パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

シナ人も馬鹿ではない、しかしマスコミは十分伝えない


中国人観光客「成田空港騒乱」でわかった中国世論の“常識度”

2/1(木) 6:00配信
ダイヤモンド・オンライン
● 上海も雪でLCCが欠航 宿泊先や食事求め中国人が大騒動

 1月25日、今季最強の寒波が東京に襲来。東京都心では48年ぶりとなる氷点下4度を観測した厳しい冷え込みとなった。

 気象関連のニュースによれば、東京都府中市では観測史上最も低い氷点下8.4度を記録。平年よりも10℃ほど低い強い寒気が関東上空に流れ込んだため、「まるで日本列島がすっぽり冷蔵庫の中に入ってしまったかのよう」と形容された厳しい冷え込みとなった。

 実は同じころ、海の向こう側の中国・上海も寒波と雪に襲われた。そのため、東京成田国際空港では、24日午後10時15分発の上海行きの格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパン35便が欠航。175人の中国人旅行客が成田空港で足止めという事態になってしまった。しかし、これがやがて、集団的な騒動へとエスカレートしてしまう。

 確かに、悪天候による欠航が分かった段階で、速やかに中国語のできる職員を出して対応策などの事情説明を行わなかった航空会社側の落ち度はある。そこは今後改善すべき問題点だと思う。しかし、宿泊・飲食のサービス、さらに他の航空会社のエアチケットの提供を求める中国人旅行客の行動には、より大きな問題があった。
● 抗日時代に作られた国歌を斉唱した 抗議行動に中国国内では厳しい批判

 この騒ぎの中で、ジェットスターの女性スタッフ1人が転倒し、けがをした。通報でかけつけた警察官が、乱暴したと見られる中国人から事情を聴くため身柄を拘束しようとしたところ、中国人旅行客が抗日戦争時代に創作された国歌を斉唱し、抗議行動に出た。

 インターネット上では、中国人旅行客が日本で差別的な扱いを受け、警察官から暴行を受けたという説明の動画がアップされ、瞬く間に中国で広がった。情報発信者は、恐らく愛国心を前面に出して訴えれば、中国国内の支持を広く得られ、希望通りの事態収拾案が航空会社から提示されると考えたのかもしれない。

 しかし、中国での世論は、情報発信者の期待する方向には向かわなかった。ネット上では、むしろこれらの中国人旅行客に対し、非常に厳しい批判が浴びせられた。その一部を紹介しよう。

 まず、在日中国人の多くは、「LCCを選んだ以上、このような扱いになるのは全然おかしくない。LCCの旅客運送約款はこのようになっているはずだ」「旅客運送約款を全く読まずに、ただ泣く子はお乳をたくさん吸えるという、中国社会在来の意識にばかりへばりついてはだめだ」といった声を上げた。

 飛行機が万が一、事故に見舞われた場合の賠償金は、航空会社によって大差が出る事実を挙げながら、航空業界の常識を諭す人もいれば、この騒ぎを「契約精神の欠如」「遵法意識が薄い」と一刀両断するジャーナリストや記者もいた。

 中には「175人もいるのに、なぜ日本語のできる人間はいないのか」との声も出ていた。
● 騒ぎを起こした同胞たちを 「巨大な赤ちゃん」と批判

 中国国内のSNSでは、こうした騒ぎを海外で起こした同胞たちを「巨嬰」、つまり巨大な赤ちゃんと揶揄して痛烈に批判する声は非常に多い。いつまでも過保護な環境に依存し、成長を拒む一部の中国人旅行客の悪しき習性に、容赦なく批判を浴びせている。

 中国で海外旅行がかなり普及した今、早く世界の常識に則って行動すべきだと諭す声も少なくなかった。過去に空港で足止めされた経験のある女性は、「食べ物がなくても、宿泊の手配がされなくても、大勢の乗客は静かに一夜を明かした」といった体験談を公開した。

 国歌斉唱による抗議行動に対して、そんなに愛国心を表現したいなら、その舞台は空港ではなく、靖国神社や釣魚島(日本名は尖閣諸島)を選ぶべきではないか、という辛辣な批判もあった。

 米国の中国語メディアも、今度の中国人旅行客の騒ぎを、一部の中国人の「尊大かつ幼稚な心理」と論じた上で、「国歌斉唱は、群衆による憂さ晴らしの手段では絶対にない」と糾弾した。

 一方、日頃、「官僚主義的」「威張っている」と批判の対象にされやすい在日中国大使館の今回の対応に対しては、賞賛の声がかなりあった。

 在日中国大使館領事部は、深夜に電話で叩き起こされ、食事の提供など、中国人旅行客から出された理不尽な要求に対しても辛抱強く、かつ迅速に対応し、可能な限り便宜を図るような環境を作った。その努力には好意的な発言が目立った。
● 世界的な常識を持つ 中国人も圧倒的に多い

 中国人旅行客の「自己権利への過度なこだわり」をたしなめる中国大使館の発言は、バランス感覚を保ったものだと評価したい。

 中国大使館からの要請もあり、足止めとなった中国人旅行客には、最終的に食事券が配られた。これに対して、SNSではLCCに対して同情の声が集まった。中には、食事券をもらった旅行客は恥ずかしくはないのかと、痛烈に叱る人もいた。

 格安航空会社の異常事態発生時の対応や態勢など、確かに強化すべきところに対しては、迅速に手を打つべきだと提案したい。また、国際便をかなり増便したにもかかわらず、24時間空港ではない成田空港には、改善すべき点が相当あることも事実だろうと思う。

 中国人旅行客は、今や世界の至る所に出かけている。「巨嬰」状態を卒業しない中国人がまだまだいるのも確かなことだ。しかし、今回の騒動を通して、世界的な常識を持っている中国人が圧倒的に多いことを確認できて嬉しい。

 175人の多くは今、密かに反省しているのだろうか。これからはこんなバカな騒ぎはもうしないよね。

 (作家・ジャーナリスト 莫 邦富)