大震災の政府対応は「あほとちゃう」櫻井よしこ氏
被災地に入った岩手の知人は、自衛隊と消防がいかによく働いていたかを見たという。また別の医師は、行政の援助の遅れに不平不満も言わず迎えてくれた過疎集落の人たちに感激したと話した。危機に際し、助ける日本人も助けられる日本人も立派だった。
記事本文の続き ところが政府の対応はどうか。福島第1原発はあの地震にも耐えて原子炉を止めるという日本の技術力の素晴らしさを示したが、冷やすという次の段階でつまずいている。人災の面もあるだろう。3週間もたつのに中央政府のリーダシップがまるで見えない。
菅直人首相の支持率は震災後に急上昇した。国民の気持ちに応えて全力で立ち向かわなくてはいけなのに、国家意識の欠如が甚だしい。
安全保障会議の開催という強力な権限が付与される方法があるのに、全く開かれていない。開催すれば全閣僚を集め、問題点と対処方法を見つけるよう指示を出すことができるのだ。
思い余って官邸に電話したら、官僚の一人が「忙しすぎて開けない」と答えた。ここは大阪だから関西流でいえば「あんた、あほとちゃう」だ。こんな体たらくがあるだろうか。
国際社会からは多くの支援を受けたが、本当の友達がどの国なのかもはっきり見えてきた。ロシアは日本への領空侵犯に近い行動を取り、中国は海上自衛隊の艦船にヘリコプターを異常接近させた。またロシアのメドベージェフ大統領は、日本のような自然災害の多い国での原発立地を規制しようとも取れる発言をした。
米国は1万8千人の兵員や空母、航空機を投入するほか膨大な物資も送り、親身になって支援してくれている。本当に頼れるのは価値観を共有する国々であり、さらには同盟関係にある米国なのだ。
震災によって日本人の立派さも現れたが、国家の力を発揮できる改革が必要なこともはっきりした。憲法を改めて見つめ直し、自衛隊は正規の国軍として守りを固めることが重要だ。私たち一人一人が日本人であることに誇りを持ち、感謝し、思いを新たにして震災を乗り越えたい。
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