2015.10.20 22:27更新
【習近平訪英】
「チベットに自由」と訴え 英宮殿周辺で人権団体が抗議デモ
http://www.sankei.com/images/news/151020/wor1510200044-n1.jpg
中国の習近平国家主席が滞在している英国ロンドンのバッキンガム宮殿周辺の沿道で、中国のチベット族弾圧を批判する国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなどのメンバー約50人が20日、「チベットに自由を」と訴えた。
参加者は習氏を乗せた車が通過するのに合わせ、チベットの旗を掲げて「弾圧をやめろ」「(習氏は)恥を知れ」などと叫んだ。
だが、大勢の中国人がチベットの旗を隠すように大きな中国の国旗を振り、太鼓や銅鑼を鳴らして抗議の声をかき消そうとした。
「中国に人権を」と書いたプラカードを持って参加した英国人男性は「習主席とは経済ではなく、人権問題やチベット問題を話し合ってほしい」と語った。(共同)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月21日(水曜日)参
通算第4693号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
******************************
習近平訪英。ロンドンは騒然とした。
人民元建ての中国国債を起債し、中国のカネを当てにする英国は、習近平が持参した巨額の投資を前に腰折れ、議会での演説まで認めた。いやそればかりか英国王室は最高級のもてなしで中国の国家元首を遇し、さすがの英国民もあきれ顔。
国王による公式の歓迎行事は41発の礼砲、赤絨毯を女王陛下夫妻と習夫妻が並んで歩き、さらには古式ゆかしき馬車に両夫妻が乗るなど、中国からの十年ぶりの賓客を遇した。習のお土産は夫人=膨麗媛の音楽アルバムが二冊。
女王陛下のプライベートな午餐会、ひきつづき国会での演説ののち、公式の晩餐会が開催される。
ところが、バッキンガム宮殿の周りは歓迎の旗より、抗議の人並みが多く、「チベットに自由を」と呼びかけるデモ隊に混じって、鉄鋼業界の不況で解雇された人たちは「中国の鉄鋼ダンピング輸出を認めるな」などと騒いだ。
習近平が持参した手みやげは464億ドルの投資の約束。なかには原子力発電プロジェクトや宇宙開発協力が含まれ、英国に3900人の雇用をもたらすという。
ロンドンの外交筋は「英国は冷え切った米国と中国の関係改善に橋渡しができる」などと妙な評価をしている。
落日の両国が、経済回復で協力し合おうという構図だが、中国の大盤振る舞いも、はたして実行されるのか、どうか。
□○ ◎□ □○ ◇○ ◎○ ◎○ □◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月21日(水曜日)参
通算第4693号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
習近平訪英。落日の両国が合唱「中英関係は黄金時代を迎えた」 ロンドンは「チベットに自由を」「失業を輸出した中国は帰れ」のデモ
******************************
習近平訪英。ロンドンは騒然とした。
人民元建ての中国国債を起債し、中国のカネを当てにする英国は、習近平が持参した巨額の投資を前に腰折れ、議会での演説まで認めた。いやそればかりか英国王室は最高級のもてなしで中国の国家元首を遇し、さすがの英国民もあきれ顔。
国王による公式の歓迎行事は41発の礼砲、赤絨毯を女王陛下夫妻と習夫妻が並んで歩き、さらには古式ゆかしき馬車に両夫妻が乗るなど、中国からの十年ぶりの賓客を遇した。習のお土産は夫人=膨麗媛の音楽アルバムが二冊。
女王陛下のプライベートな午餐会、ひきつづき国会での演説ののち、公式の晩餐会が開催される。
ところが、バッキンガム宮殿の周りは歓迎の旗より、抗議の人並みが多く、「チベットに自由を」と呼びかけるデモ隊に混じって、鉄鋼業界の不況で解雇された人たちは「中国の鉄鋼ダンピング輸出を認めるな」などと騒いだ。
習近平が持参した手みやげは464億ドルの投資の約束。なかには原子力発電プロジェクトや宇宙開発協力が含まれ、英国に3900人の雇用をもたらすという。
ロンドンの外交筋は「英国は冷え切った米国と中国の関係改善に橋渡しができる」などと妙な評価をしている。
落日の両国が、経済回復で協力し合おうという構図だが、中国の大盤振る舞いも、はたして実行されるのか、どうか。
□○ ◎□ □○ ◇○ ◎○ ◎○ □◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
勝谷誠彦氏の有料ブログより
イギリスに潜入中のわが工作員から報告が来た。バッキンガム宮殿の前はI LOVE 中国と書かれたTシャツを着た若い支那人であふれ返っていたらしい。人権団体が抗議の声をあげると太鼓で妨害するとか。北京五輪の時の善光寺前などでの騒動を思い出す。支那にはボタンを押すとすぐに行動を起こす学生などを各国に配置しているのだ。今回もイギリス在住の連中が動員されたのだろう。
習近平のイギリス訪問をナメていた私だが、次第に危機感が募ってきている。
<中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人は19日夜、ロンドンに到着し、23日までの英国公式訪問をスタートさせた。中国メディアは習主席の訪英を「中英関係の『黄金期』の始まり」と伝えているが、中国の安い鉄鋼輸出で打撃を受けている英業界関係者や人権活動家からは反発も出ている。
中国国家主席による英国公式訪問は2005年の胡錦濤前主席以来10年ぶり。習主席は20日、エリザベス女王とフィリップ殿下による歓迎式典に出席後、上下両院で演説。中国の人権弾圧を強く批判する最大野党・労働党のコービン党首との会談も予定されている。夕刻にはバッキンガム宮殿での公式晩餐(ばんさん)会に臨む。>
地政学的に見て、東洋の大国とイギリスが組むというのはまことに正しいのだ。日露戦争の勝利が日英同盟のおかげだったのはご存じの通りである。衰えたりとはいえかつての大英帝国、まだまだ旧植民地には影響力がある。つまり東洋からイギリスに至る「線」ができあがることになる。実はそれを支那はもう言い出している。どう見ても明治の大日本国のモノマネなのだが。
<AIIBは人民元の国際化を狙ってはいいるが、一帯一路構想により、アメリカがアジア回帰して対中包囲網を形成することと、世界に「民主」を輸出するアメリカの価値観外交による対中包囲網形成を阻止することにある。
10月7日付の本コラム「TPPに「実需」戦略で対抗する中国」に書いたように、習近平政権としてはアジアの「実需」に重点を置きながら、一方では一帯一路の終点を「西の果て」のイギリスに置いて、アメリカと区切っているのである。>
その通りだと思う。アメリカともっとも強固な同盟関係を結んでいるのは、わが日本国とイギリスである。わが国とアメリカを引き離すのは無理だと知っている。安倍晋三首相が空母ロナルド・レーガンの甲板に降り立ったのは、今回の習近平のイギリス訪問に対する牽制もあったのかも知れない。「こちらは転ばないよ」と。
しかし今のイギリスはわからない。それもこれもバラク・オバマ大統領が、アメリカ史上最悪の外交オンチだからだ。以前にも触れたが、さまざまな場面でイギリスがカチンと来るような言動をとってきた。そのツケがいままわっていているのだ。習平近のイギリスでの言動からは目が離せない。
イスラム過激派の影が、いよいよ、もうそこまで来たということだ。
<韓国の情報機関、国家情報院は20日、非公開の国会委員会で、爆弾の原料となる硝酸アンモニウムを韓国内に密輸入しようとしたとして中東の過激派組織「イスラム国」に同調する外国人5人を摘発したと明らかにした。出席した国会議員が記者団に説明した。
具体的にテロの原料を持ち込もうとしたというのは深刻だ。そもそも北朝鮮があるのでテロ対策はしている韓国でこれである。日本国は「柔らかい脇腹」なのだ。関係当局に緊張が走っているに違いない。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
(c)2015 勝谷誠彦、katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社
習近平のイギリス訪問をナメていた私だが、次第に危機感が募ってきている。
<中国メディア「中英関係の黄金期のはじまり」/バッキンガム宮殿で歓迎式典>
http://www.sankei.com/world/news/151020/wor1510200039-n1.html<中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人は19日夜、ロンドンに到着し、23日までの英国公式訪問をスタートさせた。中国メディアは習主席の訪英を「中英関係の『黄金期』の始まり」と伝えているが、中国の安い鉄鋼輸出で打撃を受けている英業界関係者や人権活動家からは反発も出ている。
中国国家主席による英国公式訪問は2005年の胡錦濤前主席以来10年ぶり。習主席は20日、エリザベス女王とフィリップ殿下による歓迎式典に出席後、上下両院で演説。中国の人権弾圧を強く批判する最大野党・労働党のコービン党首との会談も予定されている。夕刻にはバッキンガム宮殿での公式晩餐(ばんさん)会に臨む。>
地政学的に見て、東洋の大国とイギリスが組むというのはまことに正しいのだ。日露戦争の勝利が日英同盟のおかげだったのはご存じの通りである。衰えたりとはいえかつての大英帝国、まだまだ旧植民地には影響力がある。つまり東洋からイギリスに至る「線」ができあがることになる。実はそれを支那はもう言い出している。どう見ても明治の大日本国のモノマネなのだが。
<習近平主席訪英の思惑/「一帯一路」の終点>
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4001.php<AIIBは人民元の国際化を狙ってはいいるが、一帯一路構想により、アメリカがアジア回帰して対中包囲網を形成することと、世界に「民主」を輸出するアメリカの価値観外交による対中包囲網形成を阻止することにある。
10月7日付の本コラム「TPPに「実需」戦略で対抗する中国」に書いたように、習近平政権としてはアジアの「実需」に重点を置きながら、一方では一帯一路の終点を「西の果て」のイギリスに置いて、アメリカと区切っているのである。>
その通りだと思う。アメリカともっとも強固な同盟関係を結んでいるのは、わが日本国とイギリスである。わが国とアメリカを引き離すのは無理だと知っている。安倍晋三首相が空母ロナルド・レーガンの甲板に降り立ったのは、今回の習近平のイギリス訪問に対する牽制もあったのかも知れない。「こちらは転ばないよ」と。
しかし今のイギリスはわからない。それもこれもバラク・オバマ大統領が、アメリカ史上最悪の外交オンチだからだ。以前にも触れたが、さまざまな場面でイギリスがカチンと来るような言動をとってきた。そのツケがいままわっていているのだ。習平近のイギリスでの言動からは目が離せない。
イスラム過激派の影が、いよいよ、もうそこまで来たということだ。
<韓国で「イスラム国」関係者摘発/爆弾原料の密輸未遂>
http://www.sankei.com/world/news/151020/wor1510200038-n1.html<韓国の情報機関、国家情報院は20日、非公開の国会委員会で、爆弾の原料となる硝酸アンモニウムを韓国内に密輸入しようとしたとして中東の過激派組織「イスラム国」に同調する外国人5人を摘発したと明らかにした。出席した国会議員が記者団に説明した。
具体的にテロの原料を持ち込もうとしたというのは深刻だ。そもそも北朝鮮があるのでテロ対策はしている韓国でこれである。日本国は「柔らかい脇腹」なのだ。関係当局に緊張が走っているに違いない。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
(c)2015 勝谷誠彦、katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社
2015.10.20 20:45
【習近平訪英】中国メディア「中英関係の黄金期のはじまり」 バッキンガム宮殿で歓迎式典
http://www.sankei.com/images/news/151020/wor1510200039-n1.jpg 【ロンドン=内藤泰朗】中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人は19日夜、ロンドンに到着し、23日までの英国公式訪問をスタートさせた。中国メディアは習主席の訪英を「中英関係の『黄金期』の始まり」と伝えているが、中国の安い鉄鋼輸出で打撃を受けている英業界関係者や人権活動家からは反発も出ている。
©2015 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.