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中国当局、小説「黄禍」作者の訪日阻止

中国当局、小説「黄禍」作者の訪日阻止 

2015年12月19日 11:44 国際 注目

北京空港で出国を阻止された中国人作家の王力雄氏=17日(共同)
 

【北京共同】中国政府の少数民族政策を批判している著名な中国人作家、王力雄氏(62)が16日、日本に向けて出国しようとしたところ「国家の安全」を理由に北京空港で阻止されていたことが18日、分かった。王氏や関係者が明らかにした。共産党一党独裁の崩壊を描いた近未来小説「黄禍」が日本で出版されたばかりで、同氏の言動に注目が集まることを嫌ったとみられる。

 王氏によると、当局は①著作などで(チベット仏教の最高指導者)ダライ・ラマ14世と結託してチベット独立を支持している②(出国は)国家利益を損ない、国家の安全に危害を与える―などの理由を読み上げて出国を認めなかったという。

 北京の自宅に戻った王氏は「出国禁止はこれまでにもあったが、はっきりと『国家の安全』を理由に禁止されたのは初めて。人権派弁護士など反体制派を取り締まるための新たなやり方となっているのではないか」と話している。東京、北海道を訪れた後、台湾を訪問、来年1月に行われる台湾総統選を取材する予定だった。