本日 4月24日の 朝刊各誌です
<中国>チベット僧300人以上を拘束
毎日新聞 4月23日(土)22時3分配信
【北京・成沢健一】亡命チベット人のニュースサイトや国際支援団体によると、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州アバ県で21日夜、治安部隊がチベット仏教寺院「キルティ僧院」の僧侶300人以上を拘束したほか、僧侶の連行を阻止しようとしたチベット族の住民と部隊が衝突し、住民2人が死亡した。
支援団体は、死亡したのは60歳代の男性と女性としている。拘束された僧侶はトラック10台に乗せられたが、どこに連行されたかは不明という。
中国国営新華社通信は23日、地元当局が僧侶に対する法律教育を実施するとの通知を出したと伝えた。当局が僧侶を別の施設に移し思想教育を強化するものとみられる。英語版でのみ配信された記事は「一部の僧侶による反社会的な活動」を理由に挙げており、中国当局が国際社会に向け、僧侶に対する締め付けの正当性を主張する狙いもありそうだ。
キルティ僧院では3月16日に若い僧侶が焼身自殺をしたことから緊張が高まっていた。08年3月にチベット自治区ラサで起きた大規模暴動から3年になるのに合わせ、中国当局のチベット締め付けに抗議したとみられる。
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は今月15日に声明を発表。「僧院には約2500人の僧侶が暮らしているが、武装警察部隊に完全に包囲され、食料や物資を運び込むことができない」と指摘していた。これに対し、中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は19日の定例会見で、「僧侶の生活や宗教活動、現地の社会秩序はすべて正常だ」と述べていた。
中国、チベット仏教寺院で僧侶300人拘束か
読売新聞 4月23日(土)19時44分配信
住民2人が当局との衝突で死亡したとの情報もある。
中国国営新華社通信によると、同県政府は22日、反政府行動を封じ込むため、僧侶に法制教育を課す通知を出した。当局はチベット族居住区への外国人立ち入りを禁じているとみられ、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は15日、中国当局に沈静化を求める声明を発表した。
最終更新:4月23日(土)19時44分
中国、チベット寺院で思想教育 300人拘束情報も
【北京共同】中国国営通信の新華社は23日、当局によるチベット仏教寺院の封鎖が伝えられている四川省アバ県で、地元政府が、僧侶に法制教育を受けさせるとの通知を出したと報じた。事実上の共産党による思想教育で、僧侶の反発が強まるのは必至。
香港メディアなどによると、当局は300人以上の僧侶を拘束、外国人が同省のチベット族居住区に入ることも禁止し、緊張状態が続いている。
地元政府の通知は22日に出され、僧侶に法律や宗教の戒律を学ばせるとしている。政府側は寺院に社会秩序を乱す僧侶がいるとしている。
2011/04/23 13:28
【共同通信】
四川省のチベット寺院で衝突か、若い僧侶の焼身自殺がきっかけ サーチナ 4月17日(日)22時24分配信
衝突が起きたと伝えられたのは、四川省アバ・チベット族チャン族自治区アバ県にあるキルティ僧院。チベット暴動から3年を迎えた今年3月、同院のプントックという若い僧侶が焼身自殺を図ったのをきっかけに、アバ県では僧侶や市民による大規模な抗議活動が行われている。
人権団体「チベットのための国際キャンペーン(International Campaign for Tibet(ICT)」によれば、12日、警察犬を連れた警官がキルティ僧院に立ち入ろうとするのを、住民が阻止しようとして衝突が発生し、一部住民が負傷したという。衝突の規模は明らかにされていない。
また、AP通信によれば、アバ県政府の関係者は、「警察は通常の巡回を行っているだけであり、コース上、寺院は必ず通らなくてはならず、警察が寺院の外に待機しているというのは事実ではない。暴力をふるわれた人もいない」とし、報道について否定した。
僧侶の焼身自殺をめぐっては、各方の見解が異なっている。中国政府の報道官は、「僧侶が焼身自殺を図った後、警察は僧侶を病院に搬送しようとしたが、他の僧侶らが寺院に運び入れて隠してしまった」と説明。地元政府は、「僧侶は救急手当てが遅れたために死亡した」としている。
これに対してICTは、消息筋の話を引用して、「警察はプントックの体の火を消してから彼を殴打し始めたため、他の僧侶達が一旦助け出して寺院の中に運び入れてから、病院に運んだが、死亡した」としている。(編集担当:中岡秀雄)
チベット、じわり活発化 僧侶焼身自殺、デモ続発…中国当局警戒強化 産経新聞 4月2日(土)7時57分配信
【北京=川越一】3月28日の「チベット農奴解放記念日」をはさみ、中国当局の政策に抵抗するチベット族の示威行動が活発化している。民主化を求める中国ジャスミン革命との結合を恐れる当局は、3月中旬に起きた僧侶の焼身自殺に関する情報を遮断、武装警察をチベット自治区などに投入して警戒を強めている。
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中国共産党が1959年3月28日、チベットの政府解散を宣言したことを祝う同記念日は2009年に制定された。共産党機関紙、人民日報(28日付)が「共産党の指導でチベットの民主改革が始まった」と論じるなど、当局にとってこの日は「解放」を祝う日。しかし、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の支持者らにとっては、共産党による弾圧の歴史を想起させる“忌日”である。
米政府系の自由アジア放送(RFA)などによると、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州では3月以降、チベット族によるデモが続発している。16日にはアバ県の格徳寺で、2008年チベット騒乱の武力鎮圧に抗議する1千人規模の集会が開かれ、21歳の僧侶が焼身自殺を図った。23日に壌塘県で行われたデモには約130人が参加したとされる。
当局は、チベット自治区のほか四川省、甘粛省、青海省などのチベット族自治州に武装警察や人民解放軍を投入し、警戒に当たらせているという。華僑向け通信社、中国新聞社によると、チベット自治区のパドマ・チョリン主席は27日、「頑なにチベット独立を画策し、封建農奴制の暗黒統治を復活させようとしている」と述べ、インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府を批判した。
チベット自治区の区都ラサでは当局主導による記念式典を催し、チベット族の生活環境の向上をアピール。座談会に出席した僧侶には、「チベットの宗教・信仰の自由は十分に尊重されている」と共産党政権の政策を礼賛させた。
中国、僧侶拘束で住民2人死亡か 治安部隊と衝突
東京新聞 2011年4月23日 18時27分
【北京共同】香港メディアなどは23日、米国に拠点を置く国際人権団体の情報として、中国当局が21日夜から治安部隊を動員して四川省アバ県のチベット仏教寺院を包囲、僧侶を拘束した際、これを止めようとした住民2人が当局側との衝突で死亡したと報じた。
地元政府は僧侶に対する法制教育を実施するとの通知を出し、事実上の思想教育を強化する構え。当局の強硬姿勢に僧侶やチベット族住民は反発を強めているとみられ、一段と緊張した状態が続きそうだ。