パルデンの会

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米国の北朝鮮単独爆撃に、中国は沈黙を余儀なくされるだろう



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)4月9日(日曜日)弐
      通算第5261号
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 金正恩斬首作戦はたしかに存在することを中国は実感した  米国の北朝鮮単独爆撃に、中国は沈黙を余儀なくされるだろう


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 シリア空軍基地へのミサイル攻撃は、「戦果」としては疑わしい。
 59発撃って命中は僅か23発。滑走路には被害が殆どなく、翌日からIS空爆にシリア空軍は飛び立っている。
つまりシリア空軍基地に壊滅的打撃をあたえてはいない。

 しかし、軍事的成果より、政治的効果は激甚であった。
 中国首脳との夕食会最中にミサイル発射を習近平につたえ、マティス国防長官が具体的に説明した。だから反論の時間的余裕も、いやその準備もなかった中国側はそそくさと宿舎に引き上げた。

 通商交渉でも「百日計画」の策定を呑まされ、南シナ海で国際秩序を護れと言われ、いったいどこに訪米の成果があるのか、習近平は帰国後、鼎の軽重を問われることになるだろう。

 夕食会直前に政権の最終意思決定は、トランプの別荘でなされ、テレビ中継でホワイトホウスのオペレーションルームのペンス副大統領と繋がった。
会議にはティラーソン国務、ロス商務、ムニューチン財務、大統領補佐官と顧問四名が居並び、シリア空軍基地襲撃が決まった。バノン上級顧問が隅っこのイスに腰掛けている写真が配布された。

 問題は、このタイミングの選び方、まさに中国の反応ぶりをリトマス試験紙のように試したのではないのか。

 北朝鮮攻撃のシナリオは(1)金正恩斬首作戦(2)ミサイル基地爆撃破壊(3)核施設破壊。(2)と(3)の同時作戦などがおおまかに考えられるが、どれでもいつでも実行できる態勢は整っており、すでに米軍は600発のミサイルを配備している。しかも在韓米軍とは演習中である。

 中国は米国のシリア攻撃を目の前に見て、にぶく対応しただけで、もし北朝鮮に大規模な米軍単独軍事行動がおこなわれても、沈黙を余儀なくされる可能性が高いことが分かった。つまり中国の軍事的介入はない、とトランプ政権は判断したと考えられる。

 時期的には予想より早いかも知れない。
 北朝鮮が、もし核実験をおこなったら、48時間以内にミサイル発射が命じられる可能性は薄いとはいえ、存在する。

 朝鮮半島に戦雲高し。

□○○み□◎◎や○◎○ざ○○□き□◇◇

時事通信 4/9(日) 9:25配信

米空母、朝鮮半島近海へ                  =北朝鮮をけん制             ―ロイター報道



【ワシントン時事】ロイター通信は8日、米海軍の原子力空母カール・ビンソンがシンガポールから朝鮮半島近海へ向かうと報じた。

 
弾道ミサイル発射の挑発行為を繰り返す北朝鮮をけん制する狙いがあるという。

 米当局者はロイターに対し、北朝鮮の懸念される振る舞いを受けて「(軍事)プレゼンスの強化が必要だと感じている」と語った。北朝鮮は5日、東部から日本海へ向けて弾道ミサイル1発を発射。近く核実験を実施する可能性があると韓国政府も認めている。