パルデンの会

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免責などとんでもないが、犯人には「ちゃんとした医者」による精神鑑定は必須だ


有料ブログ  勝谷誠彦の××な日々。   より転載

2016年7月27日号。<

むろんそれで免責などとんでもないが、犯人には「ちゃんとした医者」による精神鑑定は必須だ>。

 4時起床。
 障害者19人を虐殺し、
多くの人々に怪我を追わせた鬼畜の行状についてさまざまなことがわかってきた。まず私は、バックレる大マスコミと違うので昨日のここでの記述に見込み違いがあったことを素直に告白しなくてはいけない。あの時はわからなかった犯人の使用した凶器が判明した。
 <障害者施設殺傷事件/19人死亡/
男は刃物と結束バンド持ち込みか>
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160726/k10010609151000.html
 <これまでの調べで、
植松容疑者は施設の入所者が生活する東棟の1階のガラスを割り、ここから侵入したとみられていますが、その後の調べで、包丁とナイフ合わせて3本を施設に持ち込んでいた疑いがあることが分かりました。>
 これだけを聞いた時に私は更に首をひねった。
ナイフも大きなものではない。包丁は菜切りのそれだという報道もある。これではますますあれだけの人数を殺傷するのは難しいはずだ。ところが病院からのレポートを聞いて「あっ」と思った。
 <「傷が神経や骨までに達している」/
搬送の北里大学病院が会見>
 http://www.sankei.com/affairs/news/160726/afr1607260021-n1.html
 <同病院の浅利靖救命救急災害医療センター長は「
搬送者ほぼ全員が首に切り傷があった」と話した。>
 <浅利センター長は「首の傷は深く、
神経や骨までに達しているものもある。就寝中のことであり、突然のことで皆さん精神的なショックを受けているようだ」と説明。>
 昨日の私はどうしても日本刀での切り合いや、
正面から胸を刺すイメージがあった。すると骨にぶつかるし、脂肪層も厚い。ところが首をスッと切っていくのならば、刃物へのダメージは圧倒的に少ないのである。問題は被害者が楽々とそんなことを許すのかということだが、そこが元職員の植松聖の狙い目であった。被害者が熟睡している時間帯を狙い、声をあげられない入居者もいると承知していたのだろう。なおかつ、睡眠薬を投与されていた人もいるという。だから午前2時過ぎという時刻を狙ったのだ。さすがに私もそこまでは咄嗟に思い浮かばなかった。

 さてここからが今日に記す本質だ。
素人なのでまた外すかも知れないが、その分野はかなり勉強してきているので、勇気を持って書くことにする。周囲の話を総合すると、植松はどこかで「豹変」している。しかし取材をしても書いているのがその世界を知らない記者なので、本質に至っていない。
 <障害者施設襲撃/明るく礼儀正しい人/男の「闇の一面」>
 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00331570.html
 <神奈川・相模原市の障害者施設を襲った殺人事件。植松 聖容疑者(26)はどのような人物なのか、そしてなぜ、
今回の凶行に及んだのか。
 中学校の卒業アルバムで、「将来はバンドを組んで、
ちょっと売れたいです。そのあとコックさんになり、安定したお金が欲しいです」と、夢を語っていた植松容疑者。
 地元の友人は、明るく礼儀正しかったと話す。>
 これは多くの取材源が異口同音に言うことだ。
おそらくそうだったのだろう。同級生だけではなく近所の人たちも。しかし。
 <もう1つ、植松容疑者の環境に大きな変化があった。
事件現場からおよそ10分ほど歩いた場所にある、
植松容疑者の自宅。
 8年ほど前から両親と一緒に暮らしていたということだが、
4年ほど前に両親が家を出てからは、植松容疑者が1人で暮らしていたという。>
 ごく普通の記事であればこうした外的な変化に理由を求めるだろう
。しかし、私は今回のケースは違うと思う。たとえば以下のようなことを突然しでかすというのは、多少環境がかわったからということだけでは説明できない。衆議院議長にあてた例の手紙だ。
 

<私の目標は、重複障害者の方が、家庭内での生活、および社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。戦争で未来ある人間が殺されるのは、とても悲しく、多くの憎しみを生みますが、障害者を殺すことは、不幸を最大まで抑えることができます。>
 やたらと戦争という言葉が出て来る。なんとなくそれなりに筋が通っているようで、実は根本的な倫理観が欠けている。ちなみに、私は今回の事件は「ヘイトクライム」だと思っている。ヘイトクライムと言うと人種間と思われがちだが、対立する価値観から対話を捨てて直接行動に出ることであって、植松にとってはそれが障害者だったのだろう。また、主張しているのは優性思想そのものだ。
 <ナチス・ドイツの優生政策>
 http://members.jcom.home.ne.jp/takitayuzuru/Jew_ronkou/NazisGermany/Nazis_yuuseiseisaku.html
 戦争とそれを結びつけているあたり、植松の家を家宅捜査すると、
ヒトラーナチス関連の本が出て来るかも知れない。

 問題はなぜ、周囲からは比較的好青年だと思われていた植松が、
突然にそうした考えに傾倒していったかである。私は「反社会性パーソナリティ障害」という精神疾患を発症したのではないかと推測する。
 <反社会性パーソナリティ障害>
 http://hanzaisinrigaku.net/homicide/anti-sociality.html
 詳細はリンク先を読んでいたきたいが、
池田小学校事件の宅間守があっさりと逮捕されたことと、植松がすぐに自首したことの共通点は興味深い。植松に大麻使用の反応が出たとの報道があるが、薬物に傾倒しがちなのも特徴である。「障害者を殺したい」と言い始めたころに、植松は措置入院処分を受けている。
 <「重度障害者殺す」/措置入院時、大麻陽性反応/
逮捕の植松容疑者・施設襲撃>
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072600470&g=soc
 この時に反応が出ているのに、
なんと警察には連絡がされていなかった。この病院のいいかげんさには仰天するほかはない。産経新聞もそこに目をつけている。
 <相模原大量殺人/措置入院の徹底的検証を>
 http://www.sankei.com/column/news/160727/clm1607270001-n1.html
 <この後、男は「他害の恐れがある」
として精神保健福祉法に基づく措置入院となり、3月に退院していた。
 措置入院の解除、退院は指定医が判定し、自治体の判断を仰ぐ。
大量殺人を予告し、警察の聴取を受けた男が、措置入院を経て強い犯意を持続させ、実行に及んだのだ。措置入院の期間や解除の判断は妥当だったか。警察や「やまゆり園」は解除や退院後の男の動向について情報を得ていたのか。>
 やや笑うのは「精神障害者の経歴」が出てきた以上天下の『主張』
の中でも植松という名前を産経が伏せていることだ(苦笑)。
 措置入院からの退院の判定はまことに難しいものだ。
そのことを私は精神科医でエッセイストの春日武彦さんの著書から学んだ。だから素人にしてはやや生意気なことを書いてきた。春日さんは練達の文章家だが、措置入院の苦労、あるいは措置入院に限らずにどこで退院させるかという難しさについては以下の本が参考になる。そこで学んだことを思い起こすと、今回の病院の決定はあまりに安直に私には思われる。『精神科医は腹の底で何を考えているか』
 http://amzn.to/2av7nyb
 ちなみに春日先生には8月13日の『カツヤマサヒコSHOW
にご登場いただく。本を読んで面白いと感じたら、すぐに出ていただくのがこの番組だ。収録を終えているので、今回の事件について聞けないのが残念。
 措置入院などについて行政が臆病なのは、
昔から精神科には左巻きの伝統があり、患者の人権を声高に叫ぶ連中がいたこともある。まあ日弁連みたいなものだと思えばよろしい。ほとんどの医師はまっとうなのだが「主義者」は声がでかいのだ。今回、鬼畜を早々に野に放ったのが、そのせいなのか、ただの無能のなせるわざなのかは、大マスコミは検証する必要があるのではないか。

 明日は久しぶりに東京の昼の番組に生出演をする。『バイキング』
というらしい。
 http://www.fujitv.co.jp/viking/
 フジテレビは久しぶりだなあ。あのお化け番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』の後継だ。11時55分から。
その打合せにスタッフが二番町の事務所まで来てくれた。生放送だけに、事前に私とかなり話しておかないとヤバいと思ったか(笑)。昼休みのバラエティなので、ご飯でも食べながら暇な方はのぞいてみて下さい。
 終えて、いつもならマネジャーのT-1君と「さあ、
今日もよく働いた。呑みに行きましょ」となるはずだ。ちなみにこれはいつも私が言うのではなく、彼が言いだす。犬が「そろそろエサの時間ですよ。わんわん」と同じである。しかし私は禁酒中なのだ。呆然とするT-1君を尻目に、スーパーで鮭のフレークなど買ってすぐ裏の自宅に戻る。『ダイヤモンド・ザイ』のデータが届いていたので、とっとと18時までに書き上げる。大量殺人鬼の続報を見なくてはいけないからだ。
 ダイヤモンド社の担当のH君は、
資料を届けて外出して帰社すると、もう私の原稿が届いていたので瞠目していた。呑まなきゃ時間はいくらでもあるのだ。もっとも、呑んでいろいとだらだらと読む時間も、あれはあれで大切なのだけれども。あまり新しいニュースもないなあ、とテレビを消して、レトルトのおかゆの上に鮭のフレークをかけて、夕御飯。だんだん禅僧みたいになってきたぞ。
 さて、先日のパリ、ロンドンの紀行文「
いつ読ませてくれるんですか」という待ちくたびれている方の声が多く寄せられていたが、ちゃあんと書いていたんですよ。こういう形で写真ともども見てもらうことにした。やはりデザインがあると楽しい。もっとも、またそのうち、この日記のおまけでもやるつもり。方法にこだわらずにフレキシブルにね。
 <『旅読人』 紀行家、渦中のヨーロッパを往く>
 http://travel-value.jp/column/id=219
 やや、嬉しい。久しぶりに、文章と写真の「完全仕事」である。
それをこのクオリティで出せるというのはいいなあ。文章と写真の響きあいはどうでしょうか。ちなみにプレスリリースもあるので、お知り合いにも教えてあげて下さい。ついでにこの日記も読んでね、と添えてね。
 <コラムニスト勝谷誠彦氏の書き下ろし旅連載が『
トラベルバリュー』でスタート>
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000017796.html
 でも、こういう時代になったんだなあ。『旅』
などの紙で連載していたのがはるか昔のようで。

 究極のソフトターゲットだ。宗教戦争になるよ。
 <仏、教会テロ2人殺傷 「イスラム国」犯行の見方>
 http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM26H90_W6A720C1MM8000/
 教会のすべてに警備員を配置するわけにはいかないし、あるいは、
愛の宗教の精神にもそぐわないだろう。キリスト教徒にもアメリカを中心に原理主義者がいる。この人たちが「反撃」に出てモスクを攻撃でもしたら、もう世界大宗教戦争だ。無宗教と馬鹿にされてきた日本も悪いことばかりではない。

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