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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)4月11日(火曜日)
通算第5264号
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北朝鮮攻撃の前にセカンダリー・サンクション(二次的制裁) 米国、中国などの関与した貿易会社、銀行に制裁準備。リストはあがっている
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カール・ビンゾン空母攻撃群がシンガポールから、寄港予定だったオーストラリア訪問をキャンセルして南シナ海の北上を開始し、米国西海岸サンディエゴ海軍基地からは駆逐艦なども西太平洋方面へ出航した。
朝鮮半島近海に展開し、北朝鮮のミサイル、核基地攻撃準備態勢の示威である。空母には特殊部隊も乗り込んでいるとされるから、「斬首作戦」の同時展開もシナリオに入っているのだろう。
その前に、米国はいくつかのセカンダリーサンクションの選択肢を撰ぼうとしている。
第一は遼寧省丹東、瀋陽にある北朝鮮の銀行、ならびに北朝鮮にミサイル部品など国連制裁決議に違反して輸出していた中国系商社の制裁を強める。
第二に在米中国の銀行に資産凍結、取引停止など強い処分をふくめての制裁準備である。これは中国への強いブローとなる。報復として中国が、米国系銀行の在中国支点の営業停止などの挙にでると、米中貿易は自動的に縮小し、双方の痛手となるため、どこまでの制裁レベルに留めるかが、これからの検討課題となる。
マレーシアの妖しげな貿易会社も制裁対象になっているとされる。
北朝鮮からの亡命者がロイターに語ったところに拠れば、ハンフンイル(音訳不明)は20年前にクアランプールへやってきて、張成沢と繋がるマレーシアの商売相手とコングロマリット「MKP」(マレーシア・朝鮮パートナー社)を設立した。
この商社は、労働者の斡旋、貿易、石炭の輸出、石油の輸入などを表看板に、アジア、アフリカ40ヶ国と取引していた。
「なかには不正な武器輸出が含まれ、武器取引は、このマレーシアの北朝鮮系商社が行っていた」(ロイター、2017年4月10日)。
年に一度、北朝鮮から高官が現れ、ドル、ユーロの現金を手渡していたことが目撃談として語られた。
このほど左様に金正男がクアラランプール空港で暗殺されるまで、北朝鮮とマレーシアは持ちつ持たれつの関係であったことが明るみに出た。
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