パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

小学館/本の回収を要請/西原さんと高須さん共著書



勝谷誠彦氏の有料ブログより転載

<わが友、サイバラさんどうした。
あれだけ二人でタマの下(いや「玉」ではなく「弾」よ)をくぐって生き延びてきた。いつでも助けに行くぞ>。


 3時起床。
 天気図を見ると今日は列島としては北からの風がまあまあ吹くよう
で、冷涼な朝。最近の人は天気図などほとんど見ないのではないか。テレビの画面で気象予報士の背後にある時に目に入るくらいで。地学屋としては、どうしても今や新聞の社会面の隅にしょぼんと載っているそれに目がいってしまう。昔は石を採りに行った先の野宿のテントの中で、短波放送を聞きながらヘッドランプで白地図に等圧線を落としたものだ。
 先日ここで紹介したテレビ東京の昼飯ロケの2本目が今日の11時
50分からオンエアされる。愛知県の豊橋市だ。
 『昼めし旅 あなたのご飯見せてください』
 http://www.tv-tokyo.co.jp/official/hirumeshi/
 <路面電車の町・豊橋市へ!老舗かまぼこ店の看板娘お弁当拝見! 昭和レトロ遺産に住む住人に突撃!水上にビル!?その秘密とは!

 文節のおわりごとに「!」をつけるなよなあ(苦笑)。
だからテレビ屋は文章に関して下品だと言われるのだよ。私が苦笑しながらもこういうロケを受けるのは「普通ならばきっと行かない街」を歩けるからである。豊橋なんて何百回も新幹線で通過しながら降りたことはなかった。歩いてみると、いい場所である。何よりも豊かだ。もともと気候がいい地であることに加えて、自動車産業のすそ野が広いことを感じた。それにしても、呑んでもいなかったのにロケの内容をほとんど覚えていない。う~ん。
 またまた少し少女マンガについて触れるのをお許し願いたい。
ここで、ほんどのヒトには関係ないのに紙幅を割いて申し訳ないと謝ったが、本当にそうなんだか疑問が湧いてきた。猛烈なメールなのである。猛烈というのは数もさることながら内容が。小学館さん。今やカネもヒマもあるかつての少女マンガおたく世代のパワーを読み間違っていませんでしたか。『月刊flowersは即日完売のようだ。私の日記を読んで買いに行った同世代の方々はほぼダメだった。「車で4時間走りまわりましたが」。すみません、すみません。アマゾンでは瞬速で消えた。もちろん『ポーの一族の威力もあるだろうが、こういうクラシカルなまともな少女マンガにみんな飢えていたのではないだろうか。
 http://flowers.shogakukan.co.jp/magazine/
 他作品もすべて王道を行っている。
絵作りが最近のアニメ調ではない。ストーリーも、妙なたとえだが、司馬遼太郎さんや池波正太郎さんを読んでいるような、地鳴りがするような安定感がある。もちろん私が歳をとってしまい、そうしたものが懐かしくなっているせいもあるだろうが、その場的な物語ばかりと接している若い世代にもぜひ読んでもらいたいものだ。先週末からここに至るまでに得た「収穫物」をちょっと自慢げに。おおマネジャーのT-1君、素早いアップ。
 https://ja-jp.facebook.com/katsuyamasahiko
 いずれもお好きな方には素晴らしい3冊だと保証しよう。
ちなみに。小学館に申し上げるが『月刊flowersは重版かけてはどうだろうか。私も雑誌の人間だったので、単行本と違って雑誌は重版をかけても儲からないどころか、むしろ損をするというのは知っている。取り次ぎも嫌がる。しかしここまで「社会現象」になったのなら『月刊flowers』がもっと出回るというのは、今後のための認知度の上昇にもなるし、掲載されている広告から単行本への誘導にも意味がある。お考えになってはいかがかと提言しておく。
 と、持ち上げておいて落とすのが私の芸風なのだが。小学館
もう萩尾望都さまの本も買ったことだし、これから不買運動かけたろか。それでもいちおう報道をする週刊誌を持つ出版社か。言論の自由を自ら殺すならまずはその理由を世間に説明するべきだろう。
 

小学館/本の回収を要請/西原さんと高須さん共著書>
 http://mainichi.jp/articles/20160601/k00/00e/040/229000c
 <小学館は1日、漫画家の西原理恵子さんと美容外科高須クリニック」の高須克弥院長の共著「ダーリンは70歳 高須帝国の逆襲」の回収を始めたと明らかにした。

 同社によると5月31日付で取次会社と全国の書店に回収を要請した。「編集上の不備があった」(広報室)とする一方、詳細は明らかにできないとしている。
 同書は5月25日発売で、2人の交際を文と漫画でつづった内容。
発売前に重版が決まり、計4万部が刊行された。書店の店頭に並んだ後、社内で不備を指摘する声が上がったという。>
 これは、本を著す側である私からすると「大事件」である。<
編集上の不備があった。>のならば落丁乱丁のたぐいであって、これは回収と交換に応じなくてはいけない。昔の本はたいがい、奥付にそう書いてあったものだ。もしそうならば、正々堂々と公表して謝ればいいこと。モノを作る上でのミスはどんな製造業でも起きうることである。ところが、それを隠蔽している。となれば<編集上の不備があった。>というのはウソであって、本当は表現上でマズいことだったのだろうと、もちろん私などのプロは考える。
 どういう圧力団体がやってきたのか、だ。
朝鮮総連なのか解放同盟なのか、あたりがまず思い浮かぶが、民族派ということもありうる。あるいは高須先生が医師なので、患者団体や障害者団体かも知れない。そうした「抗議元」を明らかにしないことこそ「差別」なのではないか。
 ご存じのように西原理恵子さんは私の「盟友」である。
一緒にアマゾンにも行った。『鳥頭紀行 ジャングル編』
 http://amzn.to/22yI9iK
 私はいきなり「ホモかつ」として登場する。
そのあとも人種的なものも含めて、担当編集者だった私が「これは大丈夫かなあ」と思うギャグの連発だ。実際、抗議も来た。私は「あんたの方が差別主義者」だとことごとく論破し「逆に訴えてやろうか」とまで言った。商売人権屋はみなさんがすごすごと帰って行った。小学館サイバラさんのためにそこまでやったのかな。作者を守るということはそういうことであって、大出版社の(うちは「中」くらいだったが)の編集者はそのために高給をもらっているのである。
 繰り返すが、小学館は「何が問題だったのか」
を公表する義務がある。それは出版界全体のためだ。「へえ、これもダメなんだ」という情報を共有して、商売人権屋などに対抗していかなくてはいけない。取次会社にもその責任はあるし「うちは回収に応じない」という気概ある書店があってもいいだろう。『週刊ポスト編集長の英断を待つ。

 取次という言葉が出てきたので。
ちょうどこのニュースとひっかかってきた。
 <トーハン八重洲BCの株式49%取得。山崎厚男氏が社長に>
 http://www.shinbunka.co.jp/news2016/06/160601-02.htm
 <トーハンは5月31日、取締役会を行い、
鹿島建設グループから八重洲ブックセンターの株式49%を取得することを決議し、同日に株式譲渡契約書と株主間協定書を締結した。譲渡金額は非公表。
  八重洲BCの代表取締役社長には7月1日付でトーハン元社長の山
崎厚男氏が、取締役会長には八重洲ブックセンター社長の吉野裕二氏が就く。
 八重洲BCは1977年7月に創業。東京、神奈川、千葉、
栃木で12店舗を運営、平成26年度決算で売上高59億円を計上している。資本金は9500万円。>
 出版業界に近い方ならこれがどれほど大きなニュースかわかるだろ
う。とうとう紙の世界の本格的な再編が始まったか、と私は受け取った。一般の方にはわからないだろうから説明しよう。出版社にいながら私は編集業務で終えたので営業のことは知らないが、同期でそちらに行った連中もいる。そういうひとたちと話すうちに出版界のルールがわかって来る。いや、それを知らないと実は編集も本当にはできない。当時の私は文藝春秋の編集長から社長になるつもりだったので(爆笑)マジメにいろいろと勉強していた。
 出版社のそれぞれは小さい。
当時の文春にしたってたかだか社員が300人ほどの「小企業」である。それが日本中にある書店に本を送る体力はない。だから「取次」が入る。これはでかい。しかも資本力の少ない版元との間には「前貸し」や「猶予」などもあるので、巨大な金融機関でもあった。版元は取次の顔色をうかがう。取次の醜聞なんて記事になったことがないでしょう。しかし書店は取次にとってはお客さんだ。この使い分けで、世界はうまくまわっていた。
 それが今回、崩れた。
市場でほそぼそと八百屋をやっていたとする。朝早く卸売市場に出かけて仕入れてきて、なにがしかの上乗せをして、それで一家が食っているのである。その降売り業者が、直接に店を出してしまったらどうなるか。「街の小さな商店」はすべて廃業せざるを得まい。既に一般の流通では郊外形の大型店舗などでそうなっていた。しかし書店はいささか違うのではないかと私は考えている。勉強している書店員とのささやかな対話がこの国の文化を支えているのではないかと。「本屋大賞」のたぐいは大嫌いだが、人々のその気持ちがああしたものを求めているのだろう。
 トーハン大賞はないでしょう。
取次は本の内容よりもあくまでも流通の担い手として、黒子を演じてくださっていた。まことにありがたいことだったと思う。しかしそれが表面に出るというのは、繰り返すが、劇的な変化だと思うのだ。たとえばテレビの世界では「演者」と「ディレクター」がいて「プロデューサー」がいる。まあ私である「演者」と「ディレクター」はショボい。しかしその現場にプロデューサーが直接介入することはない。カネと技術の分業である。出版業界でそれが壊れたのかなあ、と私は感じるのだ。こんなこと、書く、売るの両方の世界にいた私しか言えないので、こうやって記述しておくことをゆるして欲しい。

 最後にまたマンガに戻るのである。興味のないひとはすみません。
マンガつながり、やるじゃん。
 <手塚治虫文化賞の100万円、熊本に寄付/京都の美術館>
 http://www.asahi.com/articles/ASJ6134ZCJ61ULPI001.html
 <第20回手塚治虫文化賞朝日新聞社主催)
で特別賞を受賞した京都市京都国際マンガミュージアムは1日、副賞100万円を熊本市NPO法人熊本マンガミュージアムプロジェクトに寄付すると発表した。
 同プロジェクトは熊本地震を受け、
被災地の子どもたちに漫画を届ける移動図書館を準備中。京都国際マンガミュージアムは、漫画を通じた復興支援になるとして、寄付を決めた。
 同プロジェクトの橋本博代表は「
蔵書の倉庫に亀裂が入るなどして途方に暮れていたので、本当にありがたい」と話している。>
 ここ何日かマンガと言われるものがどういう力を持っているかを叙
述してきた。ここまで来ているのである。涙が出るほど嬉しいが、まだまだマンガはアウトサイダーだ。40年、頑張ってきた。それでもね。
 作家の方々にはどんどん書いて欲しい。
私は外からなんとなく応援する。評論も載らない時代だし、そもそも評論など必要なかったのかも知れない。それに青春を費やしたのもなあ(遠い目)。私もいま、決めた。マンガ志士が決起している時に私がおくれてなるか。いささか、今日、動く。

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