パルデンの会

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法王様の甥の 「インタービュー」記事と 明日の記者会見の関係は??

「中道路線でなく独立を目指すべき」ダライ・ラマ14世の“側近”ケドルーブ・ソンドップ氏



4月19日18時46分配信 産経新聞

 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の甥で、チベット亡命政府議会議員のケドルーブ・ソンドップ氏(57)は都内で産経新聞と会見し、ダライ・ラマチベット独立でなく自治拡大を目指す中道路線を堅持する方針を再確認したことについて、「中国との対話は期待できない。独立を目指すべきだ」と反発した。ソンドップ氏はダライ・ラマの特別補佐官を務めたこともある側近といえるが、そのようなダライ・ラマに近い人物が中道路線を批判するのは、チベット内部で依然としてダライ・ラマの方針に不満が残っていることを示している。(相馬勝)

 ――ダライ・ラマチベット動乱50周年の今年3月、記者会見して、これまでと同じように、中国政府との対話を中心とする中道路線を打ち出したが、その理由は何か。

 「昨年3月、中国のチベット自治区やその近隣のチベット人が多数居住している四川、青海などの省・自治区で大規模な反中国デモや集会が行われ、あるいは一部のチベット人が蜂起し、多数のチベット人が逮捕・投獄されるなどして弾圧された。われわれがダライ・ラマ法王の指示で、中国側との話し合いを通じて、何とか事態を平和的に解決しようとしたが、中国側は話し合いの場で、ダライ・ラマ法王を『分裂主義者』などと批判するばかりで、何の成果も出なかった」

 「このため、ダライ・ラマ法王は中国側の態度に非常に失望するとともに、世界各国に居住しているチベット人をインドのチベット亡命政府に集まってもらい、ダライ・ラマ法王が主張してきた対中対話路線や中道路線などについて話し合ってもらい、今後の対応をどのようにするかを決めてもらう場をもった。その結果、世界各地の亡命チベット人は昨年11月、インド・ダラムサラで開いた特別会議で、今後の活動方針として中道路線を継続するとの勧告をまとめた。このため、ダライ・ラマ法王は、この会議の結果を民意として尊重し、熟慮に熟慮を重ねた末に、再び中国にチベット自治を求める中道路線の継続を打ち出したのだ」

 ――しかし、これまで中国の話し合いはまったく進展がなかった。これからも進展を期待するのは難しいのではないか。

 「私はダライ・ラマ法王の特使が中国に行く際、法王の指示で、特使と一緒に付いて行き、中国側の話し合いに参加したことがある。中国側との話し合いについてはよく分かっているつもりだ。また、私は中国からダラムサラに逃亡してきたチベット人を一時収容するチベット難民センターの所長をやっていたこともある。中国側が中国国内で、チベット人に対してどのような仕打ちをしているのかも、彼らから聞いてよく分かっている。現実に、ダライ・ラマ法王も昨年来、中国と交渉しても何も変わらないということを強調し、中国側の誠意のなさを激しく批判してきたのは周知の通りだ。私も個人的には、いまさら中国と交渉しても、何の成果も期待できないということは自明の理ではないか」

 ――それでは、今後どうしたらよいと思うか?

 「私は1957年、6歳の時、中国からインドに渡ってきた。8歳のときには、ダライ・ラマ法王がインドに亡命した際、父親から『お迎えに行ってこい』と言われて、ダライ・ラマ法王をお迎えした。また、ダライ・ラマ法王の特使のメンバーにも選ばれて中国側と交渉したほか、難民センターの所長も務め、さらに現在はチベット亡命政府議会の代表メンバーをしている。私は今後、チベット問題の生き証人として、一生懸命務めていくつもりだ。私がこれまでの経験から学んできたことは、中国はこの50年間、誠意を示さずに、時間稼ぎばかりしてきた。ウソばかりついてきた。私は個人的に中国を信用できない。このため、ダライ・ラマ法王の対中対話路線に反対というよりも、われわれチベット人は極度な中国不信に陥っている。私の結論はただ1つだ。それは、チベットは独立するしかないということだ。われわれには独立しか選択肢が残されていないのだ。自治は問題外だ。われわれはたとえ時間がかかっても、独立を目指していくべきだと思っている」

 ――ソンドップさんが独立を考えているのは、暴力的な手段も含めてか?

 「暴力的な方法はわれわれの文化にはなじまない。法王もそのように考えているはずだ。また、テロなどの方法をとっても、われわれチベット人は、人口的にみても中国人とでは比較にならないほど少ない。根本的にも、われわれ仏教徒には、テロのような破壊的な方法はなじまない。われわれは、主義主張を明確にして、平和的な方法で目的に向かって進んでいくしかない。中国が何と言おうと、チベットは1950年代まで独立国家であった。これは国際的にも認められている事実だ。これは中国であっても否定できない。われわれは、この事実を現実のものとして回復していくのみである」

 ――最近の報道では、ダライ・ラマの政治的な権力がチベット亡命政府の首相に委譲されているというが?

 「おっしゃるとおりだ。ダライ・ラマ法王は多くの権限を首相に委嘱している。これは、法王にとって、年齢的にも、肉体的にも限界があるからだ。ただ、ダライ・ラマ法王は民主主義的な方法を好まれている。下からの人々の意見を吸い上げていくというやり方を尊重しているからでもある。また、別の観点からみれば、チベットが将来、独立国に戻ったときに備えて、民主主義的な政府が出来るように、その基礎作りをしているということでもある。これは一貫している」

 ――報道によると、亡命政府の首相は今年中にも、中国との対話を再開すると言っているが、これについてはどうか?

 「チベット亡命政府は民主的な方法で運営されている。大事なことは民意を尊重するということだ。首相が中国と対話すると言っても、何ら問題はない。ただ、同時に民衆は、中国との対話の方式に大きな疑問を抱いているのは事実だ。民衆が首相と違った考えを持つことは民主主義社会にとって不思議なことではないだろう。

 ――とはいえ、昨年11月の大会では、チベットの人々の総意として、中国との対話を継続するということが決議されたのではないか?

 「私は大会におけるチベット人の集計結果を知っている。まず、独立をすべきだというのが30%。ダライ・ラマ法王の方針に従うとしたのは全体の50%だった。残りの20%が中国における自治方式を支持するというものだった。この集計結果で驚くべきことは、30%もの人々が独立を支持しているということだ。さらに、私は自治を支持するという20%の人たちに『それでは、あなたたちは中国に帰るのか』と質問してみた。すると、質問したすべての人々は『いや、私は帰らない。私はインドにとどまる』と答えたのだった。中国に帰らないのに、自治を支持するというのはまったく意味がない。矛盾しているのではないか」

 ――それでは、チベット社会において、ダライ・ラマの路線に反対している人々が多数いるということか?

 「さきほど話したとおり、チベット社会は民主主義化している。法王の考えは、法王の考えだ。それはそれで尊重するが、法王と違う考え方を持つものがいるということも、民主主義的な現れではないか。これは、日本のような先進国でも、必ずしも首相の考え方と違った考え方をしていてもまったく不思議ではないのと同じことだ」

 ――では、ダライ・ラマが言うような話し合い路線は無理だということか。

 「いまの中国の態度をみていると、中国政府のほうが法王のアプローチとは相容れないのではないか。中国政府はつい最近まで法王の対話路線を批判している。彼らは法王との話し合いを求めてきたが、ここに来て、話し合いもしないという態度に出ている。彼らはダライ・ラマは『搾取階級』であり、かつてのチベットは『奴隷国家』だとして、現在のチベットは『楽園』であると宣伝している。さらに、次のダライ・ラマの生まれ変わりは『我々が出す』とも言っている。これでは、もうお話にならない。交渉のテーブルにつくという態度ではない。このような中国政府の態度からも分かるように、もうわれわれには、独立しか残されていないのだ」

明日の話を期待しよう!!!