捏造 かも (笑い)
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(79)が20日、ニューデリーで朝日新聞の単独会見に応じた。「生き仏」である自らの後継について「チベット人が決める」と話し、中国政府が今月上旬、次代ダライ・ラマの選定に関与すると主張したことに反発した。
ダライ・ラマ14世は、先代ダライ・ラマの死後、その「生まれ変わり」としてチベットの高僧らが選んだ。後継者についてドイツの新聞が今月、「ダライ・ラマが、転生を自らの代で終えることを示唆した」と報道。これを受けて中国外務省の報道官が10日、次のダライ・ラマの選定には中国政府が関与する考えを示していた。
側近のタクラ報道官によると、独紙の報道は「発言の一部だけを切り取ったもの」という。ダライ・ラマは自らの死後に中国政府が言いなりになる人物を後継に選ぶことを懸念している。このため、選出には、お告げなどを元に高僧らが生まれ変わりの子供を探す伝統的な方法だけでなく、ローマ法王のような投票による選出、ダライ・ラマ14世が生前に指示を残すという方法も想定しており、数年のうちに会議を開いて検討するという。
ダライ・ラマ14世は19日まで訪印した中国の習近平(シーチンピン)国家主席について「国内の汚職問題を解決している」と評価。「習氏は訪印中、仏教が中国文化に大きな役割を果たしたと語った。彼はより開かれ、現実的な考えを持っている」と述べ、「最近は中国や台湾から多くの仏教徒がチベット仏教を学びに来る。チベット仏教の未来に、私は楽観的だ」と語った。(ニューデリー=貫洞欣寛、石田耕一郎)