パルデンの会

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国際法という​基本をわかっているフランス。まったく無知​な古舘伊知郎とかいう方




2015年11月19日号。<国際法という​基本をわかっているフランス。まったく無知​な古舘伊知郎とかいう方>。



勝谷誠彦の××な日々。

勝谷誠彦氏の有料ブログより転載



  3時起床。
 来週の月曜日が休日のために、週刊誌の進行が今週は早い。私は昨日は『SPA!』の締め切り。パリのテロをなんとか入れることができててよかった。これで、早まった締め切りのあとに起きていたら切歯扼腕のところであった。もちろん起きないにこしたことはないのだが。テロについてはあとで触れる。
 夕方は新富町で会食。全日空内部にスリーパーとしている(会社幹部は本気にしないように。比喩的表現です・笑)大物工作員と飯を食ったのだが、さすがは大物、素晴らしいゲストを連れてきてくれた。なんと私が愛してやまないMRJの最前線の関係者だ。名刺の住所が「名古屋空港内」とあるのがシブい。詳細は秘匿なのだろう(勝手な陰謀史観)。かつて零戦が初飛行をした場所のごく近くである。MRJを創りあげた三菱航空機零戦の遺伝子を受け継いでいることは言うまでもない。
 航空会社と製造メーカーの幹部、それに私とマネジャーのT-1君である。どうしても会話はおたくに限りなく近づいていく。しかもANAJALがほとんど潰れかけていた中で、日の丸の翼を支えて、MRJを大量に購入するという約束をした愛国企業だ。「MRJは初飛行を絶対に失敗するわけにいかなかったでしょう。だから何度も『飛ぶ』と言っていながら中止しましたよね」「その通りです」「零戦の時はテストパイロットがなくなる事故が起きている。それも脳裏にあったのでは」。異様な会話だ。強く感じたのは「企業としての意志」だった。「自分たちがやらなくて誰が日の丸の翼を復活させるのだ」である。なかなか踏み込んだことは書きにくいが、YS11でわかるように零戦を作った日本国の技術があれば、戦後すぐにでも航空産業に参入できたのだ。誰が邪魔をしたか。アメリカにほかならない。
 何がTPPだとか言いたい。オノレで世界市場をコントロールして不公平な場を作ってきたのはアメリカにほかならない。しかし、アメリカは油断をした。「自動車だったらいいのではないか」と考えたのだ。そのころ日本は焼け野原で、アメリカが作る、ガソリンをまき散らして走るような糞自動車が世界を席捲していた。「日本が自動車を作ったってたいしたものではなかろう」と彼らは考えた。しかし、トヨタはホンダはニッサンマツダは、あっという間に世界の市場を奪ってしまった。ざまあみろである。
 以下は、MRJの創造に関わったひとと、それをいよいよ飛ばす人と酌み交わしながらの会話を参考としている。彼らはそこにいたわけではないが「口伝」として聞いているのである。超一流の企業というのはそういうものだ。それが「人の連鎖」だ。YS11という美しく鮮やかな飛行機が出来たことで、アメリカは仰天した。そこから今に至るまで、航空機を作ることを許さなかった。ひどい話であるが、大マスコミもこれは大きな声では決して言わない。「戦闘機もですね」というとひとりは「もちろんです」と答えた。そんなもの作って、かつ武器輸出ナントカとかいうアメリカの意図を汲んだ下らない原則を外していれば、今ごろシリアを爆撃している各国の戦闘機はほとんどが日本製であったろう。
 
GDPがどうだとかこうだとか、今朝も朝日新聞は書いている。もし本気で日本国が武器を作ってアメリカやフランスのように輸出をしていればそんな数字は大きく覆る。しかも武器輸出というのはそれそのものが「兵器」であって「支那朝鮮には売らない」と宣言すればパワーバランスが崩れるのである。一方でフィリピンには援助として供給すれば、南シナ海の戦力構図は一変する。今も似たようなことをなんとか朝日に叩かれない範囲でやっていることは覚えておいて下さい。巡視船と、それに改造可能な大型漁船を日本国は提供している。しかし、日本国は武器は出さない。これはこれでひとつのスタンスだと思うが、その美しさをほとんどの日本人は知らないのである。零戦の系譜を引くMRJについて知れば知るほど、悔しくも誇らしい気持ちが募るのだ。

 「倍返しだ」という言葉もあまり聞かなくなりましたね。しかし、あれは人間の本質をついたものである。ケンカというのは「倍返し」以上をやって、相手の戦意喪失をさせてようやく勝つのである。復讐しようとする意志まで喪失させてやっと勝利だ。私は人生で及ばずながらずっとそうやって来た。相手の社会的存在まで失わせる恫喝をすると、たいがいおさまる。みんななんで、あんなに会社や家庭が大切なのかね。こちらの強みは「ひとつも持っていない」ことで、このあたり自爆テロに似ている。
 さすがにフランスはよくわかっていると思った。「倍返し」はすぐにやらなくてはいけない。モタモタしていると「何だ、準備する時間が必要なのか」とナメられる。できれば「強い友だち」と一緒に殴りに行った方がいい。それをやった。それも「意外な隣の学校の番長と」だ。
 <「イスラム国」空爆、露が仏空母と共同作戦/プーチン氏、フランスを「同盟国」と表現>
 
http://www.sankei.com/world/news/151118/wor1511180003-n1.html
 <ロシアのプーチン大統領は17日、過激派組織「イスラム国」攻撃のため、地中海に展開するロシア海軍に、空母を主力とするフランス海軍が合流し共同作戦を実施することを明らかにした。大統領はフランス軍テロとの戦いを進める「同盟国」と呼んだ。
 フランスは「イスラム国」空爆で米国を中心とする有志国連合に参加しているが、パリ同時多発テロを受け、ロシアとも協力することになった。
 ロシアのショイグ国防相らによると、「イスラム国」空爆の出撃回数を倍増させ、ロシア本土を発進した長距離戦略爆撃機巡航ミサイルでシリア北部アレッポの同組織拠点などを攻撃した。>
 いやあ、これは巧いなあ。外交というもののダイナミズムの本質を見る思いである。ロシアもいつまでも旧ソ連を引きずった「嫌われ者」ではいたくはないのだ。しかしアメリカと直接に握手するわけにはいかない。フランスはずっとこういう時の「接着剤」であった。今回、誰もが憎む卑劣なテロをきっかけに手を結んだ。その判断が、早い。「一緒に空爆しよう」などとはすぐにできるものではなく、水面下での調整がもっと前からあったと私は思う。以前にも書いたでしょう。狭い空域で意思疎通ができない戦闘機が動き回ると、偶発的な事故が起きると。
 日本国はやや「ボーッとしている状態」を食らっている。地中海までわが精強無比なる自衛隊を出すのはちょっとしんどい。ひとつアイディアを出しましょうか。もう、ちょっと遅いけれども。南シナ海に艦隊を出すんですよ。
 <APEC首脳会議「イスラム国」厳正対応確認へ>
 
http://www.yomiuri.co.jp/world/20151118-OYT1T50129.html
 <環太平洋の21か国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議APEC)首脳会議は18日夜、議長国フィリピンのアキノ大統領が主催する夕食会が首都マニラで開かれ、実質的に開幕した。
 正式な首脳会議は19日に行われる。首脳会議では、イスラム過激派組織「イスラム国」に対し、各国が厳しく対応していく方針を確認する見通しだ。
 さらに、域内をカバーするアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)実現に向けた協議が行われるほか、中国が人工島の造成を進める南シナ海問題も焦点となる。米国は南シナ海問題を提起することで、他国と連携しながら中国への圧力を強める方針だ。会議の終わりには首脳宣言が採択される。>
 「空母」『かが』を中心とした我等が艦隊を南シナ海に遊弋させ、かつマニラに「親善訪問」をする。これが「外交」なのだ。もう聞き飽きられたろうが「軍事と外交は車の両輪」である。おそらく具体的には何も起きないだろうが、いざという時に「手伝いますよ」という特殊部隊も、もちろん乗っている。その上で、マニラ湾に艦隊が姿をあらわすことは、それこそが「プレゼンス」なのだ。ちょっと前まではアメリカがやってくれていた。しかし、かなりしんどくなってきた。だったらもう私たちがやるしかない。
 マニラはかねてから書いているように私の「第二の故郷」である。どれほどの人生をそこで送ったことか。だからこそ軍と警察がどれほどダメなのかもわかる(泣)。「万全を期している」とかいう幹部のインタビューが流れるのを聞いて「ダメだろうなあ」と改めて感じた。APECヤバいです。それぞれの情報工作機関も首脳と一緒に入っているだろうけれども、フィリピンの当局は信用しない方がいい。イスラムを自称するテロリストは図に乗っている。何かを仕掛けてくるという警戒は必要だろう。

 馬鹿だけによくやってくれた。これはこの国の「左巻き馬鹿」を「爆撃」するきっかけとして歴史的な「誤爆」と言っていい。
 <「誤爆犠牲者から見れば、有志連合空爆もテロだ」/ 報ステ・古舘氏の問題提起に異論も噴出>
 
http://news.livedoor.com/article/detail/10847760/
 <「誤爆の犠牲になった人たちから見れば、有志連合による空爆もテロに当たる」。テレ朝系「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスター(60)がこう問題提起したことが、ネット上で議論を呼んでいる。
 2015年11月16日夜の番組では、パリ同時多発テロの関連映像が紹介され、その後、スタジオに切り替わると、古舘氏がこう口を開いた。>
 <「本当にこの残忍なテロで、許すまじきテロを行った。これは、とんでもないことは当然ですけども、一方でですね、有志連合のアメリカの、ロシアの、あるいは、ヨーロッパの一部の、フランスも含まれますが、誤爆によって、無辜の民が殺される。結婚式の車列にドローンによって無人機から爆弾が投下されて、皆殺しの目に遭う。これも、反対側から見ると、テロですよね」>
 けっこう本を読んでいる私でも名前も知らない方がコメントしているが、私なら「広島、長崎の原爆、それから大都市への無差別爆撃もすべてテロだったということですよね」と答えるだろう。古舘伊知郎先生の答えをぜひ見てみたい。
 ホンモノの馬鹿である。根本的に知能指数が低いのだろうと私はずっと見ていた。実は番組で彼がキャスターになった時に、かかわらないかという打診があった。しかし今書いた理由で断った。センスが悪いのは話し合いで直せても、知能指数が低いのはいまさらどうにもならないからだ。このヒトへのコメントはずっとやめてきた。馬鹿に馬鹿と言っても馬鹿にはわかちないからだ。それと、視聴率がいいということを見て、それで遠慮する私ではないが「日本人も馬鹿だなあ」と思ってきた。これもまた、馬鹿に馬鹿と言っても仕方がないからだね。
 しかし、この発言には驚いた。誤爆はある。民間人が巻き込まれるのは残念だとしか言いようがない。しかし基本は「戦闘員への攻撃」なのだ。そこがパリのテロとは全く違う。テロというのは「非戦闘員を殺す」ことであって、これは慣習国際法的に許されないことだ。だからフランスもアメリカも全力をもって反撃に出たのである。それが国家だ。古舘伊知郎先生におかれては、そういう国際法の基本をどこまでご存じなのかどうなのか。せめてそういう解説ができるヒトをゲストに呼んではいかがか。
 まあ、こういう番組になるだろうな、とは最初に打診を受けた時にわかった。かかわらなくて幸運である。

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