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正恩氏側近が訪韓 北、経済難・孤立焦り…対南懐柔で打開狙う



正恩氏側近が訪韓 北、経済難・孤立焦り…対南懐柔で打開狙う

産経新聞 10月5日(日)7時55分配信

 
 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記最側近の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)・朝鮮人民軍総政治局長ら高官が4日、仁川アジア 大会の閉会式への出席を名目に「電撃的訪韓」(韓国メディア)をした。国際的に孤立する中で対南接触を図り、経済苦境の打破や韓国懐柔を狙った、金正恩指 導部の決断とみられる。

 アジア大会をめぐり北朝鮮は当初、大規模応援団の派遣を韓国側に提案した。韓国世論の懐柔が狙いとみられたが、韓国側と折り合いがつかず実現できなかった。こうした中、金第1書記は、最側近ら“大物”を急遽(きゅうきょ)、派遣した。

 韓国メディアはいずれもトップニュースで報じ、実現しなかった朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談や金第1書記の親書持参の可能性にまで触れ、南北関係改善への期待感を高めた。

 北朝鮮と中国の関係は昨年12月、それまで中国とのパイプ役を果たしていた張成沢チャン・ソンテク)氏が処刑されて以来、悪化を続けている。中国からの経済支援が絶たれ、北朝鮮の財政的な困難は一層深刻化している。

 今年1月から北朝鮮は韓国に対話攻勢をかける一方、米韓合同演習などに反発してミサイルを発射。米国人3人を抑留したままで、米韓への牽制(けんせい) も続けている。拉致被害者の再調査で日本との交渉も停滞している。対外関係での明るい話題といえば、李秀勇(リ・スヨン)外相が最近のロシア訪問で行った 外相会談くらいだった。

 こうしたなかで北朝鮮は、アジア大会閉会式を利用して南北対話ムードを演出。韓国側の歓迎ぶりやメディアの報道を見る限り、現時点で北朝鮮の計画は成功したかのようだ。

 ただ、サプライズで相手側を感激させ交渉事を自らのペースに持ち込むのは、金正日(ジョンイル)体制当時から北朝鮮が使ってきた伝統手法でもある。韓国の情報当局は、こうした北朝鮮の心理戦術も熟知している。

 朝鮮半島の統一を最重要課題に掲げる朴槿恵政権の心中を見透かしたかのような北朝鮮の行動に、どう対処していくのか。突然の融和姿勢の真意を、韓国政府は見極めようとしている。
2014.10.4 20:26

北、電撃訪韓の狙いは? 正恩氏「メッセージ」…改善に道筋か

 【ソウル=藤本欣也】北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党第1書記の最側近で、朝鮮人民軍の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長が4 日、仁川アジア大会への閉会式出席を名目に韓国を訪問し、大統領府の金寛鎮(グァンジン)国家安保室長らと会談。2月以降、中断している南北高官級協議の 再開で合意した。
 北朝鮮は対米・対韓関係だけでなく、対中関係も冷却化し孤立感を深めているが、政権中枢による電撃外交で対韓関係では改善の道筋を付けた。高官級協議の再開は韓国側が提案していたもので、今月末から11月初めの間に行われる予定。
 黄氏は北朝鮮の国家最高指導機関、国防委員会の副委員長も兼ねる事実上の政権ナンバー2。韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権が昨年2月に発足して以降、訪韓した北朝鮮の要人では最高位となる。
  国家体育指導委員会委員長の崔竜海(チェ・リョンへ)党書記や、対韓関係を統括する金養建(ヤンゴン)党統一戦線部長らも同行した。この日午前9時に南北 双方が突然、訪韓を明らかにし、その約1時間後には、黄氏ら一行が金第1書記の専用機で仁川入りするという電撃訪問だった。
 韓国統一省によると、北朝鮮の選手団から3日、訪韓の通知があったという。
 黄氏らは、外交・安保政策を統括する金室長や柳吉在(リュ・ギルジェ)統一相らと会談し、鄭●原(チョン・ホンウォン)首相とも会った。閉会式に出席の後、4日深夜に帰国予定という。
 聯合ニュースによると、「(金第1書記の)親書はなかったが、(対韓)メッセージはあった」(韓国政府当局者)という。
●=火へんに共

拉致再調査 

「マスコミが宋氏を大事にしている」北が仕掛ける情報戦

2014.10.2 産経新聞
 政府は近く日朝交渉に関する関係閣僚会議を開き、平壌に担当者を派遣し、拉致被害者らの安否調査の現状を聴取する方針を決める。ただ、北朝鮮は合 意していた初回報告を見送る不誠実な姿勢をとっており、成果が得られる見通しは立っていない。拉致被害者家族会には訪朝に反対する声もあがっており、政府 は新たな課題に直面することになりそうだ。
 政府は官邸が中心となり担当者を訪朝させる方針を決めたが、必ずしも一枚岩ではなかった。関係省庁内では「成果がなければ家族会が納得しない。中身のない調査を政府が認めることになりかねない」と懸念する声もある。
 家族会の飯塚繁雄代表も1日、担当者の現段階での訪朝はリスクが生じるなどとして、否定的な考えを示した。
  それでも官邸が決断したのは、実際に拉致被害者を調査する特別調査委員会メンバーと顔を合わせることで「パイプ作りができる」(政府筋)と踏んだからだ。 北朝鮮側を直接督励し、調査を前進させることが期待される一方、途中経過の聴取にとどまれば北朝鮮側が約束した初回報告をうやむやにされるリスクもはら む。
 政府は経済制裁再発動の是非について現段階では沈黙を守り、北朝鮮の調査状況を把握したうえで対応を検討するかまえだ。だが、飯塚氏 は先月末の集会で、政府に対し報告期限の設定や制裁の検討をするよう明言。訪朝で成果が得られなければ一気に制裁論が強まる可能性がある。政府は対話と圧 力のバランスを取ることに苦慮しそうだ。
 また北朝鮮側は交渉を有利に運ぶため「日本側のメディアを利用した情報戦を仕掛けている」(政府 筋)とされる。宋日昊(ソンイルホ)朝日国交正常化交渉担当大使は中国・瀋陽で日朝外務省局長級協議を行った際、日本の報道陣に呼び掛け意見交換会も開 催。政府高官が「マスコミが宋氏を大事にしている」と憤慨するほどになっており、日本側は交渉の主導権を握り続けるための対抗策も要求されることになる。