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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)5月30日(月曜日)弐
通巻第7352号
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フィンランドは高度武装国家、スウェーデンも防衛費増強
フィンランドはムーミンが代弁する、のんびり国家ではなかった
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ロシアのウクライナ侵攻で、世界史における激変の一つが北大西洋条約機構(NATO)へのスウェーデン、フィンランドの加盟申請である。従来、スウェーデンとフィンランドはNATOの公式加盟国ではないが、「戦略的パートナー」として扱われてきた。
すでに 1994年に締結された「平和のためのパートナーシップ」があり、米国、英国、フランス、ドイツとの連携が存在する。またフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド五ケ国の「北欧防衛協力(NORDEFCO)」がある。北欧の防衛協力は、防衛の分野における北欧諸国間の協力である。
そのうえ、スウェーデンとフィンランドは、軍事力を増強してきた。両国は軍事技術があり、空軍と海軍の充実、その武器体系はNATO諸国並みの揃えがあり、戦闘機、サイバー機能とをもって、その軍事力は北極圏とバルト海における強力な存在だった。NATOにとって、グリーンランド、アイスランド、英国周辺地域はロシアからの脅威にさらされている。軍事力が脆弱なリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト三国の安全保障にも資してきた。
ましてスウェーデンとフィンランドはユーロには加わっていないけれども、1995年以来『EU』加盟国である。
人口的にはフィンランド550万人、スウェーデン1,000万人。防衛予算はフィンランドがGDPの2%、スウェーデンはGDPの1・85%だ。
とくに1340キロの国境を接するフィンランドにとって、ロシアの軍事的脅威に対応するために18歳以上の男性は懲役義務。女性は志願制。現在の兵力は28万、予備役が60万と、その人口比からみても欧州最大である。
米国からF35ジェット戦戦闘機64機の導入も正式契約済である。
ロシアは直ちにフィンランドへのガス輸出を停止したが、フィンランドは慌てず騒がず、というのも、燃料備蓄五ケ月、穀物備蓄六ケ月。医療品備蓄が10ケ月分があって、戦争に対応する態勢がある。それもこれも1939年のロシアとの戦争で2・5万の死者をだすという苦い経験から来る。どこかのヘイワ憲法国家とは気構えが違うのだ。
現在、NATO加盟に立ちはだかるのはトルコだが、すでに両国外相はアンカラを訪問し、実質討議に入っている。
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