パルデンの会

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バングラデシュ、インドでも洪水。中国のダム建設が原因か?南アジアは洪水被害、パキスタンは食糧不足に

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宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)9月1日(木曜日)
        通巻第7448号 
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 南アジアは洪水被害、パキスタンは食糧不足に
  バングラデシュ、インドでも洪水。中国のダム建設が原因か?
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 世界的ニュースとなったのはパキスタンの洪水である。インダス河のバロチスタン地方では9月1日現在、死者1191名、負傷者3500。被災農地11000エーカー。道路は水没し、パキスタンはインド、イランから緊急に食料輸入をして居る。被災地では水道断水、電力供給無し。

 バングラデシュは日常的に国土の四分の一が湿地帯。6月からの季節風豪雨などで数百万人が被災している。
インドのアッサム地方も洪水に襲われたが二月には氷河の融解により、洪水が発生した。上流で中国が建設中のダム工事の振動が誘発した。ヒマラヤの氷河は3624あるとされ、このうちの47カ所が危険と警告されている。。

 またインドのプラマプトラ河はチベットを水源としてバングラデシュへ流れ込み、ガンジス河と合流する。この上流に中国は三ヶ所、世界最大の水力発電所を建設しており、下流のインドに洪水がもたらされると安全保障の問題だと警戒を緩めない。

 なにしろ北東部ラダック地区では中印国境対立が続き、双方で20万人の軍人が配置されている。
国境は3440キロに及ぶが、ラダック地方のパンゴン湖に中国が橋梁工事を展開し、また付近には入植を装った軍人の宿舎がかなり大規模に建設された。

 このためクアッドを推進する米国は10月に現地で合同軍事演習をすると発表した。21年は寒冷地のアラスカで米印軍事演習が行われた。
☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□   
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  お人好し日本人がいかに中国にむさぼり尽くされたか
   特許、エンジニア強盗団が中国の正体なのだ

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平井宏治『経済安全保障のジレンマ』(育鵬社
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 この稿を書こうとしていたらビッグニュースが飛び込んできた。
 「中国のSMICが7ナノの半導体開発に成功した」というのである(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、8月29日)。
 開発時間はTSMCが14ナノから7ナノへ移行した時間よりはるかに迅速で予測の2年前倒しとなったとカナダの『テックインサイト』が発表したという。
 米国、オランダ、日本は中国への半導体装置輸出を規制されているにもかかわらず、いかにして、このような迅速さでSMICの技術開発が可能だったのか。

それにしても日本人はお人好しである。
大和民族のDNAだから、仕方がない」では済ませられなくなった。理由は国家安全保障にかかわる重大な技術が中国に次々と盗まれている現実があり、なぜこうなったのかと言えばグローバリズムの蔓延とサプライチェーンの国際化である。
日本人は馬鹿がつくほど愚かな善人だと知って、中国は貪らいついたのだ。
著者はこう言う。
「この20年の間に経済のグローバル化が進み、日本企業が有する差別化された技術が、さまざまな手段で海外に野放図に流出した。海外への技術移転をよしとする新自由主義者的な風潮もあった」。
トランプ大統領の登場で風向きが変わった。
「西側諸国と中国との対立は、民主主義国家と独裁国家とのそれぞれの価値観に基づく争いだ。2021年には経済安全保障問題が人権侵害問題にまで拡大した。米中対立はより先鋭化し、多面的にあり、構造化している」
日本はようやく重い腰を上げて2020年に外為法を改正し、22年には「経済安全保障推進法」を成立させた。これは「サプライチェーンの強靱化、国民生活の基礎となる基幹インフラの安全性・信頼性の確保、官民が協力して特定重要技術を開発して行くこと、その特定重要技術を外国の『パクリ』から守る特許出願の非公開かが柱になっている」と平井氏はいう。
川崎重工の新幹線技術、新日鉄の特殊鋼板技術などが象徴し、シャープは台湾系をなのる中国人に乗っ取られた。
深刻な問題とは特許がいとも簡単に盗まれ、さきに中国で出願されてしまうと手がつけられない事態である。また特許出願と成立率の高い日本人技術者が高給で釣られ、それも優秀なエンジニアから順にスカウトされている。
ファーウェイが日本に四カ所も設立したラボには日本人技術者が400名も引き抜かれている。日本のファーウェイの従業員は977名、うち86%が日本人である(35p)。
韓国に渡った日本人技術者も夥しい。
 日本がとれる対策は大枠をいえば、スパイ防止法の制定(具体的に孔子学院廃止、怪しい中国人の一斉調査など)、カウンターインテリジェンス体制の構築、そして次世代ハイブリッド戦争に備えるためにサイバーセキュリティの厳重なる警戒などだ。とくに電力システム、発電所攻撃、医療機関、空港などではハッカー対策にもっと真剣に取り組まないと間に合わなくなる。
 ところが「ものづくり」に熱中するエンジニアは国家安全保障という大きなパラダイムでものごとを考えず、中国に『国際的な流れだから』といって軽い気持ちで出ていった。自社の生き残りを考えれば、じつに愚かな選択だった。
 結論は以下のごとし。
 日本は発電、エネルギー、輸送網、医療・通信システムなどの基幹インフラをサイバー攻撃に耐えられるほど防護しておらず、経済安保、とくにサイバーセキュリティに邁進するべきだ。
 なぜなら中国は日本の製造業を潰そうと準備をしているフシが濃厚だからだ。
「令和時代は、国を挙げて殖産興業、富国強兵に取り組むことが求められている。日本が反転攻勢することを妨害する者がいる。中には、マネトラ、ハニトラにかかり、独裁者の飼い犬に墜ちて、国益を損なう活動を行う者がいる。中国を宗主国と崇め、日本を属国に貶めようとする反日政治家、反日経済人ら売国奴がいる。看過することが出来ない」
 この深刻は状況をメディアは伝えない。永田町の住民たちの大半がしらない。