中国・ウルムチのデモ、市トップを更迭 注射針の事件で拘束されているウイグル族の4人を逮捕・起訴したと発表しました。一連の動きは、地元政府への批判をかわす狙い
9月6日12時0分配信 TBS
新疆ウイグル自治区のウルムチ市では、8月中旬から住民が注射針で襲われる事件が相次いでおり、今月3日には治安の悪化に抗議する漢族の住民を中心とした数万人のデモで5人が死亡したと、当局が発表しています。
その後も1000人規模のデモが起きて、武装警察が催涙弾を使って鎮圧するなど緊張状態が続いています。
こうした中、中国共産党は5日、ウルムチ市のトップを解任したと発表しました。
また、検察当局は発端となった注射針の事件で拘束されているウイグル族の4人を逮捕・起訴したと発表しました。一連の動きは、地元政府への批判をかわす狙いがあるものとみられます。(06日11:25)
<中国>ウルムチ市トップを解任 暴動やデモの頻発で責任
9月5日21時52分配信 毎日新聞
【ウルムチ鈴木玲子】新華社通信によると、中国共産党の新疆ウイグル自治区委員会は5日、ウルムチ市トップの栗智共産党委書記(漢族)を解任した。後任には朱海侖・自治区政法委書記が就任した。また、自治区人民代表大会常任委員会は同日、自治区公安庁の柳耀華庁長も解任した。区都ウルムチで大規模暴動やデモが頻発し、治安回復が遅れたことに対する責任が問われたとみられる。
早期解任によって、市民の不満の矛先をかわす狙いがあるものと見られるが、漢族らによる抗議デモでは自治区トップの王楽泉党委書記の辞任を求める声が強く、今回の解任で事態が収拾するかどうかは不明だ。
一方、ウルムチ市検察院は5日、記者会見し、通り魔事件で拘束した容疑者のうち既に起訴した4人の氏名などを明らかにした。男3人、女1人でいずれもウイグル族。このうち19歳の男は、街で買い物をしていた女性の尻を針で刺した疑いで逮捕され、起訴された。同検察院は起訴の罪名について公共安全危害罪としている。