パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

全人代初日、コロナ対策への成果、ウクライナ戦争への態度などには触れず、若者等の失業対策も触れず、不動産市場の崩壊に関しての言及もなかった。しかし軍拡は7・2%の軍事予算増加で30兆5500億円(日本の防衛予算の五倍)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)3月6日(月曜日)
        通巻第7660号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 全人代初日、GDP成長目標を5%、軍拡は続ける
有名ファンド「中国投資のカネを引き出せなくなっているゾ」
***************************************

 3月5日から全人代が開催され、初日に演説した李克強首相は「ことしのGDP成長目標を5%前後」とした。IMFなどの予測は4・3%から4・4%程度。それよりチト高い数字を並べて財政赤字はGDPの3%以内におさえるとか。

 コロナ対策への成果、ウクライナ戦争への態度などには触れず、若者等の失業対策も触れず、不動産市場の崩壊に関しての言及もなかった。
 しかし軍拡は7・2%の軍事予算増加で30兆5500億円(日本の防衛予算の五倍)。
 とくに台湾侵略に必要な戦車揚陸艦、揚陸輸送艦を52隻、台湾向け戦区の陸軍を41万6000人とし、ICBMを300基、弾道ミサイル潜水艦6隻など、軍拡の中味の充実ぶりが目立つ。

 また注目すべきは地方政府の債券起債枠を75兆円としたこと、つまり借金の山を積み上げていく実態の黙認である。むろん「インフラ債券」という名前で起債するが、実態は借金の返済、リスケとみられる。
少子化対策、健康保険基金債務超過など制度改革は触れず、景気浮揚を鼓吹するにしては元気のない内容となった。

 世界的な投資家として知られ、前テンプルトン・エマージング・ファンドCEO、マーク・マビウス(現「マビウス・キャピタル・パートナーズ会長)は「中国投資から撤退中だが、上海のHSBC私の口座からお金が引き出せないことになった」とFOXニュースのインタビューで語った(3月2日)。中国は極めて厳しい外貨持ちだし制限をしている。外国人の個人口座からの引き出し額は年間5万ドルまでに規制されている。

 筆者も30年以上前だが、このマーク・マビウスについて書いたことがある。新興企業で伸びそうな会社を自家用ジェット機で訪問し、世界中の経営者に直接会って投資を決めるという直截で戦闘的なやりかたに注目した。そのマビウスも中国投資を畳みつつあったのだ。

 そういえば全米最大の投資グループ「バークシャー・ハザウエイ」を率いるウォーレン・バフェットが前期まで保有していたTSMCの全株を売却していた。
欧米投資家の中国離れが顕著である。

       ◎☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□