越境チベット人１０人を拘束 ネパール
2010.1.17 21:21
産経新聞
ネパール警察当局は１７日までに、中国から国境を越えて違法にネパールに入国したとして、チベット人１０人を拘束、ネパール移民局に移送した。１０人は今後、中国に強制送還される可能性がある。
ネパールでは約２万人のチベット人が亡命生活を送るほか、不法滞在のチベット人も数千人いるとされる。
ネパール政府は以前は越境してきたチベット人をチベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラに送るなどしてきたが、中国がネパールへの主要支援国となるのに伴い、不法滞在などのチベット人に厳しい措置を取る、中国寄りの姿勢に転換している。（共同）
この情報を見守ってくれている 『ＴＳＮＪ』のjiro氏の論評（TNSJのMLから）
＜10 Tibetans arrested while entering into Nepal from Tibet＞
http://www.newkerala.com/news/fullnews-32438.html
概要は，逮捕されていた８人の男性と２人の女性のチベット人が
移民局に引き渡される予定であるという地元警察の話を現地の
報道が伝えたという内容です。現地の当局者の「1950年代後半
に中国政府がチベットに侵略した後，ダライ・ラマのチベットからインド・
ダラムサラへの亡命以来，ネパールには約２万人のチベット人がいる」
という発言も伝えています。
この記事では続けて，ネパールは中国から反中活動を一切許しては
ならないという厳命下にあること。ネパールの法王事務所は，数年前
のネパール王政の時代に閉鎖されたことが書き加えられています。
ＡＦＰの記事では，
＜Nepal police arrest Tibetans for illegal entry＞
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jXVwg5yXBp589mz7PV-96wgNhiIw
こちらの記事を読むと逮捕されたのは土曜日の晩で，
詳細な聴取のために移民局に引き渡されるだろうという
ＡＦＰの取材に現地の警察が回答した内容です。
チベット人が逮捕された場所が具体的に記述されています。
現地の警察によると，チベット人たちは旅券を持っておらず，
また言葉が通じなかったとのこと。
移民局に移管されたのは，それが理由だった？
それともＡＦＰの取材に現地がビビッた？
ＡＦＰの記事では，これに続いて，毎年２千５百人程度のチベット人が
ネパールに亡命してきていたが，２００８年の春以降から現在，その数
は急減してしまっていることに加え，ネパール政府が中国からの厳命を
受けて国境警備を厳重にしていることなどを伝えています。
以上，
冒頭の共同通信の記事を見つけてからこの４－５時間の動きを自分なりに調べましたが，
まだ，よく分かりません。このまま中国に強制送還されてしまう懸念も否定できません。
法王事務所もなく，現地ネパールにいる国連や人権団体の活動が制約されている中，
ＡＦＰの対応が唯一のカウンターですが，引き続き詳細な情報が入ってくるのか？どうか？
移民局に引き渡されることは，公になってしまうので内々の処理が難しいということ？
海外の記事が共にillegal entry（不法入国）と表現していることが気に掛かります。
中国に支配されているチベットからの亡命者が激減している中，
命懸けでヒマラヤを越えてきたのなら，貴重な生き証人たちです。
自由を求め，真実を伝えようとしているのなら何とかしてあげたい。
jiro.siwaku
以前ネパールの警察がチベット人デモ隊を拘束時、即無罪放免としていた慣習が、現在逮捕され最終は微罪で終わるものの、逮捕されたあと、その身柄を保釈しなければ「拘置所」にとどめるやり方を、とっています。 そのためその 「保釈金」を集めるカンパをした事がありました。
