支局や社会部ではなく科学部が見るともう少し危機感を持つのでは
ないか。これがもし事実だとすれば。素人ながら地学屋としては「あっ、あそこはいけない」と感じる。
http://www.asahi.com/articles/ASH4S6RWPH4SIIPE03L.html
<北海道の知床半島で24日、海岸線沿いの海底が隆起し、新たな陸地になっているのを近くの住民らが見つけた。地元は騒ぎになっている。現地は知床半島南東側の羅臼町春日町付近で、住民によると24日朝、海岸で昆布拾いをしていた女性が、海岸が若干高いことに気づいた。昆布拾いを終えて帰宅しようとしたところ、隆起は自分の背丈を超えていたという。
同日夕、地元の羅臼漁協の田中勝博組合長らが確認。目測では隆起は長さ500メートル以上、幅は広いところで30~40メートルで高さは海面から10~20メートルほど。隆起した岩についたウニや昆布に、カモメやカラスが群がっていたという。>
そりゃ、絵だけ観て軽々なコメントはできないですよ。地学屋はフィールドワークが基本だけれども、この記者はそこの根本がわかっていない。学者はこう言うしかない。
<北海道大大学院理学研究院地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎教授(地球惑星科学)は「(NHKが流した)ニュース映像から判断し、海岸線が隆起したのは間違いないが原因はわからない」と話す。>
あなたや、あなたはあまりご存じなかったのではないか。知床半島というのは、実はとんでもない火山地帯なのである。南に桜島、北に知床硫黄島といっていい。火山帯(もうこういう言い方は古いが)の規模から言えば北方領土からこちらに至るラインの方が大きいとも言えるほど。これを読んでいただくと今回の出来事がよくわかる。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sapporo/101_Siretokoiou/101_index.html
今回の「隆起」の近くである。もっともこの火山をのぞいても知床半島というのは「火山だらけ」と言っていい。成り立ちについては紙幅を節約するため引かないので読んで欲しい。ただしここは大切。
<両火口が接する火口壁上にはナマコ山溶岩ドームと南峰溶岩ドームが生成した。>
私ならここで「なるほど、ある程度『持ち上げ』の溶岩の出方があるのだな」と感じる。つまり今回の「隆起」は下で「持ち上げ」が起きているのかも知れないと推察するのだ。となれば今後マグマが上に出て来る可能性はなくはない。なんで大マスコミがそういうことに触れないのか、私にはわからないが。まあ、人里離れたところでの出来事なので、何かあってもたいした人的な損害にはならないだろう。むしろ心配なのはこちらだ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/164981
ドローンを飛ばした奴が反原発か何かはどうでもいい。私は素人ながら地質学的年代を知るものとして川内原発を「やらかしてもいい」と言った裁判官の知性を疑う。おまえ、どんだけ地学について知っとんねん。「万一」の時にはその影響はそれこそ「地質学的年代」に及ぶのである。福島を見よ。私はイデオロギーでもなく感情でもなく「少なくとも姶良カルデラの上はダメでしょう」と申し上げるのだ。
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<海底が謎の隆起、海面10m超の高さに 知床半島の沿岸>
http://www.asahi.com/articles/ASH4S6RWPH4SIIPE03L.html
<北海道の知床半島で24日、海岸線沿いの海底が隆起し、新たな陸地になっているのを近くの住民らが見つけた。地元は騒ぎになっている。現地は知床半島南東側の羅臼町春日町付近で、住民によると24日朝、海岸で昆布拾いをしていた女性が、海岸が若干高いことに気づいた。昆布拾いを終えて帰宅しようとしたところ、隆起は自分の背丈を超えていたという。
同日夕、地元の羅臼漁協の田中勝博組合長らが確認。目測では隆起は長さ500メートル以上、幅は広いところで30~40メートルで高さは海面から10~20メートルほど。隆起した岩についたウニや昆布に、カモメやカラスが群がっていたという。>
そりゃ、絵だけ観て軽々なコメントはできないですよ。地学屋はフィールドワークが基本だけれども、この記者はそこの根本がわかっていない。学者はこう言うしかない。
<北海道大大学院理学研究院地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎教授(地球惑星科学)は「(NHKが流した)ニュース映像から判断し、海岸線が隆起したのは間違いないが原因はわからない」と話す。>
あなたや、あなたはあまりご存じなかったのではないか。知床半島というのは、実はとんでもない火山地帯なのである。南に桜島、北に知床硫黄島といっていい。火山帯(もうこういう言い方は古いが)の規模から言えば北方領土からこちらに至るラインの方が大きいとも言えるほど。これを読んでいただくと今回の出来事がよくわかる。
<知床硫黄山>
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sapporo/101_Siretokoiou/101_index.html
今回の「隆起」の近くである。もっともこの火山をのぞいても知床半島というのは「火山だらけ」と言っていい。成り立ちについては紙幅を節約するため引かないので読んで欲しい。ただしここは大切。
<両火口が接する火口壁上にはナマコ山溶岩ドームと南峰溶岩ドームが生成した。>
私ならここで「なるほど、ある程度『持ち上げ』の溶岩の出方があるのだな」と感じる。つまり今回の「隆起」は下で「持ち上げ」が起きているのかも知れないと推察するのだ。となれば今後マグマが上に出て来る可能性はなくはない。なんで大マスコミがそういうことに触れないのか、私にはわからないが。まあ、人里離れたところでの出来事なので、何かあってもたいした人的な損害にはならないだろう。むしろ心配なのはこちらだ。
<桜島と阿蘇山で噴火/阿蘇中岳は噴煙1500メートルに>
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/164981
ドローンを飛ばした奴が反原発か何かはどうでもいい。私は素人ながら地質学的年代を知るものとして川内原発を「やらかしてもいい」と言った裁判官の知性を疑う。おまえ、どんだけ地学について知っとんねん。「万一」の時にはその影響はそれこそ「地質学的年代」に及ぶのである。福島を見よ。私はイデオロギーでもなく感情でもなく「少なくとも姶良カルデラの上はダメでしょう」と申し上げるのだ。
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