パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

数十人を小火器で殺すというのは、なかなかできることではない。


勝谷誠彦氏の有料ブログより

 支邦が揺れている。習近平国家主席は「多方面作戦」を余儀なくされていて、それに耐えうるだけの「本当の」権力があるのかどうなのか、私の危惧は深まるばかりだ。まさに「内憂外患」にあるといっていい。「外患」というのは、もちろんウイグルのことで共産党独裁先見は「内憂」といいたいだろうが、不法に占領しているのだから「外患」だ。本当の「内憂」の方から。

 <中国共産党周永康氏を立件へ/前指導部に異例の追及>


 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM29H1R_Z20C14A7MM8000/
 <中国共産党は29日、胡錦濤前政権の最高指導部の1人で、党内序列9位だった周永康・前党政治局常務委員(71)を「重大な規律違反」の疑いで調査し、立件・審査を進めていると発表した。汚職などの容疑で党中央規律検査委員会から取り調べを受けているとみられ、年内にも党籍剥奪処分となる可能性が高い。国営新華社が伝えた。最高指導部にあたる常務委員経験者への汚職追及は極めて異例だ。>
 日経新聞はさらりと見出しで<異例>と書くが、いくらかでも支邦の政治的な歴史を識るものならばこの<異例>の重さをどっしりと感じるはずだ。いまの共産党独裁政権のみならず、支邦の歴史というのは「共犯者」によってなりたってきた。権力者のトップから末端まで「みんなワル」なのである。「みんなワル」なのでお互いに足の引っ張りあいをしない。トウ(この字、ハジかれるんです。歴史的な人物なので、これくらいはコードで許してほしいよなあ)小平などは堂々とそのことを公言していた。

 <中国、周永康氏の汚職捜査/元最高指導部、異例>


 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014073002000128.html
 <最高実力者だった故トウ小平氏は、権力闘争を防ぐためにも「常務委経験者に刑罰は科さない」と決めたとされ、党の不文律を破ることにもつながる。>
 凄い国でしょ?<経験者>というのがミソで、だから引退してもボスどもは利権を握り続けるのである。それにしても。再三この日記で私は「習近平は軍を掌握していないのではないか」と疑問を呈していた。その部分が不安定なのに、さらに周永康が握ってきた公安部門にまで手をつける危うさを思う。いや、軍を掌握できていないからこそ、公安部門をまず自分の手中におさめようとしているのかも知れない
 ところが、手をのばしたばかりの公安部門の真価が問われる事態が惹起した。あるいは、独裁政権のこうした動揺を見ているからこそ、反中央勢力が蜂起したとも考えられる。支邦は噂の国である。私たちが日本国の大マスコミを通じて得る情報よりも、そうした勢力は公安体制の動揺の模様を、早く把握していたのかも知れない。

 <新疆で武装集団が派出所など襲撃/漢族とウイグル族双方に死傷者>


 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140730/chn14073000280002-n1.htm
 <中国国営新華社通信は29日、中国北西部の新疆ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県で28日早朝、武装グループが派出所や地方政府庁舎を襲撃し、数十人が死傷したと報じた。英BBC放送(電子版)は死者は13人と伝えている。
 警察当局は現場で犯行グループ数十人を射殺したという。同当局は「周到に計画された組織的なテロ」と断定した。>
 実はこれ、最近の支邦での出来事としては、最大級のニュースであろう。新華社がすぐに報じたことにも驚いたが、そういう時代なのだ。隠したところでウェブですぐに映像などまで出回る。どうせ報じるならば<犯行グループ数十人を射殺した>という「事態は統制下にある」という部分を強調した方がいいと中央は判断したのだろう。
 しかし私などはイジワルなので独裁政権が力を誇示したこの部分から、逆に危機的な状況を読み取るのだ。おそらく世界の情報工作関係者もそうだろう。各国でテロは続発しているが<数十人を射殺>というのはなかなかないですぜ。人というのは、そう簡単に殺せるものではない。ガザ地区での戦闘について大マスコミは相変わらずテロリストに同情的な論調を繰り広げているが、お互いにあれだけの派手な武器を振り回して殺し合っていても、敢えて言うならば「あのくらいの犠牲者」なのだ。数十人を小火器で殺すというのは、なかなかできることではない。
 機関銃でも使ったというのか。もし小銃などだけでの撃ち合いだとすれば、かなりな時間を要したと思われる。ヤルカンド県では長時間にわたってもはや「内戦」が繰り広げられていたというビジュアルの想像をしてみて下さい。支邦のウイグル紛争は、ひょっとするとそうした段階に入っているのだ。
 習近平は何度もウイグル人に対して「警告」を発している。弾圧を公言もしている。にもかかわらず「異例の処分」を、それも公安のボスだった大幹部に対して下したのと同時に、この騒乱である。面子まる潰れと言っていいだろう。
 支邦は毛沢東による独裁の弊害に懲りてから、集団指導体制をとってきた。これを指揮したのが自分も毛沢東によってひどい目にあった、トウ小平だ。しかしここへきて習近平への権力集中が目立っている。今回の周永康の追放は、毛沢東による林彪劉少奇の抹殺を彷彿とさせる。林彪はただ殺されるのを待たずに、クーデターを企てた。窮鼠猫を噛むだ。今後の「毛沢東化」の中で、習近平に対してそのような行動に出る反対勢力の出現は十分に考えられる。毛沢東に比べれば、習の権力はあまりに弱い。支邦大乱の兆しが、私には感じられてならない。

 さすがは「事大主義」の「小中華」(嘲)。変わり身の早さよ。

 <社説/朴大統領、このぐらいで安倍首相と手を握らなければ>


 http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2014072610778
 ええ、そうです。どこから突っ込めばいいかというくらい無茶苦茶な論旨の社説だが、それでも「支邦、ちょっとヤバいスミダ。舛添要一ネズミ男知事もヘコヘコ頭を下げたし、これを機に日本にもすり寄っておくハミダ」らしい。さきほど書いた支邦の危うさをさすがは情報工作国家だけに、かなり把握しているんでしょうね。
 <好むと好まざるとにかかわらず、日本は韓国と自由民主主義と市場経済の価値を共有する隣国だ。>
 いや、違うって。安倍晋三首相、「扉」ちょっと閉めましょうか(笑)。


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