービリを攻撃したことで「欧州全体に宣戦布告した」と批判した。 ロシア当局は、同地域での戦闘についてコメントを発表していない。 チョルノービリの原発施設には現在、複数の放射性廃棄物処理施設があるほか、2016年には、1986年に爆発した第4原子炉を丸ごと覆う「新安全閉じ込め構造物」が完成した。 コークヒル教授は、「これらの施設は放射性物質を封じ込めるために設計されているが、武装はされていない。戦地で運用するようにはできていない」と指摘する。 同原発の放射線量は事故以来、劇的に低下している。「しかも当時、放射線が放出されたのは、巨大な火災が原因だった」とコークヒル教授は言う。 それでも、原発事故のような惨事が繰り返される可能性は「非常に低い」と、教授は強調した。 それよりも、ウクライナで現在稼働中の原発近くで行われている戦闘の方が、懸念材料としては大きいという。 国際平和カーネギー基金の原子力政策の専門家ジェイムズ・アクトン教授は24日、「チョルノービリ原発の内部には大きな無人の空間があるが、その他の原子炉は同じように隔離されていない。原発は紛争地帯向けに設計されていない」と指摘した。 国際原子力機関(IAEA)は、ウクライナ当局から25日、国内の原発は「安全に」稼働しているとの報告を受けたという。 (英語記事 Radiation spike at Chernobyl site seized by Russia)
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ウクライナのシュミハリ首相は24日のビデオメッセージで、チェルノブイリ原発の全ての施設と周辺地域が、ロシア軍の部隊に占拠されたと発表しました。 地元メディアなどは大統領顧問の話として、ロシア軍とチェルノブイリを守るウクライナの警備隊との間で激しい戦闘となったものの、ロシア軍に占拠されたと伝えています。 アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は。 ホワイトハウス サキ報道官 「ロシア兵士がチェルノブイリのスタッフを人質に取っているとの報告に憤慨しています。人質の解放を要求します」 信憑性のある情報として、ロシア軍が原発のスタッフを人質に取っていると明らかにし、強く非難しました。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は。 ウクライナ ゼレンスキー大統領 「悲しいことに137人の英雄が亡くなった」 大統領は、ロシアの軍事侵攻による死傷者には民間人が含まれているとしています。 こうしたロシアのウクライナ侵攻に対し日本を含む多くの国で反対デモが行われています。 東京に住んで5年のウクライナ人、サーシャさん。ロシア軍が首都も攻撃の対象としたことに驚いたと話します。 東京在住 サーシャさん 「(ロシア軍が)キエフまで来ると思わなかった」 両親は今も東部ハリコフ州で暮らしていますが、侵攻が始まってから電話がつながりにくくなっています。 日本時間のきのう深夜、父親と電話が通じました。 サーシャさんの父親 「朝、皆パニックでスーツケースを持って逃げた。逃げてしまったのは最も弱虫だけだ。もう大丈夫だよ」 東京在住 サーシャさん 「お父さんが私のことを慰めている。大丈夫、大丈夫。心配しないで下さいと言われた」 「プーチン大統領に聞きたい」サーシャさんはこう訴えました。 東京在住 サーシャさん 「広いロシアでどうして足りないの?どうしてウクライナが欲しい?聞きたいんです。理由を知りたいんです」 ロシアでも侵攻に反対するデモは40か所以上で行われています。 「戦争反対!」 プーチン政権はこうした抗議デモを厳しく取り締まっていて、これまで1800人を超える人が拘束されています。 (25日17:26)