EUはロシア中央銀行の凍結資産を没収する法的手段はないと結論し、代替案は没収基金が生み出す利息や利益をウクライナ復興資金として転用出来ないかを検討している。

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　「宮崎正弘の国際情勢解題」　
　　　　令和五年（２０２３）　６月３０日（金曜日）
　　　　　　　　通巻第７８１２号　　
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　ＥＵ、ロシアの凍結資産をめぐっての法的解釈
　　「転用は法的淵源が内が、基金利息の活用はできる」
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　EUはロシア中央銀行の凍結資産を没収する法的手段はないと結論し、代替案は没収基金が生み出す利息や利益をウクライナ復興資金として転用出来ないかを検討している。ＥＵが凍結したロシアの資産は2190億ドル。
EUは２０年2月、ロシア軍がウクライナで特別軍事作戦を開始した直後にロシア中央銀行の保有資産を凍結した。
クレムリンはブリュッセルの行為を「窃盗だ」と非難してきた。

凍結されたロシア資金の大部分は決済大手ユーロクリアにあり、同社は今年第1四半期に約7億5000万ユーロを生み出した。
EU作業部会は「凍結または固定化された資産がEUの制限措置下にあるというだけの理由で、これらの資産の没収を認めることが可能な法的手段は存在しない」と考え、したがって投資による利益をウクライナ支援に利用する案を支持する。

これとは別に個人のオルガルヒらが欧州の銀行、とくにスイスに預けた口座が凍結されたままになっている。典型例がアブラモウィッツで所有するヨット、自家用飛行機まで差し押さえされた。カナダでも所有資産が差し押さえられた。

ロシア制裁のためアブラモウィッツは英国で所有していたチェルシーの経営権を売却した。その売却益は全額（４２００億円）を戦争の被害者に寄附するとした。
アブラモウィッツはユダヤ人でイスラエル国籍も持ち、現在はイスラエル在住と推測されている。
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