パルデンの会

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ドキュメンタリー映画「ラモツォの亡命ノート」東京・ポレポレ東中野で18日から

夫との再会、希望捨てず 記録映画を公開

東京都新宿区のチベット料理レストランで歓迎されるラモツォさん(中央)=東京都新宿区四谷坂町で2017年11月15日午後8時32分、藤田祐子撮影

東京・ポレポレ東中野で18日から

 中国当局に自由を奪われた夫を待ち続けるチベット人女性を日本人監督が追ったドキュメンタリー映画「ラモツォの亡命ノート」の主人公、ラモツォさん(45)が、18日から東京都中野区のポレポレ東中野で公開されるのを前に、亡命生活を送る米国から初来日した。ラモツォさんは取材に「撮影期間は人生で一番つらい時期だった。たくさんの人に助けられ、希望を捨てずにこられた」と語った。
     映像作家の夫ドンドゥプ・ワンチェンさん(43)は、中国の青海省などで2007~08年、北京五輪開催への率直な感想やチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を慕うチベットの庶民の声を収録。その直後に拘束され、国家政権転覆罪で懲役6年の判決を受けた。この間、収録素材は支援者らによってドキュメンタリー映画「ジグデル~恐怖を乗り越えて~」としてスイスで発表され、日本でも自主上映された。ドンドゥプさんは14年に出所したが、現在も当局の監視下にあるという。
     「ラモツォの亡命ノート」は、チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラを09年に訪れた小川真利枝監督(34)が、当時はダラムサラを拠点にパンの露天商をしながら夫の解放を訴えていたラモツォさんに出会い、撮影を始めた。
     以来、小川監督は渡欧、米国移住、子どもたちとの別離と再会と、異郷を流浪しながら生き抜いたラモツォさんに寄り添った。「家族は引き裂かれたまま、物語は真のエンディングを迎えられていないが、離れ離れのまま10年になる現状を訴えたかった」と話す。
     ラモツォさんが来日した今月15日、東京都内で支援者らによる歓迎会があった。ラモツォさんの姿も収録した映画「オロ」(岩佐寿弥監督、12年)の津村和比古カメラマン(71)や、オロ製作に参加した絵本作家の南椌椌(くうくう)さん(67)も駆けつけた。ラモツォさんは「いつか夫が自由を得て米国に迎えられたら、こんなふうに皆で集まりたい」と語った。
     公開は12月1日まで。11月18~24日が午後8時(18~20日は上映後にラモツォさんの舞台あいさつあり)、25日~12月1日が同7時の各日1回。問い合わせはポレポレ東中野(03・3371・0088)。【藤田祐子】