パルデンの会

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偽装漁民の尖閣上陸など「グレーゾーン」対処へ自衛隊の権限拡大/官邸、防衛省に法整備指示


勝谷誠彦氏の有料ブログより

<中国海軍が緊急会議開催か/最高幹部、南シナ海協議>


 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140507/chn14050722290008-n1.htm
 <香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは7日、中国海軍の最高幹部が近く、北京で緊急会議を開くと伝えた。南シナ海でのベトナム艦船との衝突や、フィリピンによる中国漁船拿捕(だほ)を話し合うとみられるという。
 同センターはまた、海軍の呉勝利司令官が今年中にも退役する可能性があると指摘。海軍内部では、後任をめぐる権力争いによって多くの問題が生じているとしている。>
 「会議室ではなく現場で起きているんだ」というようなセリフが確かあったが、現場であれだけの衝突が起きているさなかに、今から会議を開くというのはどういうことか。残念ながら末期の皇軍や、私が見聞きした経験では陥落する前のマラカニアン宮殿での作戦会議を連想する。そして記事の後半だ。呉勝利はただの海軍司令官ではない。共産党中央軍事委員会の8人しかいない委員のひとりであって、軍事全般に関して発言力を持つ。委員長は習平近主席だが、さきほどから触れている統制力はこの委員会をどこまでコントロールできるかにかかっているのだ。
 混乱が続けば、次の矛先が日本国の領土領海に向かってくることは覚悟しておいた方がいいだろう。

 さて、南シナ海支那が無法ぶりをさらけだしていることが、安倍政権にとってどう利するのか。集団的自衛権についてなのだ。やがては憲法改正につながっていく、安倍さんの執念ともいっていいこの路線にとって追い風となるのである。
 ご存じのように改憲どころか集団的自衛権についても「下駄の雪」のくせに公明党が邪魔になっている。そこで安倍さんたちが考えたのがこれ。

 <集団的自衛権/グレーゾーン先行論浮上/公明に配慮>


 http://mainichi.jp/select/news/20140508k0000m010162000c.html
 <集団的自衛権の行使容認などを巡る「政府方針」の原案を踏まえ、自民、公明両党内で、武力攻撃には至らないものの日本の主権を侵害するおそれがある事例(グレーゾーン)に対処するため、今の憲法解釈の範囲内でできる法整備を先行させるべきだとの意見が出ている。憲法解釈変更を伴う法改正には公明党の反発が見込まれるためだ。>
 <公明党の漆原良夫国対委員長も「一つのアプローチとして乗れる話だ」と述べ集団的自衛権行使や海外での武力行使を後回しにする「グレーゾーン先行論」を評価した。>
 本当に公明党って馬鹿だなあ。軍事を知らずに平和は語れないのに、軍事オンチが平和の党を名乗っている。グレーゾーン事態が起きたら「これでは危ない」とこの国の燃えやすい世論は沸騰、集団的自衛権から9条廃棄まで一直線だと私は思うが、馬鹿は気づいていないようなので黙っていようっと。
 グレーゾーンとは何か。2ヶ月ほど前から既に官邸はこう認識して準備している。
 

<偽装漁民の尖閣上陸など「グレーゾーン」対処へ自衛隊の権限拡大/官邸、防衛省に法整備指示>

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140205/plc14020508000004-n2.htm
 <尖閣周辺の海域では、海上保安庁の巡視船が日常的に中国船の接近、上陸を阻んでいる。だが、中国が海保の対処能力を上回る船を大量に送り込み、偽装漁民が上陸、島を占拠しても、海保では対応できないケースも想定される。
 こうした事態に備えた自衛隊の行動を定める法律はなく、関係者は「中国がグレーゾーンの急所を突く蓋然性は高い。早く法的な隙間を埋め『今そこにある危機』に対処すべきだ」(元海将)と指摘する。>
 そう、まさに西沙諸島近辺でいま起きていることなんです。<中国が海保の対処能力を上回る船を大量に送り込み>かつ、衝突や放水をしてくる。あるいは公船の銃のカバーを外して挑発している。これに対して海上保安庁だけでは対処しきれまい。
 「西沙諸島を見て下さい」と国会で言って法案に反対できる議員はいるのだろうか。まあ妄想的平和主義者はいるだろうけど。安倍さんが「まずこの法案を通そう」と決めた裏には「追い風」もあるだろうが「いまそこにある危機」を感じているからだろう。

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