2017.2.7 09:08 産経新聞
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【北京春秋】言論統制の国外“輸出” 「人民の感情」を盾の圧力はお家芸だ
http://www.sankei.com/images/news/170207/wor1702070007-n1.jpg ついにここまできたか。アパグループのホテル客室に「右翼の書籍」が置かれているとして、中国国家観光局が旅行代理店や訪日観光客に「アパホテル禁止令」を出した。民間への厳しい言論統制が国外にも“輸出”され始めたのだ。そのうち中国共産党が敵視するチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世の関連書籍も「日本の書店に置くな」と言い出すのではないか。などと思っていたら、米国でこんな問題が起きた。
中国紙によると、米カリフォルニア大サンディエゴ校が今年6月の卒業式の来賓にダライ・ラマを招こうとしたが、中国人留学生の団体が3日に「感情と信頼を傷つけられた」と猛反発する声明を出した。
この団体は在米中国領事館と連携し、招待撤回を求めて譲歩しない構えだ。「中国当局が報復措置として大学の学歴認定を拒否し、就職に影響するのでは」と多くの中国人留学生が気をもんでいるという。
こうしたやり方にどれほどの割合の中国人が賛同しているのか冷静に判断する必要もある。ただ「人民の感情」を盾にした他国への圧力はもはやお家芸だ。