中国、ウクライナ侵攻でもロシアを非難せず 「ともに共産国家、権威を振りかざす政権」スペイン紙論評
華春瑩報道官(AP)
中国は、今回のロシアによるウクライナ侵攻に関してもロシアを非難しなかった。AP電などによれば、中国外務省の華春瑩報道官(外務次官補)は、24日の定例会見で「中国は今回のロシアの動きを“侵略(invasion)"だと捉えるか」との質問に対し、最初は「この問題は複雑な歴史的背景とさまざまな要素が作用した結果だ」「中国と西洋人は違う。中国人は結論を急がない」などとお茶を濁した。だが、同じ問いが続くと「米国が火に油を注ぎ、火をうちわであおいできた。米国はどうやって火を消したいのか?」と憤った。 【写真】ウクライナ東部で砲撃を受けて黒い煙が立ち上る発電所 この会見を受け、スペイン紙マルカ(電子版)は「誰も驚きはしないが、今回の危機でも中国はロシアの味方のようだ。ウクライナとロシアの対立において、中国は間違いなくロシアの肩を持つだろうと世界中が予想していた。中露はともに共産国家で、権威を振りかざす政権が主導している」と報じた。 さらに、中国の税関総署は同日、地域限定だったロシアからの小麦粉の輸入を「病害がない全域からに拡大する」と発表。英国営放送局BBC(によれば、ウクライナは中国のトウモロコシ輸入先の9割を占めていた。この一報に際し、AP電は「西側諸国のモスクワに対する経済制裁のインパクトを弱める一助となるであろう」と“利敵行為"と批判し、UPI通信も「ウクライナ危機で米国と同盟諸国がモスクワに経済制裁を科す中、中露関係の強化を知らしめた」と伝えた。 2014年、ロシアは南ウクライナのクリミア半島を併合。これに反発した西側諸国は、今回と同様に経済制裁を発動し、ロシアは国際的に孤立した。だが、同日の米誌ニューヨーカー誌(電子版)は「当時も習近平(中国国家主席)が手を差し伸べ、ロシアが中国に4000億ドル(46兆円)の天然ガスを供給するという形で制裁から一息つかせた」と伝えた。(写真はAP)