米で孔子学院閉鎖相次ぐ 北フロリダ大が閉鎖を決定
【ワシントン=黒瀬悦成】米南部フロリダ州の北フロリダ大は、学内に設置されている中国政府の非営利教育機構「孔子学院」を来年2月に閉鎖することを決めた。全米の大学などに100程度ある孔子学院をめぐっては、米国内で「中国政府の政治宣伝機関と化している」との批判が高まっており、同大に関しても州選出のルビオ上院議員(共和党)が契約打ち切りを要請していた。
北フロリダ大は州北部のジャクソンビルにあり、2014年に中国の孔子学院本部などとの契約で学内に孔子学院を開設。同大は今月14日、閉鎖は「慎重な考慮の結果」であるとした上で、過去4年間にわたる孔子学院での授業が「大学の使命や目標と合致しないと判断した」と説明した。
閉鎖を来年2月としたのは、契約により閉鎖には6カ月前の事前通告が必要であるためとしている。
ルビオ氏は今年2月、孔子学院がある州内の5つの大学などに契約打ち切りを要請し、同大と西フロリダ大が閉鎖を決定。ルビオ氏は「他の大学も追随するよう要望する」とした。
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孔子学院 中国語と中国文化の普及を目的として、中国政府が世界各地に設置している非営利の教育機関。2004年から提携大学などへの設置が進められている。運営機関は中国教育省の傘下にある国家漢語国際推進指導小組弁公室(漢弁)。ホームページによると、孔子学院は17年末時点で世界138カ国・地域に525カ所あり、学院より小規模な「孔子教室」は79カ国・地域に1113カ所ある。日本には「立命館孔子学院」など学院が14カ所、教室が8カ所開設されている。