パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

中国人爆買いの重要な目的とは



イメージ 2

 
 春節も過ぎ、新年を迎えてこちら中国は落ち着きを取り戻しつつあります。日本では春節時期の中国人観光客による「爆買い」が話題になったようですね。今日はそんな彼らの爆買いについて、中国側の視点(あくまでも福建省の田舎からの視点)で考察してみたいと思います。

メイドインジャパン信仰


 中国の人たちはとにかく日本製品に信仰を持っています「日本製=絶対に良いもの」「中国製=まずまちがいなく粗悪品」、と思っている節があります。

 実際私が持っているものを見るとすぐ「それは日本のものだろう」と言います。実は地元で買ったものなのですが、それくらい自国製品に自信を持っていません。中国でも日本製品は手に入るのですが、「これは偽物ではないか?」と必ず疑ってかかります。(実際そのような偽物も多い。以前見たことがあるのは、パッケージが全て日本語なのですが、実に怪しい解読不能な日本語でした。)

 そのような訳で「日本で買う日本製品」に、信仰にも似た強い憧れがあるわけです。そこに加えて、最近では親族と過ごすという伝統的な春節のスタイルが変 化し、旅行に出かける人が増加したことや円安が進んだことが追い風となって、そんな憧れの日本製品が手に入るようになったことが、彼らを爆買いへと動かす ようです。

広い親戚付き合いと面子


 一番の用途はもちろん「自分で使う」なのですが、爆買いのもう一つの重要な目的は「親族・友人へのお土産」です。中国のいわゆる「親戚」の範囲は非常に広く、日頃かなり親しく行き来しているので、お土産を配る範囲もかなり広いわけです。

 そして先ほど述べたように、「日本で買う日本製品」に憧れがありますので、誰か知り合いや親族が日本に行く(あるいは帰ってくる)ということになると、皆が「あれを買ってきて」、「これを持って帰ってきてほしい」などと大変なことになるのです。私も「日本に一時帰国する」と言うと必ず何人かから声がかかります。

 一人の友人は弟がイギリスにいるのですが、彼曰く、持ち帰ったお土産がしょぼいと「あの人はケチだ」とか結構陰口をたたかれるの だそうです。中国人はメンツを重んじますから、そういう陰口は結構堪えます。それで結構張り込んで良いものを買い込むみます。その弟は「そういうのが面倒 くさいから帰って来たくない」とこぼしているとか。派手な爆買いの背景には、こういった裏のドラマも隠されているのです。

そして…転売? 「爆買い」=仕入れ?


 これは日本製品を実際に確認したわけではないので詳しいことはわかりませんが、少なくとも私のいる町には、香港で普通に購入してきた医薬品を店頭で販売している店があります。当然価格は現地購入価格(卸値ではない)プラス利益ですのでかなり割高です。
イメージ 1
 
≪香港で購入した医薬品を転売しているお店≫


 でもそう言われてみると、いわゆる「进口店」(輸入品を扱う店)には韓国や日本の化粧品、お菓子、コーヒーなど様々なものが並んでいます。この辺りはま だ卸の流通が確立しておらず、みな広東省や他の土地に仕入れに行っています。そう言えば、ある店の店員は「母と姉が時々外国に仕入れに行く」と言っていま したが、もしかしたらこうした店の商品も「爆買い」したものを転売しているだけなのかもしれません。


 日本で話題になっている「爆買い」。その裏には地元の事情や習慣に密着したそれぞれのドラマが隠されています。次機会があったら、そんな観点でニュースを眺めてみて下さい。(執筆者:高山 翔)