パルデンの会

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この国の政府は本当に国民の事を考えているのか?阪神大震災と同じ?

勝谷誠彦、katsuyamasahiko.jp の有料ブログより転載

<首相動静―2月22日>
 <4時2分、民主党常任幹事会。5時21分、同会を途中退席。25分、官邸。26分、ニュージーランド地震対策関係閣僚会議。>
 菅直人首相は一国のトップとして責任を持つべき国民の命よりも、身内のリンチの方が大切らしい。<途中退席>というところに、異様なまでのこの男の加虐性がほのみえて、気持ちが悪くなって来る。
 ちなみに「総括会議」にかけた時間は<途中退席>であってもそのあとの地震対策会議よりも長い(泣)。何やってんでしょうか、この人たちは。
 たとえ形だけであっても「今日の常任理事会は中止、地震対策会議を優先する」と言えばいくらかでも国民の見る目は変わっただろうに。
 要するに、あの男は怯えているんですね。一分一秒でも小沢一郎元代表への攻撃が遅れると、反撃を受けると思っている。
 えてして加虐趣味のある奴ほど、実は怯懦な場合が多いが、菅直人という人物を見ていると、しみじみそう思う。
 ニュージーランド地震での邦人の被害は更に広がる可能性がある。
 <富山の学生ら11人連絡とれず。・ニュージーランド地震
 <ニュージーランド南部のクライストチャーチ付近で22日午後0時51分(日本時間午前8時51分)ごろ、マグニチュード(M)6.3の地震があった。同国のキー首相は、少なくとも65人が死亡したと語った。多数の建物が倒壊しており、死傷者が増える可能性がある。研修旅行中の富山市富山外国語専門学校の学生らがいた建物が崩れて11人が不明となるなどしており、日本大使館は滞在中の邦人の安否確認を急いでいる。>
 いまのところ周囲が慌てて安否を確認しているのは「短期滞在者」や「旅行者」だ。しかしクライストチャーチはたとえば海外での定年後の年金暮らしなどの企画で必ず名前が出る場所である。在留邦人は3000人とも言われている。そうした方々の安否の確認はどうなっているのだろうか。
 セクトの「総括会議」をいやいや抜け出してひらいた地震対策会議で、菅さんはこんな対策を打ち出したそうだ。
 <菅直人首相は22日夕、関係閣僚会議を開催。(1)情報収集に努める(2)現地の邦人保護に万全を期す(3)ニュージーランドへの支援を準備する――の3点を指示した。>
 アホか。三つとも言っていないのと同じことだ。朝8時に発生した地震について日が暮れてからようやく会議を開き、そこで決めたのが<情報収集に努める>。会社ならとうに潰れていますね。その瞬間にも瓦礫の下にもう10時間あまり閉じ込められている同胞がいるのである。にもかかわらず<邦人保護に万全を期す>って、アホというより、キチガイのたぐいだな、こいつらは
 雲仙の新燃岳の時も(このニュースも大マスコミはちっとも伝えなくなった。噴火は長期化し、地元の負担はますます増えているというのに)私は地学屋として「これは『小規模』ではない」と書いたが、今回も聞いた瞬間に「でかい」と直感した。マグニチュードはそんなに大きくないが、震源の深さは5キロと「異様に」浅い。しかもクライストチャーチのほぼ真下で起きている。
 私も行ったことがあるがクライストチャーチは欧州を思わせる美しい街だ。19世紀に開発が始まり、石造りの古い建物も多いのである。そしてこういう建築物は直下型の地震に弱い。
 なぜならもともと「地震がない国で生まれた設計方法」だからだ。欧州のそれをニューワールドに持って来たのはいいが、そこは地震の巣とでもいうべき場所だった。
 ニュージーランドを私は縦断したことがあるが、どこか風景が懐かしいのである。湿潤な日本に比べるとスコーンと抜けてはいるのだが、地学屋から見ると地形にいくつも共通点がある。
 ともにプレートの端っこに乗っていて、いつもひずみがたまり、複雑な地形が出来上がっている。ましてや南島はプレートの境が島の「中」を通っている。
 そんな上に滅多に地震が来ない欧州の伝統的な建物を建てているのだから、いったん揺れると脆いのである。
 そこで地震が起きた。邦人が3000人いるという情報が手元にある。私が首相であれば(最近このフレーズ多いなあ・笑)ただちに外務省に命じてニュージーランド政府と交渉させ、一方で自衛隊に出動準備をさせる。送るのは補給艦や輸送艦だ。
 
 クライストチャーチは海に面している。一方で地上の施設は崩壊し、インフラも寸断されている。こういう時に役に立つのは「海に浮かんでいる完結した機能を持つ施設」なのである。
 送るのは「ましゅう」か「おうみ」であろう。この「ましゅう型補給艦」は有事の際に病院船としても使うことを想定している。40床以上の病床があり、集中治療室や手術室も完備している。
 まずはこれを送り出す。続けて必要であれば「おおすみ輸送艦」を応援に出す。こちらも医療設備は充実しているが、何よりも海外への派遣のノウハウがある。
 99年にはトルコ北西部地震へ。04年にはスマトラ沖地震へ、それぞれ災害派遣されているのである。トルコの時は仮設住宅を積んでいった。第二陣として行くのであれば、そうした必要な救援物資を載せて行くといいであろう。
 艦船は輸送量も大きく、完結した機能を持っていて役に立つが、いかんせん足が遅い。だからこそ私は「ただちに」とさきほど書いたのだ。スッカラ菅がリンチの相談をしている間にも、どれほどの準備ができるか、あるいは出航したならばどこまで行けるか。そのことを考えると時間は貴重なのだが、そもそもこういう派遣をする発想そのものが軍隊嫌いの市民運動家上がりにはないだろうから、考えもしなかったのだろうね。
 ニュージーランド親日的な国である。捕鯨を巡っても国内には反捕鯨論が根強いにもかかわらず、お隣のオーストラリアとは常に一線を画してきてくれた。
 そのクライストチャーチ沖に日の丸を翻したわが防人の艦船が入り、人びとに手を差し伸べるということは、外交的にもまことに意味があることだ。「邦人を助けに行った」だけでばなく「ニュージーランドの人びとを助けに行った」ことがわかるからだ。
 今からでも遅くない、いいアイディアだと思うのだがどうでしょう。
 
 
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