パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

ポタラ宮に敷かれる厳重な管理体制

ポタラ宮に敷かれる厳重な管理体制とチベット仏教寺院の床



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  ポタラ宮での観光には、時間指定や厳格な時間制限の他に、厳しい所持品制限が行われていました。チベットのその他の仏教寺院、ノルブリンカ、セラ寺、ジョカン、ガンデン・ゴンパなどでも、ライターを中心とした火気検査は行われていましたが、ポタラ宮での管理体制はそれ以上に厳重なものだったのです。

  ポタラ宮以外の仏教寺院では、(空港などにあるのと同様な)安全検査器を通しさえすれば、リュックごと持ち込めたのにもかかわらず、ポタラ宮にはリュックは持ち込めず、携帯品は財布、携帯電話、パスポート等の貴重品のみに制限されました。
1.外国人に対する厳しい監視

  高山病のためがんがんする頭で、息切れをしながら、ポタラ宮の300段の階段を上りました。高山病ではない一人の友人のみがすいすい登って行きました。中国人にとって最大の聖山である泰山を下から6時間かけて登ったときよりも、ポタラ宮での300段の階段の方が体に堪えました。倒れながら、「俺を捨て置いて行ってくれ!」と言いそうになりました。

  ようやくの思いで、ポタラ宮に入ると、先代のダライ・ラマの写真はあるものの、当代のダライ・ラマ14世の写真はやはり飾られていませんでした。語ることさえためられるどころか、許されていない状況でした。
  チベットではどの寺院に行っても、どの部屋でも、監視カメラと録音機が作動していました。このことは、チベットに行く前、漢族の知人からも話を聞いていましたが、実際に作動する機械を見て、納得しました。

知人:「チベットではあまり中国語は話さない方が良いよ。日本語だけを話した方が良いよ。特に、当代であるダライ・ラマ14世の話はしない方が良い。チベットでは、すべての場所で録画・録音されていると思った方が良い。何か変なことをしたり、言ったりすると、すぐに警察が飛んで来るよ。インターネット、電話もすべて監視、盗聴されているから」

  日本への国際電話は監視どころか、つながりさえしないようになっていました。もし日本に電話連絡したい場合には、チベットに対する監視区域外の場所(たとえば、北京・上海・広州)にいる人に伝言を頼むしかない状況でした。
2.別世界のポタラ宮チベット仏教寺院の床
  筆者は、今までチベット仏教寺院やチベット族には各地で参観し、話をしてきました。雲南省シャングリラ、青海省西寧、河北省承徳、内モンゴル呼和浩特などです。チベット族以外にも、モンゴル族満州族、土族などの民族には、チベット仏教信者が多くいました。
  首都北京にも雍和宮というチベット仏教寺院があり、何度も足を運びました。チベット仏教信者である満州族の友人と訪問した際には、友人は非常に熱心に祈りを捧げ、さらに熱心な信者だった亡き祖母の思い出話をしていたことを覚えています。

  筆者は、シャングリラを訪問した後、次に中国のどこに行くかを考えました。チベットは後回しと考えました。標高も同様のラサは、シャングリラと同様と考えたのでした。シャングリラもチベット族やリス族というチベット仏教の地域だったからです。彼ら、老若男女の朝晩の踊りは幻想的ですらありました。

  しかし、実際にチベットに行ってみて、全く違うことに気付きました。チベット仏教に対する真摯さも違いました。チベット仏教寺院も違いました。ポタラ宮などはとても地上の建物には思えませんでした。
チベット人ガイド:「チベット仏教では、宇宙のことは何でも分かる。ポタラは天空の建物だ」
  ポタラ宮でも、他のチベット仏教寺院でも、床はつるつると光っていました。
チベット人ガイド:「この床は何か分かるか?」
筆者:「う~ん?石かな?」
友人:「大理石かな?」

チベット人ガイド:「土だ。ずっと昔に作ったとき、土を固めるのに水は一切使わず、自分の唾を使い、何度も何度も叩いて作ったものだ。今のやり方で水を使って一気に作ると、必ず割れる。でも、何年も何年もかかって、唾を付けながら叩き固めた床はこんなにきれいなのに強い。割れない」

  辛抱強い、気の長い話でした。熱烈なチベット仏教信者であるチベット人の話を聞いていると、漢族のことをとやかくいうわけではないにしても、あまりに考え方に違いがあることを痛感しないではいられないのでした。
  写真:セラ寺で15時から行われる問答修行。(執筆者:奥北秀嗣 提供:中国ビジネスヘッドライン)