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SDGの裏に 中国製電動自転車やEVは火災を起こす要因に関して あまり議論されていない。 しかし普及が上がるにつれて 中国製太陽パネルと同様に大きな問題となる

なぜ、電動自転車やEVは火災を起こしやすいのか?
なぜ、電動自転車やEVは火災を起こしやすいのか?
2020年6月19日、中国・北京の通りを電動自転車で横断するフードデリバリーのドライバー(Wang Zhao/AFP via Getty Images)
 
2024/04/21
 
更新: 2024/04/21

今年2月、中国江蘇省省都・南京市で34階建てのビルで火災が発生し、15人が死亡、44人が入院し、うち1人が重体、もう1人が重篤な状態になった。南京市消防救助隊は、火災は6号館の地上階にある電動自転車の駐車場から出火したと発表した。

電動自転車が火災を起こしやすい理由については、主に3つの理由が挙げられた。

1.過充電:バッテリーが過熱、膨張、さらには爆発する原因となる

2.配線の劣化:電動自転車を長期間使用すると経年劣化や内部配線の緩みにつながり、漏れ、接触不良、または短絡を引き起こす可能性がある

3.不適切な充電器の使用:異なるメーカーの充電器を混合使用すればバッテリーの損傷につながる恐れがある

また、「バッテリーが外力を受けたり、自己改造を施されたりした結果、バッテリーに異常や漏電を引き起こし、火災や爆発の原因になる」と中国自動車メーカー嵐図汽車の武漢安全部長は指摘した。さらに、家庭用充電器やソケットは連続的な高電流充電を想定して設計されていないため、容易に過負荷がかかり、火災につながる可能性がある。

バッテリー火災の要因となるのは、バッテリーの品質にも依存する。昨年発表された中国国家市場監督管理総局の報告書によると、電動自転車のバッテリーの故障率は21%にも達しているという。

また、政府の規制が導入され、より安全な鉛蓄電池の使用が減る一方で、可燃性で爆発しやすいリチウム電池の優位性が高まっていることも、火災が起きる要因のひとつだと述べている。

鉛蓄電池は、長い間、中国の電動自転車市場を支配してきた。安価で、電解質として硫酸が含まれているため、自己発火や爆発を起こしにくい。だが、重量が重く容量が限られており、寿命が短く一般的に400回までのディープチャージしかできない。

中国では、2018年に電動自転車の「国家基準」を導入し設計基準を明らかにした。例えば、最高設計速度は時速25キロ、バッテリーの公称電圧は48ボルト、バッテリーを含んだ車両総重量は55キロまでと規定した。

重量に関していえば、48ボルトの12アンペア時鉛蓄電池の重量は約16キロである。つまり、鉛蓄電池を使用するには航続距離を犠牲にしなければならない。一方、同じ容量のリチウム電池は重量が約4キロと軽く、エネルギー密度が高く、充電時間も短い。そのため、新しい規制の導入後、リチウム電池は急速に市場に浸透した。

電気自動車(EV)のバッテリーに関する安全上の懸念

現在、中国で主流となっている新エネルギー車の動力電池は、リン酸鉄リチウム電池と三元系リチウム電池で、どちらもリチウム電池である。

メディアではあまり目立たないが、新エネルギー車が関係する火災の数も多い。危機管理部門の統計によると、2023 年の第 1 四半期だけで、新エネルギー車の自己発火率は 32% 増加し、毎日平均 8 台の新エネルギー車が発火 (自己発火を含む) している。

2023 年 4 月、北京で『中国電気自動車百人会フォーラム』が開催され、中国科学院の学者が、「リチウムイオン電池は、頻繁な安全面での事故などいくつかの大きな課題に直面している」と語った。さらに、2021年に中国で約3千件の新エネルギー車の火災があったことを明らかにした。

YouTubeチャンネル「Insight into China」の統計によると、TikTokの中国版である抖音(ドウイン)から発信された何百もの動画には、中国・電気自動車大手の比亜迪(BYD)製の電気自動車から自然発火した映像が複数掲載されている。