「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)11月23日(新嘗祭)
通巻第5899号 <前日発行>
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パキスタンの債務不履行という時限爆弾、まもなく爆発か
サウジアラビア、緊急に10億ドルをパキスタン中銀に送金したが
****************************************11月19日、サウジアラビアはパキスタンの中央銀行に10億ドルの送金を済ませたと発表した。近日中に、あと20億ドルの振り込みがなされるという。
イムラン・カーン首相は、就任直後に北京ではなく、リヤドを訪問し、緊急に60億ドルの金融支援を要請し、サウジ側はとりあえず30億ドルの救済を約束していた。
中国はパキスタンに20億ドルの緊急支援を要請され、10億ドルを送金したとされるが、いずれも焼け石に水。火の車の外貨逼迫は一向に改善されず、低迷を続けている。パキスタンがデフォルトを宣言すれば、IMF管理下にはいり、経済再建のために、債権国には八割前後の債権放棄が迫られる上、経理が透明性をつよく求められる。
さらにパキスタンにとっては悪い動き。
トランプ政権は年初来、パキスタンへの軍事支援16億6000万ドルを中断したままにしている。
米国はアフタニスタン戦争で、パキスタンの四つの空軍基地を借り受け、タリバン攻撃の出撃基地としてきた。みかえりに武器供与など軍事支援を強化してきたが、パキスタン軍は面従腹背で、タリバンに武器を横流し、米軍の作戦予定を漏洩した上、パキスタンの領内にタリバン幹部の隠れ家を提供してきた。
その典型例がアルカィーダの首魁オサマ・ビン・ラディンだった。パキスタン軍幹部がラディンを保護し、隠れ家を提供していたのだ。米軍の不信感はビンラディン殺害後も解けず、タリバン掃討作戦で協力が得られないばかりか、数々の裏切りに遭遇し、軍事支援中断という措置が継続されている。
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