パルデンの会

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偏向、反日、の新聞の謝り方は 日本人とは違うようである そして新聞を小説として書いているのでは?

勝谷誠彦氏の有料ブログより転載

私もまあまあ早起きだが、わが工作員諸君も勤勉だ。早速、今朝届けられた朝日新聞に入っていた哀れな文書の写真が届いた。いまマネジャーのT-1君に送ったのでアップは少しあとになるかも知れませんがここで。
 https://ja-jp.facebook.com/katsuyamasahiko

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 ざくっと先に引用で紹介しておくとタイトルは、
 <ご愛読者のみなさまへ深くおわび申し上げます>
 とあり、メインはこの部分だろう。
 <このたびは弊社の「慰安婦問題特集」「池上彰さんのコラム『新聞ななめ読み』」「福島第一原発事故に関する吉田調書の記事」をめぐる問題で、大変なご心配をおかけするとともに、紙面に対するみなさまの信頼を損ねる結果どなり、ご迷惑をおかけしました。あらためて深くおわびいたします。申し訳ございませんでした。>
 相変わらず、ツッコミどころだらけである。そもそも朝日の体質が問題なのであって、ここにあげられている3つの出来事はただのきっかけに過ぎないのだが、それすらちゃんとした名称を記していない。慰安婦問題特集」じゃないだろう。「慰安婦記事の捏造」でしょう。「『新聞ななめ読み』」の「掲載拒否」でしょう。「吉田調書の記事」の「誤報」でしょう。天然自然現象のようにそういう記事や出来事があったわけではなく、あんたらが何をやらかしたのか、ここでも隠蔽する気なのかね。信じがたい。ちなみに、多くの読者は別に「心配」もしていないし、朝日をそもそも「信頼」なんてしていないから,朝日新聞におかれては「安心」するように(笑)。
 署名も異様というか無礼だ。末尾には「敬白」のあとに「朝日新聞社」とあるだけ。そんなヌエみたいなものに謝られても困る。「社長・木村伊量」となぜ書けないのか。
 「ははあん」と私が思ったのは「これは現場が勝手にやったのかも知れないな」ということだった。送ってくれた工作員は列島の西部の駐在…もといお住まいだが、あるいはその地域だけで、東京の本社の許可をとらずに折り込んだものではないか。いくらなんでも本社で文章を練れば、こんないいかげんなものは出すまい。勝手にやったので、社長の名前は使えない。しかし朝日新聞社のいち部門には間違いないので、社名だけ入れた、と。築地、ご存じでしたか?党紀委員会を招集した方がいいんじゃないですか(笑)。
 もしそうだとすれば、この文書は読者に向けたものというよりも、販売店をなだめるためかも知れない。「こんなのを本社が送ってきましたよ」と渡して折り込みをさせる。その「行為」そのものが読者の批判の矢面に立つ販売店の怒りを冷やすと考えたのかも。
 あなたや、あなたの地域でも、何か面白い動きがあれば、また教えて下さいね。

 本来ならば折り込みなどということをせずに、同じような謝罪の文章を紙面に載せればいい話である。しかし、ご存じのように、ちゃんとした謝罪が朝日はできていない。それどころか、今朝の東京版の3面を見た私は、椅子から転げ落ちそうになった。最近、毎朝のように転げ落ちかけていて、危なくて仕方がない。
 <朝日新聞に読者のみなさまから>
 として『声』欄が拡大されて3面にも進出してきているのである。1面にも、
 <1000通を超すご意見をいただいた>
 として告知をしている。『声』欄を使っての世論の鎮静化の画策については、ここでも紹介してきた。私から見れば「やっぱりな」だ。本来の『声』欄を見ると、批判の投稿はきれいさっぱり消えていて<バス停にベンチを設置して>だの<コーヒー楽しむ小さな幸せ>だのという、いつもの愚にもつかぬ老人クラブに戻っている。あるいは批判投書を「隔離」してこのさい一斉放出、これをもって「チャンチャン」としたいのかも。
 8本ある拡大版の投書を読み始めた私は、次第に笑いが止まらなくなった。ちなみに、私は、どんなにユニークなものであっても、基本的にこの日記で『声』欄の投書などはとりあげないことにしている。素人とプロが同じ土俵に上がってはいけないからだ。しかし、今日はあまりに面白いのでお名前を出すことなく少し使わせていただく。
 私たちの世代のブン屋や週刊誌記者はよく「説教エロ」いう言葉を使った。ここでも何度か書いたのでもうご存じかも知れないが「そんなことはいけない」「嘆かわしい」「気の毒だ」の論調で書きながら、実はエロい描写をしたり、残酷なシーンで興奮させたりする手法ことだ。今朝の『声』欄は、まさに説教エロのオンパレードなのである。
 列挙しますね。これは量で楽しむ『築地をどり』なので。右から左に掲載順で引きましょう。冒頭の一文はタイトルです。
 <信頼回復へ血のにじむ努力を>。国家公務員の方。頭に来て講読中止のために販売店に電話をするも、反省の気持ちが伝わってきたという。で<とりあえず、講読を継続することにした>。<信頼を取り戻すには血のにびむような努力が必要だということを、数々の企業不祥事を報道し、追及してきた朝日新聞ならよく分かっているはずだ>。
 さすがトップには「佳作」をもってきましたね。講読を継続して下さる立派な読者だ。しかも「天下の朝日新聞」の「実績」をきっちり紹介している。批判しているようで、持ち上げる。「説教エロ」の手法、おわかりになりはじめましたか。
 <読者の気持ちを読めていない>。バランスを考えたのか次の英語塾経営の方は<断腸の思いで長年の講読を断ることにしました>。なぜ<断腸>か。<これまで楽しい記事がたくさんあり、私をそれなりに成長させてくれたからです>。ね、笑いが止まらないでしょう。
 <先入観を排して取材にあたれ>。おっ、若いな。大学生の方だ。報道機関のインターシップに参加していて<記事を書く課題があり、いきつけのバーに取材に行った>。最近の21歳はもういきつけのバーがあるらしい。で、文脈的にはつながらないのだが<朝日新聞の報道姿勢は、巨大権力の監視のために、社会に必要なものだ>。ここに至り、私はさすがに首をかしげた。21歳の大学生が行きつけのバーに行って<巨大権力>とか考えるか?そもそも<巨大権力>なんて、いまどき朝日の左巻き記者しか使わない用語ですぜ。まあ、この時機に読者投稿まで偽造したら確実に会社は吹っ飛ぶからそんなことはないでしょうけどね。わははははは。
 どんどん行く。<「スクープありき」ではなかったか>。会社員の方。<「罪を憎んで人を憎まず」というには影響が大きすぎる問題だが、潔く謝罪したことは評価したい>。返す刀で<今回の件を報じた他社や政治家の姿勢だ。ここぞとばかりの感情的な批判もあったが、批判する側にも自己責任がある>。もう解説も不要。凄いでしょ。
 <活字への信頼を裏切られた>。写真家の方(??聞いたことのないお名前だが)。書き出しが<「朝日よ、お前もか」>。何と比べて「お前もか」なのでしょうか。たったひとことで「朝日に本来、誤りはなし」の見得を切っているのである。<新聞の活字は、それなりの学識のある人々が検証し、信頼性があるものだと信じてきた。それが裏切られたのだ>。典型的な「説教エロ」ですね。<裏切られた>まではすべてこれが、朝日と新聞業界へのエリート讃歌です。
 <市民の声もっと謙虚に聴いて>。主婦の方。<朝日新聞の自浄能力だけに任せるのではなく、もっと構造的に改革できることはないだろうか>。出た!「社会が悪い」だ。<きな臭い時代の足音が聞こえる今、権力批判はとても重要だ>。夫婦は似てくるというが、読者も洗脳されているうちに文体が朝日になるのかね。ちゃんとこういうお詫び特集でも<きな臭い時代の足音>を忘れない。
 ここから先の2本はもはや感情論になる。<一日も早い名誉挽回待っている>。保育園職員の方。<朝起きてまず朝日新聞を読む習慣は、50年以上になる>。頭と身体に悪いよ。おっと素人の方に言い過ぎ(笑)。<朝日にこだわってきたのは何だったのかと自問自答している。いまは小さい声で「まだ朝日をとっています」と言うしかない。一日は早い名誉挽回と信頼回復を心待ちにしている>。もうこうなるとラブレターですね。
 最後。<父が好んだ朝日だから悲しい>。ついに高校生の方!<小学校のころ、授業で使うために新聞を持って行くと、先生から「朝日新聞なの?すごいね」と褒められた>。日教組だったのだろうか。それとも私のような先生で逆の意味で「凄えなあ、いまどき朝日かよ」だったのかも(笑)。お父さんは幼いころに亡くなっている。でも<毎朝、「お父さん、新聞」と言って仏壇まで持っていくことが、いまも日課だ>。最後は泣き落としに来ましたか。<「すごいね」と褒められたあの日のようになるまで、父と一緒に朝日新聞を応援し続けたい>。
 ふう。投書だけにコピペがきかずすべて書き写したらくたびれ果てた。妙な文章を写すと、そのあとこちらの文体が壊れるんです。今日は『天国のいちばん底』を仕上げなくてはいけないのに、困ったもんだ。
 どうです。すさまじいでしょう。繰り返すが「全編」です。ひとつとして、厳しく朝日を批判したものはなく、それどころか必ず一カ所は「朝日は素晴らしい」「頑張れ」「復活を待つ」といった部分が入っている。
 朝日のどんな記事や言い訳よりも、私は今朝のこの『声』拡大版で、痛感しましたね。あのヒトたち、まったく懲りていない。いや、懲りるも何も、自分たちの何が異常なのか、自覚がない。精神病で言う「病識がない」状態で、これは治らんわ。『築地をどり』観劇記者歴30年の私ですら、あらためて仰天しましたよ。
 お手もとに朝日新聞がある方は、どうか改めてこの欄を読んでみて下さい。『声』は地域によって採用が微妙に違う。地元の投書を優先するからだが各地ともこの「説教エロ」なのだろうか。それとも東京版の担当者が特にヘンなのだろうか。それぞれの地域でも「地元をどり」を観劇して、何か面白いことがあれば、教えていただきたい。

 
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