パルデンの会

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「微笑みの国」タイではクーデターはあってもテロはそんなにない。

勝谷誠彦氏の有料ブログより転載

2015年8月18日号。<「微笑みの国」タイではクーデターはあってもテロはそんなにない。爆発にイスラムのテロの拡大を多少、感じる>。

 イスラム過激派の可能性が高いのではないかと私は思う。
 <バンコク繁華街で爆発、18人死亡/タイ当局「テロ」>

 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM17HA1_X10C15A8MM8000/
 <タイの首都バンコク最大の商業地区で17日午後7時(日本時間同9時)ごろ、2度の大規模な爆発が起きた。タイ当局によると外国人を含む少なくとも18人が死亡、117人が負傷した。在タイ日本大使館は日本人1人の負傷を確認した。当局は爆弾テロとみている。昨年5月のクーデターで国軍が実権を握って以降、安定していた治安が再び悪化すれば、民政復帰の行方にも影響が及ぶのは必至だ。爆発が起きたのは大型商業施設や高級ホテルが林立するラチャプラソン地区で、伊勢丹バンコク店にも近い。ヒンズー教の神が祭られる観光名所「エラワン廟(びょう)」の廟内と廟前道路に爆弾が仕掛けられていたもようだ。付近では爆発していない爆弾も発見されたが、当局が処理した。>
 ここでも書いたように私は先日「鬱の転地療法」のためにバンコクに行ってきた。泊まっていたホテルはまさにこの現場の近くだ。パッポンやタニヤで夜に遊ぶ人たちが、昼間はふらりと行くところである。その真ん中にあるホテルなので私は使っているのだ。しかし、この見方はどうかなあ。
 <地元メディアはプラユット暫定首相がプラウィット副首相兼国防相などと対応を協議中と伝えた。同副首相は地元メディアに対し「タイの経済と観光産業の破壊を狙ったものだ」と述べ、テロとの見方を示した。>
 タイはずっとタクシン派と反タクシン派の対立が続いていて、それが本当に混乱しそうになると軍が出てきて仲裁し、最後にはプミポン国王陛下が「もうそろそろいいじゃないか」とおっしゃる。この伝統はなかなか変えようがない。私は「赤シャツ」と「黄シャツ」が軽くドンパチをやっている時に現場に行った。ここでも書いた。でも「その程度」で終わるのである。さきほど、記事の分析をちょっと批判したが、これは正しい。
 <軍事政権はクーデター後も発令を継続していた戒厳令を今年4月に解除する一方、プラユット氏が治安維持の非常大権を握り、治安悪化への警戒体制を敷いていた。クーデター後は小規模な爆発事件はあったものの、治安情勢は安定していた。>
 今回の事件は爆弾を遠隔操作で爆発させている。こういう卑劣なテロは、タイが長い私としては皮膚感覚で「ちがうな。別種のものだな」と思うのである。タイは実はイスラム教徒との紛争を抱えいる。タイと言えば「敬虔な仏教徒の国」と思う向きが多いだろうが、そうではない。「海ではない国境を持っている国」というのは難儀なのだ。こんなサイトがあることほとんどのタイに「素敵な海のリゾート」と思ってこの夏に遊びに行かれている日本人はご存じないのではないだろうか。タイは「交戦中の国」なのである。だから、軍があれほどの力を持っているのだ。
 http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror.asp?id=7
 <近年、タイのテロ事件の大半は南部で発生しています。2004年以降、イスラム系分離独立主義過激派組織の活動が活発化し、軍の武器庫襲撃・武器強奪事件、警察署襲撃事件学校等への放火事件、空港、市場、歓楽街等での爆弾テロ事件、教師、仏教徒及び公務員に対する暗殺事件等が頻発しています。>
 ずっとこういう情報を注視していた私は「ああ、それがとうとうバンコクに来たかな」と思うのである。でも日本国の大マスコミではそういう視点はあまりないよね。
 <タイ南部で発生している事件の背景は不明な部分が多く、タイ南部で「パタニー王国」の復活を標榜するイスラム系分離独立主義過激派組織のほか、地元マフィア等の犯罪組織の関与が指摘されています。2006年以来、タイ政府は、南部における治安情勢の回復を最重要課題の一つに掲げていますが、爆弾テロ事件や暗殺事件等は依然続発しており、事態が収まる兆しはみられません。報道等によれば、2004年から11年間で6300名近くが死亡したとされています。>
 外務省のサイトなのだから<背景は不明な部分が多く>とか書くなよ、というツッコミはおいておいて、直接なのか間接なのかはわからないが自称「イスラム国」(SI)の関与は当然、各国のインテリジェンスは考えているはずだ。直接に手を下したのではなく、その「パシリ」であるタイのイスラム過激派が、カネと情報を得てやったのではないか。いまや「イマーム制のもと世界に広がるイスラム国」なのである。同じことはアジアのさまざまな国で起きると思った方がいい。日本も例外でない。狙うならば東京五輪だ。警察庁、警視庁の外事公安担当者は、いま最大限の情報収集をしていると思う。いや、そうあって欲しいと信じる。

 「沖縄には借りがある」と私はいつも申し上げてきた。そのことと辺野古でクダまいている利権屋とはまた別のことだ。軍事の「ぐの字」も素人が何を言っているのか。
 <「米軍、抑止力にならない」/沖縄知事が反発>
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150817-OYT1T50013.html
 <翁長氏との会談では、中谷氏が在沖縄米軍による抑止力の重要性を説いたのに対し翁長氏は「弾道ミサイル技術が発達しているなかで抑止力にはならない」と反発した。>
 アホか。
こんな素人の発言をそのまま掲載する大マスコミもいかがかと思う弾道ミサイルをお互いに撃ちあったら「全面戦争」ですよ。そうしないために小さくても強力な「打撃戦力」を持っているんじゃないですか。だからこそ「抑止力」なのだ。こんなアホと交渉する意味はないと思う。その沖縄、トップはアホなのに、ちゃんとヤマトの「本質〔は想いを馳せているのだ。
 <悠仁さまや佳子さま/沖縄戦語り継ぐ集いにご出席>
 http://www.sankei.com/photo/story/news/150817/sty1508170006-n1.html
 <秋篠宮ご夫妻は17日、次女佳子さま(20)、長男悠仁さま(8)と共に東京・新宿のホテルを訪れ、終結から70年の節目を迎えた沖縄の地上戦について語り継ぎ、犠牲者をしのぶ集い「沖縄地上戦と子どもたち」に出席された。
 会場では、沖縄の小中学生が伝統芸能のエイサーや琉球舞踊を披露し、地上戦があった1945年に10歳だった女性が家族を次々に失った当時の体験を涙ながらに証言。悠仁さまは同世代の子どもたちの演舞に拍手を送り「戦争は二度とあってはならない」と語る女性の体験談には、真剣な表情で聞き入っていた。 その後、秋篠宮ご一家と参加者は、沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」を、沖縄出身で盲目のテノール歌手新垣勉さんと合唱した。>
 日本国はずっと「権力」としての「将軍」などと「権威」としての皇室を使い分けてきた。「権力」が「お願い」に行っている一方で「権威」が沖縄の伝統に敬意をさしあげる。これこそ、日本国の正しい姿だ。だからこそ両方とも「ちゃんと」していただきたい。いや、皇室に「ちゃんと」は失礼か。沖縄への「お願い」はどこまですればいいのか。この一ヶ月「休戦」である。そこで安倍晋三首相がどのあたりで「落としどころ」を見つけるのかなあ、と私は注目している。いまはちょっと手詰まりかな。私を使者にしてくれれば「何が欲しいんですか」と率直に言うのに(笑)。皇室に関しては何も申し上げることはない。しかし同じ場に皇太子ご一家の姿を見たいと思ったのは私だけではないはずである。

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勝谷誠彦の××な日々。 

8:36 (3 時間前)