チベット仏教「法に基づいて寺院の管理強化」…報告書で「宗教の中国化」を正当化
【上海=田村美穂】中国国務院(中央政府)は10日、チベット自治区統治の成果をまとめた白書を発表した。チベット族を含む少数民族政策に対する批判が米欧などで強まっているのに対し、統治の正統性をアピールする狙いがあるようだ。
白書では、チベット族が信仰するチベット仏教を巡り、「法に基づいて寺院の管理を強化、改善し、調和を促した」と強調した。政府が宗教を管理することで秩序が保たれたと誇示し、政策を正当化した。
白書では、チベット族の言語・文化を保護する取り組みや所得増加もアピールした。習政権が発足した2012年以降、チベット族などに配慮し、自治区の発展を重視してきたと主張している。
中国政府はチベット自治区についてまとめた白書を発表し、習近平指導部による統治を正当化して人権侵害などの批判をかわすとともに、欧米をけん制するねらいもあるとみられます。
中国政府はチベット自治区の少数民族政策の成果をまとめたとして北京で10日、記者会見しました。
チベット自治区をめぐっては、欧米諸国などから人権侵害や宗教の抑圧などの非難を受けていますが、白書では習近平国家主席をトップとする中国共産党の指導のもと「歴史的な成果をあげている」と強調しています。
このうち、住民1人当たりの可処分所得は去年までの10年間で3倍余りに増え「絶対的な貧困の問題は完全に解決された」としています。
また、チベット仏教など宗教については「中国化の方向性を堅持しなければならない」と強調した上で、中国政府の補助金で寺院周辺の環境が整備されているとしています。
一方、白書の英語版では地名について、2年前の白書では「Tibet」としていた表記を今回、「Xizang」と中国語の発音にもとづく表記にしています。
中国政府としては、習近平指導部による統治を正当化して人権侵害などの批判をかわすとともに、地名の表記を中国語の発音に基づくものにすることで内政だと強調し、欧米などをけん制するねらいもあるとみられます。
一方、白書では、インドに逃れているチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世について「反動的」と非難し、中国政府として国家の分裂につながる活動を徹底して抑え込む姿勢を示しています。
中国政府は、チベット族の子どもを寄宿学校に入れ、同化政策を行っているとの指摘があることに対し「寄宿学校に入るかは親の選択にゆだねられている」と反論しました。
中国政府は10日、会見を開き「中国共産党のチベット政策に関する白書」を発表。
チベットに関しては宗教の自由が制限され、弾圧の対象になっていると国連などが報告していますが、会見では「憲法のもとチベットでは宗教の自由が保障されている」と強調しました。
中国政府が運営する寄宿学校に100万人以上のチベット族の子どもたちを強制的に入れ、「漢族との同化政策」を行っているとするアメリカ政府の指摘については、「チベットは自然条件が厳しく、人口が分散しているため、通学に便利なように寄宿学校に入れている」と反論。「特に遠隔地の子どもに質の高い教育を提供するものであり、寄宿学校に入るかどうかは親の選択にゆだねられている」と強制ではないと説明しています。
一方、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を念頭に、「宗教が社会主義社会に適応するよう積極的に指導し、全ての民族が団結を守り、分離主義に反対する」としたほか、信仰よりも中国共産党への忠誠を優先させる「宗教の中国化」の方向性を今後も堅持する、としています。
チベットをめぐっては、過去たびたび中国政府への抗議活動が起きていることから、中国政府はチベット族への監視を強化していますが、今回の白書では欧米などからの指摘に反論した形です。
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我々の社会では 嘘や偽りは 悪とみなされ、修正が求められる。しかし 中国では 嘘や偽りは 必要であるという論理体系で それにごまかされる人間こそ間違いとする。 こういう国と付き合うことが間違い、中国人は宇宙人と一緒で人間界の教えには従えない民族、あえて付き合わないのが得策、古くは 聖徳太子が指摘、藤原道真が それを実践している。(パルデン記)