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ミャンマー:ロヒンギャ漂流問題 NLD声明、玉虫色


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ミャンマーロヒンギャ漂流問題 NLD声明、玉虫色
毎日新聞 2015年06月02日 22時30分(最終更新 06月02日 22時37分)
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ロヒンギャを巡って議論する関係国の代表ら=バンコクで2015年5月29日、AP

 【ヤンゴン春日孝之】ミャンマーやマレーシアなどの洋上を通称ロヒンギャと呼ばれるベンガルイスラム教徒の乗った密航船が漂流している問題で、ミャンマーの最大野党「国民民主連盟(NLD)」は1日、声明を発表した。この問題で発言を控えるアウンサンスーチー議長に国際的な非難が高まっていた。声明は「人道上の救援を最優先すべきだ」と主張するが、立場を明確にしない玉虫色の内容で、問題の根深さを印象付けている。

 声明はまず「ボートピープルの大半は(隣国)バングラデシュからで、一部がミャンマーだと報じられている。出身国を注意深く検証すべきだ」と指摘。ボートピープル発生はミャンマー側の差別や迫害による、との国連や米欧の一方的な批判にくぎを刺した形だ。
 ミャンマー政府はロヒンギャを自国民として認めず、バングラデシュからの不法移民とみなす。世論の大半もこれを支持しており、声明は「ロヒンギャ」の言葉を使っていない。
 今年後半以降、民政移管(2011年)後初の総選挙と大統領選が予定されており、仏教徒が大半を占める世論の支持を失わないための狙いもある。

 一方で声明は、今回の問題が「ラカイン州で3年前に始まった(仏教徒ラカイン族ロヒンギャの宗教・民族)紛争に関係しているのも事実だ」と指摘した。バングラデシュからの大量の密航者とどう関係しているのかを触れないまま、国連や米欧の主張に同調した格好になっている。

 スーチー氏は当時からロヒンギャ問題に口を閉ざしてきた。チベット仏教最高指導者でノーベル平和賞受賞者のダライ・ラマ14世は先日、豪州紙に「スーチー氏と過去に2度会った際、この問題に触れたが、彼女は『極めて複雑だ』とだけ答えた。だがノーベル賞受賞者として何かできるはずだ」と語った。

 ノルウェーの首都オスロで先週開かれたロヒンギャ問題を巡る国際会議には、ノーベル平和賞受賞者7人が出席したが、スーチー氏は招かれなかった。
 会議で南アフリカのツツ元大主教は彼女に向け「中立を選ぶことは圧政者の側に立つことだ」と述べ「人権の擁護者」からの変節を嘆いた。

 ただ、大量の密航者流出について、バングラデシュのハシナ首相は「幸運を求めて自らの命を危険にさらし、国家のイメージを汚す者たちで、密航仲介業者と同様に罰すべきだ」と厳しい言葉で非難する。ミャンマー国境地帯に居住する数十万のロヒンギャ不法滞在者扱いだ。バングラデシュロヒンギャが忌避されるのは、自国の人口増問題など多くの要素が絡む。

 だが、タイのバンコクで先週開かれたロヒンギャを巡る関係国会議で、国連代表は「問題のすべての責任はミャンマー政府にある。ロヒンギャに市民権を与えるのが最終解決策だ」と発言。ミャンマー代表は「何も分かっていない。不法移民の問題を一国だけに押しつけるべきではない」と反発した。

 ロヒンギャ問題では、彼らが目指すイスラム国家のマレーシアやインドネシア、さらに移民大国・豪州も受け入れに消極的だ。手厚い救済をすれば、さらなる移民流出を招きかねないジレンマを抱えているからでもある。
 ロヒンギャイスラム教の多数派スンニ派。その中でもサウジアラビアが源流で厳格なワッハーブ派が浸透している。こうした国から支援を受けたロヒンギャのネットワークは世界に広がっており「ロヒンギャ族」の認知に向け強力なロビー活動を展開している。

 このため、ミャンマー政府やラカイン州は、ロヒンギャを自国民として認知すれば、バングラデシュなど各国からロヒンギャが殺到し、人口増を招いて分離運動など国家統合に関わる新たな火種を抱えることも懸念している。政治家として活動するスーチー氏もこうした事情を承知しており、人権の側面だけで発言することはできないと判断しているようだ。