子供を マンションに捨てる親
通報を受けたが それ以上しなかった大阪府、大阪市の役人の「不作為」
「子供達よ! こんな日本に生まれて来て申し分けない、こんど生まれてくるときは アジア、アフリカ
以外のところに生まれておいで! ごめんなさい」
死体遺棄:マンションに2幼児 23歳母親不明 大阪
大阪市西区南堀江1のマンションで、風俗店の男性従業員(30)から「同僚の女性が住む303号室から異臭がする。子どもが亡くなっている」と110番通報があった。大阪府警西署員が室内に入ると、3歳の女児と2歳の男児とみられる遺体があった。目立った外傷はなく、死後数週間とみられ、腐敗が進んでいた。この部屋の住人で、2人の母親とみられる風俗店勤務の女性(23)が行方不明で、府警は死体遺棄事件として捜査を始めた。
◇閉め切った室内 外より温度高く
遺体で見つかった幼児が部屋に放置された状況の詳細は不明だが、夏のワンルームマンション室内の気温はかなり高かったとみられる。大阪市では6月20日~今月29日に、最高気温が30度以上の真夏日が27日、最低気温が25度以上の熱帯夜も11日あり、いずれも平年よりも日数が多い。同市消防局によると、市内で6、7月に熱中症で搬送された人は225人で、前年同期の3倍に上る。
◇相談センターに匿名通報が3回
大阪市こども相談センター(大阪市中央区)は、この部屋について、児童虐待ホットラインに匿名の女性から計3回の通報があったことを明らかにした。3月30日、4月8日、5月18日の3回で、いずれも同じ女性から「マンションの一室から『ママー』『ママー』と泣く声がする」との内容だった。通報を受けた相談センターは計5回、この部屋を訪れたが、呼び鈴を押しても反応がなく、生活の気配がなかったため、連絡先などを書いた「不在票」を置いて帰った。しかし、連絡はなかったという。
遺体が見つかった部屋は5月18日の時点で住民登録がなかった。相談センターが管理会社に尋ねると「分譲マンションで、また貸しされたら誰が住んでいるか分からない」と回答があったという。部屋に踏み込んで調査をするには、子どもの名前や生年月日を裁判所に伝えて許可を得る必要があり、子どもの存在が確認できない今回のケースでは調査は困難という。相談センターは「名前すら特定できない非常にまれなケースで、手の施しようがなかった」としている。