パルデンの会

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マレーシア航空17便撃墜したのは ウクライナ東部の ロシア系武装派(ロシア軍の便衣兵)ではなく ロシア軍そのものであったことは欧州では明白な事実である。なぜ日本の左翼や一部のマスコミはロシアの無茶苦茶な侵略・破壊・策略を認めようとしないのか?

 

犯人はロシア軍? 298名全員死亡…マレーシア航空17便撃墜事件の真相

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現代ビジネス

写真提供: 現代ビジネス

---------- 国際的なネット調査集団「ベリングキャット」が用いていることでも注目を集めている、デジタル時代の新しい取材方法「OSINT(Open Source Intelligence)」――。 「OSINT」は、インターネット上の情報やSNSに投稿された動画や画像、あるいは地図情報や衛星画像などといった全世界に溢れる「公開情報」を扱いながら、真実に迫る手法である。 では、ベリングキャットはOSINTを使ってどのような「真相」を暴いてきたのか? 『NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる』から特別にお届けする。 ---------- 【写真】プーチンが女性と「踊る姿」…!さらに「前妻とのツーショット」など全公開

ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜

MH17便の残骸(PHOTO)gettyimages

 2014年7月、ウクライナ東部の上空で、オランダ発マレーシア行きのマレーシア航空17便(MH17便)が撃墜され、乗客・乗員298名全員が死亡した。犠牲者の国籍は10ヵ国にも及び、なかでもオランダがいちばん多かった。  事故が起きたのはロシアの支援を受ける親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部だった。その年の3月から、ロシアによるクリミア半島への侵攻により、緊迫状態が続いているウクライナ。事故は親ロシア派の武装勢力による仕業か、それともウクライナ軍の仕業なのか、激しい論争が起きていた。  一方、SNS上では、墜落前日から当日にかけて、ミサイルを載せた車両の目撃情報とともに動画や写真が次々と投稿されていた。

撃墜犯に迫る「べリングキャット」

 「べリングキャット」を立ち上げて間もないヒギンズ氏は、SNSで呼びかけながら仲間を増やし、ミサイルを載せた車両を捉えた動画や写真を収集。そして一つひとつを、「いつ」「どこ」で撮られたものなのか、映り込んでいる物から手がかりを探し、デジタルツールを駆使しながら特定していった。  その過程で大きな発見となったのが、4発のミサイルを搭載した車両の写り込んだ一枚の写真だった。  車両とともに写り込んだ店の看板を手がかりに、その住所を洗い出し、そのエリアを記録した映像や衛星画像を使って照らし合わせ、場所を特定していくと、ウクライナ東部の町であることがわかった。  次に写真に写り込んだ建物の影を手がかりに、その日の太陽の動きから時間がわかるツールを使って撮影された時間を割り出した。すると、MH17便が墜落した時間のわずか数時間前に撮影された写真であることが判明した。  こうして地道な作業を繰り返しながら何百もの動画や写真を検証し、「Buk」と呼ばれるロシア製の地対空ミサイルを載せた車両の足取りを突き止めていった。MH17便が撃墜された翌日には、ミサイルが一発なくなっている状態でウクライナからロシアに向かって走り去る車両の動画も見つけ、それが決定的証拠となった。これらは市民たちによってSNSに投稿されていた公開情報、いわゆるオープンソースだ。

ロシア軍による撃墜か?

 しかし、ヒギンズ氏たちのオープンソースによる追及はそこでとどまることはなかった。その車両に乗っていたのは誰だったのか。  ロシアの言語や文化に精通したメンバーたちの力を借りて、ロシア軍の兵士たちのSNSを徹底調査。さらには兵士の母親たちが前線に行く子どもたちの情報交換をするためのコミュニティサイト「マット・ソルダータMAT SOLDATA(兵士の母親)」まで調べ上げた。そしてロシア軍の兵士たちが乗っていたことを突き止める。ここからもMH17便を撃墜したのはロシア軍だということを裏づける重要な証拠を摑んだのだ。  ヒギンズ氏ら調査に関わったメンバーたちは4ヵ月かけて報告書をまとめてウェブサイトで公開した。それは、MH17便事件を担当していたオランダの検察庁が主導する「国際合同捜査チーム(Joint Investigation Team)」にとっても重要な証拠となった。  その後もヒギンズ氏たちは調査の規模を拡大させていった。ウクライナ東部に駐留していたロシア軍兵士の電話傍受の記録を入手し、SNSから人物を割り出して、動画を見つけ出し、電話傍受の声と比較する声紋分析まで行い、粘り強く追及し続けた。  そして事件から5年経った2019年。遂に「ロシアからウクライナ東部へのミサイル運搬の指示を出した責任者4人」を割り出したのだ。その中には、「ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)」のメンバーも含まれている。

頑なに否定するロシア政府

 2021年12月、責任者たちはオランダ国内の裁判所で、殺人の罪で終身刑を求刑され、現在も係争中だ(『NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる』刊行直前の6月10日に審理が終了し、11月17日に判決が言い渡されることになった)。亡くなった298人の遺族たちも裁判のたびに出席し、ロシア政府が頑なに否定する「MH17便墜落の真実」を求め続けている。  私はオランダで撃墜事件の遺族の一人に面会した。オランダ人のハンス・デ・ボストさんは、一人娘のエルゼミークさんを失った。まだ17歳だったエルゼミークさんは、大学に入る前の夏休みをマレーシアで過ごす計画だった。エルゼミークさんから届いた出発の知らせのメッセージに、ハンスさんは「良い空の旅を」と返信。そのやりとりが二人の最後に交わした言葉となってしまった。ハンスさんは、自分たちが堂々とロシアを非難できるのは、「べリングキャット」のメンバーたちが事件の過程を揺るぎない証拠でもって公開し、世界中の人が共有できるようにしてくれているからだと語った。

「証言は変わることがあるが、動画は噓をつかない」

写真:現代ビジネス

 樋爪「あなたにとって『べリングキャット』はどんな存在ですか?」 ハンスさん「もし彼ら(『ベリングキャット』)が調査を行わなければ、調査はもっと難航し、遅れていたかもしれない。デジタルの発展もあるだろうが、決してそのおかげではない。彼らの地道な努力のおかげなのだ」  ヒギンズ氏らメンバーたちは、ウェブサイト上で、一つひとつの調査のプロセスを詳細に説明している。ヒギンズ氏がいつも口にするのは、「証言は変わることがあるが、動画は噓をつかない」ということ。  だからこそネット上に転がる膨大な動画や写真という情報の「原石」を見つけ出し、調査の証拠という「宝石」に丁寧に磨き上げる。さらに、その調査報道のプロセスを包み隠さず公開することで結果に対する透明性と信頼性を担保する。地道な作業の積み重ねが、事件・事故の被害者からも絶大な信頼を受ける所以だ。

樋爪 かおり(NHK国際放送局 報道番組「NEWSROOM TOKYO」ディレクタ