パルデンの会

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高市氏が今国会で成立を目指すセキュリティークリアランス(機密情報を扱うにあたっての適格性審査)をまともに報道しないマスコミに 他人様の安全より自分の功名しか見られないのは当然、読売新聞にもまともな職員などいない

岸田首相のウクライナ"電撃訪問"の情報は漏れた...。他国の要人も危険にさらすヤバい日本の危機管理体制

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3月21日、WBC準決勝の日本対メキシコ戦をTVで観戦中の9回裏に、「岸田首相、ウクライナを電撃訪問」のニュース速報が入った。ウクライナ出国後の報道かと思いきや、その後のTV番組で、岸田首相がポーランドから首都・キーウに向かう列車に乗る所が放映された。 ウクライナに行く事を2月に読売新聞で報じられ、岸田首相は激怒した。今回の報道は日本テレビによるものだったが、ただの一メディアのスクープにとどまる話ではなく、この報道はウクライナのゼレンスキー大統領が10時間後にいる場所を、ゼレンスキーを邪魔だと考えている人間も含めた全世界の人々に知らしめたことと等しい。 今回の一件を受けて、元米陸軍情報将校の飯柴智亮氏と状況分析を開始した。 「米国の大統領がエアフォースワンなどを使い、外国、特に危険地帯に電撃訪問する際のITINERARY(旅程)はトップシークレットです。これは、セキュリティーリアランス(機密情報を扱うにあたっての適格性審査)のトップクラスを持っている者たちだけが知り得て、外に洩れる心配はありません。それを漏らすと米国では連邦刑務所で長期刑に科せられます」 2月にバイデン米大統領ウクライナを電撃訪問した際は、首都・キーウからポーランドに戻った時点で初めて報道された。電撃訪問に同行した記者二人は出発二日前にホワイトハウスに呼び出され、絶対に秘密にする誓約した。記者はスマホも没収されたという。 逆に岸田首相が、ポーランドからウクライナへの出発前に報道されたのとはまるっきり状況が異なる。 「OPSEC(オペレーションセキュリティ)と呼ばれる作戦機密を守る措置が日本には無さ過ぎます。ゼレンスキー大統領の居場所をばらし、そこにいるよと伝えた事実は到底信じられるものではありません」(飯柴氏) さらに、誰もが周知するなかの電撃訪問となった岸田首相は、移動中の列車から与党幹部に『いま、ウクライナにいます』と電話をしたらしい。 「常識では考えられません。ウクライナではロシア軍の将軍がスマホを使って居場所を知られ、狙撃されて多数が戦死しました。ロシア軍が同様の手段を持ってないと言う確証はありません」(飯柴氏) 岸田首相は現地時間のお昼頃にキーウに到着。駅では双眼鏡を持った兵が周囲を警戒していた。狙撃と自爆無人機への警戒であろう。その後岸田首相はマリインスキー大統領宮殿で、ゼレンスキー大統領と会談した。 「10時間以上の時間があれば、ロシア軍はゼレンスキー大統領を攻撃するCOA(Course of Action:選択肢)は色々と考えられました」(飯柴氏) 3月22のNHKの報道によれば、岸田首相のウクライナ訪問はロシア側に事前通告済みとの事だが、それは相手の判断に安全を委ねただけだ。ゼレンスキー大統領が岸田首相を迎えに出て来る場面が一番危険な瞬間だ。 「ウクライナ当局が時間と場所を無作為、または、意図的に細かく変更して、狙撃、攻撃を防いだと思われます。正直な話、日本のマスコミに対しては『余計な事をしやがって』と思っていることと思います」(飯柴氏)

ただ3月23日現在、ゼレンスキー大統領は無事な模様だ。 「日本は今も昔も、秘密保全に関しては他国から信用されていません。1996年12月17日に発生した、駐ペルー日本大使公邸襲撃占拠事件では、フジモリ大統領(当時)はいつ突入作戦するかに関して、一切日本に伝えることなく進めました。 突入作戦前には一切情報を外部に漏らすことなく、キューバに飛んでカストロ議長とテロリストの受け入れ要請の会談をするなど、記者たちを翻弄し続けました。日本のOPSECは明らかにペルー以下です」(飯柴氏) 岸田首相はキーウで、「秘密保持と危機管理、安全対策に万全を期すべく、慎重にウクライナ側との調整を重ねた」と記者団に語ったという。 「そもそも日本にセキュリティーリアランス制度が完備されていないので、何から説明していいのかわかりません。逆にこの制度がないので『何を言っても良い』と言う事になっているのです」(飯柴氏) 2月14日のNHKの報道によると、岸田首相は経済安全保障に関して、セキュリティーリアランス制度の創設に向け検討作業を進めるよう指示したという。 「自分の立場から言わせていただくと、セキュリティーリアランス制度の無い情報組織や情報部隊は、土地が無いのに家を建てようとするのと一緒です」 いずれせよ、米国ならば国のトップのウクライナ極秘電撃訪問日程はトップシークレットであるにもかかわらず、日本の岸田首相の場合には外部に漏洩した。米国ならば情報漏洩ルートに関して、FBI(米連邦捜査局)がすぐに捜査を開始するだろう。 報道では情報漏れにより、岸田首相の身の安全が保障されなかったとしているが、ゼレンスキー大統領とウクライナ政府首脳の命も危険に晒したこの事実を、忘れてはならない。 取材・文/小峯隆生 写真/時事通信社