石川氏はどう答える
ヤジが飛んだのはこの政府対応について、高世氏が「早紀江さん、どうでしょう?」と見解を訊ねた直後だった。 「拉致被害者の家族会のなかでも“最大のオピニオンリーダー”である早紀江さんが、仮に2人に対する政府の対応に疑問を呈し、“すぐに救出に動いたほうがいい”などと言えば大問題。政府の拉致対応の否定に繋がり、これまでの戦略や方針が瓦解しかねない危険性があった。それを察知した石川氏が機先を制しようとしたのではないかと私は疑っています。ただ真意は別にしても、拉致対策の行政部門の“ドン”と呼ばれる公人が取るべき行動でないのは言うまでもありません」(高世氏) ヤジに激怒したのは会場にいた者ばかりでなく、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏も石川氏へ公開質問状を出すなど、騒動は広がりを見せている。 石川氏にヤジの真意などについて訊ねると、拉致問題対策本部事務局を通じて、 「私自身、ヤジを飛ばしたとの認識はありません。もとより、みずから積極的に何らかの発言をして行事の進行を妨害したり、対談のやり取りに影響等を与える意図はまったく有しておりませんでした」 と回答したが、反省の弁は一切見られなかった。
デイリー新潮編集部
新潮社