<ネパール地震に迅速かつ壮大な援助を!亜細亜の陣取り合戦で、支那との模擬戦争と知れ>。
勝谷誠彦氏の有料ブログよりネパールはフィリピンに次ぐほど私が一時期通っていた国だ。
だから現地の事情は手にとるようにわかる。エベレストにも行っている。かつ素人地学屋なので、大マスコミがコメントをとるなら私ほどふさわしい取材対象はいなと思うのだが、思いつきもしないだろうなあ。私のこと嫌いだから。やはり情報の早さということでNHKを引こう。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150426/k10010061161000.html
<25日、ネパールで起きたマグニチュード7.8の地震でこれまでにおよそ1400人が死亡し、首都カトマンズでは、住宅の外に避難した人たちが余震などをおそれて屋外で不安な夜を過ごしています。
ネパール中部で25日、マグニチュード7.8の地震があり、ネパールからインド北部にかけての広い範囲で強い揺れが観測されました。震源は首都カトマンズの北西80キロ付近とみられ、カトマンズでは、多くの住宅や歴史的建造物が倒壊し、軍が出動して閉じ込められた人たちの救出活動を続けています。ネパールの警察によりますと、これまでに1392人の死亡が確認されたということです。>
まずは地質学的な見地から。これはその分野をあまりご存じではない方でも子どものころから教えられていたように「ヒマラヤってどうやって高くなったの?」「それは大陸が移動してインド亜大陸が北上、ユーラシア大陸にぶつかって圧力をかけているので、皺ができるようにあの一帯が盛り上がったんだ」。ちょっと嘘でしたね。『天国のいちばん底』で書いたようにプレートテクトニクス理論がちゃんと認められたのは私が中学生のころだから、先輩の読者の方々はこう教えられていなかったかも知れない。
だからこの一帯は「地震の巣」なのである。しかし日本列島が揺れているような「海溝型」とは違い、大陸どうしのぶつかり合いであるネパール近辺の地震は「周期は長いが起きると大きい」と言われている。「巨人たちのガチのぶつかり合い」だ。今回は震源が浅いので被害はかなり大きいだろう。ここから先は実際にネパールに住み暮らした私の人文的なところからの見地となる。
ひとりの人間の中に両方があるのが面白いでしょう。しかしこんな状況はずっと「雑学」と言われて、私は狗畜生のように受験で成り立つこの国では扱われてきた。でもいま飯を食えているんだからいいよね(笑)。ちなみにヒマラヤで私は、先日、写真展を紹介した三好和義さんと二人でエベレストを空撮してまことに貴重な写真をとり、それは、かの「ネイチャー」に掲載されたのですよ。もちろん私はハンマーを持ってかの地に行った。いかん、また地学自慢に戻ってしまった。
ネパールに暮らしてみると、そこがいかに「泥の文化」であるかがわかる。カトマンドゥの近くにティミという村があって、焼き物を専業としている。よく行き、そのたびに小物を買ってきた。今でも軽井沢の拙宅の洗面台の石鹸入れはかの地のものだ。しかし、客がよく割る。石鹸がくっついているのでそのまま持ち上げたならば離れてしまい、コトンと落ちてそれで割れる。「土器」なんですね。ただ粘土を焼いただけ。その味わいが私は大好きだった。大量に買ってきているので、割って恐縮している客に「たくさんありますから」と次のを出す。しかし、行かなくなって久しいのでそろそろ払底だ。
この「土器」であの人たちは家も造っているのである。焼きしめた煉瓦よりも弱いのではないか。しかもただ積み上げただけ。かなりなビルまでこの工法だ。意外と古都のバクタプルやパタンの塔の方が強いかも知れない。よく覚えていないが、あれは木造だったのでは。何度も地震におそわれてここまで残っているということは、日本の三重五重の塔などと同じで、強いのではないだろうか。
なんでこのおっさんはどの国で何が起きてもこんなに語るのかと思っているあなたや、あなた。自分でも驚いているのですよ。半世紀でよくもこんなにいろいろやってきたものだ。そう、この歳になると「出力」をしなきゃとずっと考えていて、ゆるゆるだがそうなりそうな感触かな。巨艦は進路を変えるのに時間がかかるのである。何を偉そうに。そのとおり。わはははは。
はじめてカトマンドゥに行った時は怖かった。灯火があまりない。辻々にかすかな灯があって、何かと思えば、地べたにしゃがんだ人々が灯油を売っている。ペットボトル(だったかな?まだそういうものはなかったかな?)に入れてその日に家で灯をともせるだけのものを買うのである。ホテルは「ヤク・アンド・イエティ」しか国際電話が通じるところはなかった。王宮はまことに尊い場所であって、近づいて写真を撮るのにも気をつかった。そこの主がいまやいないのはご存じの通り。背後で仕掛けたのは、支那である。
私が愛する地で地震が起きたので、週末恒例の本の紹介の機会を逃してしまった。明日でもできれば書きます。人生は前倒しで旅をしておいた方がいい。そこでの経験がこうして何かが起きた時に、隣の人の何百倍もの振動を自らに与える。「かわいい子には旅をさせよ」ですよ。子のいる方々よ。
<ネパールの地震/死者約1400人に>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150426/k10010061161000.html
<25日、ネパールで起きたマグニチュード7.8の地震でこれまでにおよそ1400人が死亡し、首都カトマンズでは、住宅の外に避難した人たちが余震などをおそれて屋外で不安な夜を過ごしています。
ネパール中部で25日、マグニチュード7.8の地震があり、ネパールからインド北部にかけての広い範囲で強い揺れが観測されました。震源は首都カトマンズの北西80キロ付近とみられ、カトマンズでは、多くの住宅や歴史的建造物が倒壊し、軍が出動して閉じ込められた人たちの救出活動を続けています。ネパールの警察によりますと、これまでに1392人の死亡が確認されたということです。>
まずは地質学的な見地から。これはその分野をあまりご存じではない方でも子どものころから教えられていたように「ヒマラヤってどうやって高くなったの?」「それは大陸が移動してインド亜大陸が北上、ユーラシア大陸にぶつかって圧力をかけているので、皺ができるようにあの一帯が盛り上がったんだ」。ちょっと嘘でしたね。『天国のいちばん底』で書いたようにプレートテクトニクス理論がちゃんと認められたのは私が中学生のころだから、先輩の読者の方々はこう教えられていなかったかも知れない。
だからこの一帯は「地震の巣」なのである。しかし日本列島が揺れているような「海溝型」とは違い、大陸どうしのぶつかり合いであるネパール近辺の地震は「周期は長いが起きると大きい」と言われている。「巨人たちのガチのぶつかり合い」だ。今回は震源が浅いので被害はかなり大きいだろう。ここから先は実際にネパールに住み暮らした私の人文的なところからの見地となる。
ひとりの人間の中に両方があるのが面白いでしょう。しかしこんな状況はずっと「雑学」と言われて、私は狗畜生のように受験で成り立つこの国では扱われてきた。でもいま飯を食えているんだからいいよね(笑)。ちなみにヒマラヤで私は、先日、写真展を紹介した三好和義さんと二人でエベレストを空撮してまことに貴重な写真をとり、それは、かの「ネイチャー」に掲載されたのですよ。もちろん私はハンマーを持ってかの地に行った。いかん、また地学自慢に戻ってしまった。
ネパールに暮らしてみると、そこがいかに「泥の文化」であるかがわかる。カトマンドゥの近くにティミという村があって、焼き物を専業としている。よく行き、そのたびに小物を買ってきた。今でも軽井沢の拙宅の洗面台の石鹸入れはかの地のものだ。しかし、客がよく割る。石鹸がくっついているのでそのまま持ち上げたならば離れてしまい、コトンと落ちてそれで割れる。「土器」なんですね。ただ粘土を焼いただけ。その味わいが私は大好きだった。大量に買ってきているので、割って恐縮している客に「たくさんありますから」と次のを出す。しかし、行かなくなって久しいのでそろそろ払底だ。
この「土器」であの人たちは家も造っているのである。焼きしめた煉瓦よりも弱いのではないか。しかもただ積み上げただけ。かなりなビルまでこの工法だ。意外と古都のバクタプルやパタンの塔の方が強いかも知れない。よく覚えていないが、あれは木造だったのでは。何度も地震におそわれてここまで残っているということは、日本の三重五重の塔などと同じで、強いのではないだろうか。
なんでこのおっさんはどの国で何が起きてもこんなに語るのかと思っているあなたや、あなた。自分でも驚いているのですよ。半世紀でよくもこんなにいろいろやってきたものだ。そう、この歳になると「出力」をしなきゃとずっと考えていて、ゆるゆるだがそうなりそうな感触かな。巨艦は進路を変えるのに時間がかかるのである。何を偉そうに。そのとおり。わはははは。
はじめてカトマンドゥに行った時は怖かった。灯火があまりない。辻々にかすかな灯があって、何かと思えば、地べたにしゃがんだ人々が灯油を売っている。ペットボトル(だったかな?まだそういうものはなかったかな?)に入れてその日に家で灯をともせるだけのものを買うのである。ホテルは「ヤク・アンド・イエティ」しか国際電話が通じるところはなかった。王宮はまことに尊い場所であって、近づいて写真を撮るのにも気をつかった。そこの主がいまやいないのはご存じの通り。背後で仕掛けたのは、支那である。
私が愛する地で地震が起きたので、週末恒例の本の紹介の機会を逃してしまった。明日でもできれば書きます。人生は前倒しで旅をしておいた方がいい。そこでの経験がこうして何かが起きた時に、隣の人の何百倍もの振動を自らに与える。「かわいい子には旅をさせよ」ですよ。子のいる方々よ。
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