パルデンの会

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TSMC(台湾積体電路製造) は2025年に 2 ナノメートルの次世代半導体開発を飛躍させるべく新竹工業団地(台湾のシリコンバレー)に新しい研究開発センターを開設した。

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)7月29日(土曜日)弐
        通巻第7841号 
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TSMC(台湾積体電路製造) は2025年に 2 ナノメートル半導体生産
新竹工業団地(台湾のシリコンバレー)に新しい研究開発センターを開設
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 国家安全保障の視座からいえば、リスクの高い賭けである。
中国は台湾侵略を公然と呼号しているが、半導体技術で世界一のTSMCをそっくりいただくとも発言しており、世界最先端企業が、そのトップの研究機関を米国ではなく台湾に置くという方針を明示したことは、米国にとって、またTSMCの新工場と研究センターを受け入れている日本にとっても、複雑な心境となる。

 7月27日、TSMC(台湾積体電路製造) は2025年に 2 ナノメートルの次世代半導体開発を飛躍させるべく新竹工業団地(台湾のシリコンバレー)に新しい研究開発センターを開設した。
 2025年を目標とする2ナノはアップルやエヌビディ社が顧客となる。日本の「ラピダス」は千歳に工場を新築中だが、世界最先端の2ナノ半導体を2027年に生産開始を予定している。 

 台湾のRDセンター開設式典にはTSMC創設者の張忠謀と陳建仁(台湾首相)が出席した。
「世界的なテクノロジーのリーダーシップを守る」とCEOの魏哲家は演説し、また新しい研究開発センターは7,000人以上のエンジニアを収容すると述べた。
安全保障上のリスクだと米国の防衛関係者が懸念するのは、こうした世界一の技術を中国がまるごと強奪するシナリオであり、したがって米国の一部には「そのときはTSMC工場、研究センターを中国侵略軍にわたさないために爆破・破壊する必要がある」というシナリオも公然と語られるようになっている。

 TSMCはEV自動車用の28ナノ半導体を日本の熊本県菊陽町ドイツに新設するが、米国アリゾナ州には3ナノ工場を建設中だ。しかも米国工場の起工式にはバイデン大統領が出席したほど期待されているのだ。

 TSMC会長の劉徳音は「新研究開発センターの立ち上げにより、TSMCは2ナノ技術、1.4ナノ技術で世界をリードする半導体技術の開発にさらに積極的に取り組んでいく」と今後の方針を明らかにした。
つまり2ナノは米国では生産しないと言っているのである。

 TSMCは研究開発に54億7000万米ドルを振り向け(2021年は44億7000万米ドル)。
この研究開発支出はマサチューセッツ工科大学の20億米ドルを大幅に上回り、収入総額の8%にあたる。

 なおTSMCは「3DIC研究開発センター」(江本裕・センター長)をつくば産総研内に22年6月に開設している。
この開設式典には萩生田光一(経済通産大臣=当時)が列席した。萩生田は自民党政調会長として7月24日にはTSMC熊本工場も視察している。

日本のつくばでは半導体製造は行わず、最先端の半導体の微細化と「3次元実装」に向けた研究開発である。すなわち3次元実装とは異なる性能を持つチップを縦に積み重ね1つのパッケージに実装する技術である。
世界半導体戦争の最先端現場である。

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