パルデンの会

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参院選では「元米兵」による残虐非道な事件の発覚という「逆風」が吹いた


琉球新報沖縄タイムスを糺す県民・国民の会 

「メルマガ第68号」 7月18日

参院選では「元米兵」による残虐非道な事件の発覚という「逆風」
が吹き、これを見事に「神風」に転換した「オール沖縄が圧勝しました。

参院選の直後、島尻候補にとって「中国の脅威」となるはずの「
神風」が吹きました。

南シナ海を巡り、フィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判で、
同裁判所は12日、中国が南シナ海のほぼ全域に管轄権を主張しているのは「法的根拠がなく、国際法に違反する」という判断を示し、フィリピンの主張を全面的に認め、中国にとって極めて厳しい内容となりました。

中国は南シナ海に独自に設定した「九段線」
と呼ばれる境界線の内側に「主権」や「管轄権」、それに「歴史的権利」があると主張していました。

これに対し裁判所は「法的根拠がなく、国際法に違反する」
という判断を示し、フィリピンの主張を全面的に認めました。その理由について裁判所は「中国がこの海域や資源に対して歴史的に排他的な支配をしてきたという証拠はないからだ」としています。

仲裁裁判所の判決に対し、中国は「紙くずだ」
と主張して判決に従がう様子はありません。 東シナ海で中国の尖閣侵犯に悩まされている沖縄では、中国の「(判決は)紙くず」発言は、「中国の脅威」そのものです。

既にご承知の通り、10日に投開票された参院選沖縄選挙区では、
宜野湾市長で「オール沖縄」推薦の伊波洋一氏が、現職で沖縄北方担当相の島尻安伊子さんに大差をつけて初当選を果たしました。

島尻さんは、昨年10月の内閣改造で沖縄担当相に就任し、
沖縄振興で実績を積み参院選での当選につなげたいという期待がありましたが、「元米兵」で現在は民間人のシンザト容疑者による女性遺体遺棄事件が選挙直前に発覚し、沖縄2紙による「米軍基地がある故の事件」などのネガティブな報道が逆風となり、予想以上の大差で敗北しました。

伊波氏当確の第一報が入った午後8時、島尻さんは「辺野古容認」
に転じたことが「敗因か」と記者団に問われ、「そう思っていません」と明確に答えました。

 しかし、相手候補の伊波氏は、「辺野古反対」「海兵隊退去」
のショートフレーズで、元米兵による残虐な事件に対する県民の怒りを、米軍基地への憎悪に転換させ、事件の「政治利用」に成功しました。

一方の島尻さんは、辺野古移設は争点にしないと決め、
もっぱら子育て支援など必要だが地味なテーマを争点にしたため扇動家の伊波氏の「辺野古反対」などのスローガンの前に、印象の薄い選挙戦を強いられました。

争点が伊波氏の主張する「辺野古移設の是非」なら、
安全保障の問題です。

何故島尻さんは、「
国の安全保障のためには辺野古移設が唯一の解決策」と断言できなかったのか、悔やまれてなりません。

島尻さんは、「海兵隊退去」を叫ぶ伊波氏に対し、「
中国の脅威にどう対処するか」と争点を相手の土俵に上って勝負すべきでした。

共産党より過激な新左翼出身で、「全軍基地撤去」「
日米安保廃棄」が本音の伊波氏には、アキレス腱といわれる弱点があります。

その弱点が「中国の脅威」です。

伊波氏は、
6年前の県知事選で任期途中の宜野湾市長を辞任して仲井真候補に挑戦しましたが、惨敗を喫しました。

その後、宜野湾市長選に再度挑戦しましたが、
無名の新人佐喜真候補に敗北し、この時点で伊波氏の政治生命は終わったものと囁かれていました。

伊波氏は、その後翁長知事が「オール沖縄
をバックに県政奪還に成功すると、こんどは1月の宜野湾市長選では「オール沖縄会議」の選対責任者を務め、参院選出馬を目指しました。

ところが、宜野湾市長選は予想外の大敗を喫し、
伊波氏の責任問題で「オール沖縄会議」が紛糾しました。

一時は伊波氏の参院選出馬は危ういといわれましたが、
すったもんだの挙句、結局今回の出馬に決まった経緯があります。

伊波氏は、2010年6月16日、東京・
有楽町の海外特派員協会で行った記者会見で次のように述べています。

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http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/153502664.html
外国人記者
北朝鮮と中国は脅威か?」
伊波洋一
「脅威ではない。脅威なのは米軍。中国とは何千年もの経済・
文化の交流がある」

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中国は脅威ではない─むしろ脅威は米軍─
中国とは何千年もの交流がある─

これは、尖閣諸島も沖縄の海も中国に差し上げたい、
さらに言えば、沖縄そのものを中国の影響下に置きたい、と読み替えることができます。

伊波氏を支援する共産党赤嶺政賢衆議院議員もBSフジの「
プライム」という番組で、司会の反町氏氏に「中国の脅威」を問われ「脅威などあるはずはない」と発言しています。

辺野古移設反対を主張する伊波氏に、「中国の脅威」
を問うことは、まさにアキレス腱に切り込むようなものです。

島嶼(とうしょ)県の沖縄ならではの興味深いデータがあります。

沖縄2紙が言論界をリードする沖縄本島以外の離島、
例えば石垣島宮古島の市町村では(久米島町など数カ所を除き、ほとんどの離島で島尻氏の得票が伊波氏の得票を上回りました。

自衛隊配備計画が進む先島地方の宮古島市石垣市
与那国町でも島尻氏が勝利しました。

沖縄2紙の占有率が圧倒的で、
基地問題がクローズアップされた沖縄本島では伊波氏の得票が上回り、中国の脅威に晒されている離島地域では島尻氏が支持される傾向が顕著に表れています。

2013年の沖縄知事選挙でも同じ傾向が見られました。

では、
今回の参院選と2013年の県知事選の結果を比較してみましょう

■2013年沖縄県知事
翁長雄志 ・・・ 360,820票 51.7%
仲井眞弘多・・・ 261,076票 37.3%
下地幹郎 ・・・ 69,447票 9.9%
喜納昌吉 ・・・7,821票 1.1%

翁長氏が、仲井真氏に99,744票の差を付け、14.4%
の得票差があります。

■2016年参院選 沖縄地区
伊波洋一 ・・・356,355(57.80%)
島尻安伊子・・・249,955(40.60%)
金城竜郎 ・・・9,937(1.60%)

伊波氏が島尻さんに106,400票の差をつけ、17.2%
もの得票差をつけられています。

沖縄での全県的保革の一騎打ちの選挙では、
保守勢力に約25万前後の固定票があることが分かります。
ただ、ここで一つ疑問が生じます。

県知事選のときは公明党県連が「自主投票」だったため、
翁長氏の「オール沖縄」に大多数が流れたといわれましたが、今回の参院選では公明党は島尻さんの支援を表明し、自公vs「オール沖縄」だったはず。

たとえ敗北しても知事選当時より僅差の敗北だと予測したのですが
、結果は知事選より差が付きました。

大敗の理由は唯ひとつです。

選挙直前に発覚した「元米兵」
による女性遺体遺棄事件という強烈な「逆風」です。

伊波氏は自分達にとっては「神風」となった残虐な事件を「
政治利用」し、元米兵への怒りを「米軍基地」そのものへの怒りに転換することに成功したのです。

島尻さんは、今後の進路について「白紙の状態」とのことですが、
是非捲土重来を期待したいものです。

今度、主要選挙に再挑戦するときは、
定石通りの基地問題を争点にする相手候補の土俵に上がって、防衛問題で真正面から戦って欲しいです。

「基地撤去」が決まり文句の相手候補に対し、「
中国の脅威にどう対処するか」と舌鋒鋭く迫ったら手垢の付いたスローガンなど木っ端微塵です。

戦う女に変身したら、島尻さんの復活は間違い有りません。


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